見出し画像

過去問 公認心理師試験第6回 午前 一般問題 問34

みなさん、こんにちは。

公認心理師受験生Kidです。

さて、掲題の通り、問34です。

------------------------------------------------
問34
B型肝炎ウイルスの感染経路として、最も適切なものを1つ選べ。 

① 精液

② 飛沫

③ 飲用水

④ 吐しゃ物

⑤ エアロゾル
------------------------------------------------

正解、 ①です。

感染経路はHIVと同じですが、B型肝炎ウイルスはHIVに比べて50倍から100倍感染力が強く、また、B型肝炎ウイルスはHIVと異なり、人の身体の外でも少なくても7日間は生存することができ、この期間に予防接種を受けていない人の身体にウイルスが入った場合には、感染が成立することがあります。

開発途上国で、よくみられる感染経路には、以下の経路があります。

・周産期(出生時の母から子への感染)

・小児早期の感染(感染している家族との密接な人‐人感染による不顕性感染)

・安全でない注射器の使用

・安全でない輸血

・コンドームを適切に使用しない性的接触

多くの先進国(例えば、西ヨーロッパや北米)では、感染経路は開発途上国と異なり、主に、青年期の性交渉や注射薬物使用による感染が中心になっています。

B型肝炎ウイルスは汚染された食物や水によって広がることはないので、通常、職場で感染が広がることはありません。

B型肝炎ウイルスの潜伏期間は平均90日ですが、30日から180日の幅があり、ウイルスに感染した後、30日から60日後にウイルスが検出されるようになるなど検出される期間には幅があります。

B型肝炎の急性感染期には、ほとんどの人は症状が現れませんが、感染した人の中には数週間続く急性症状を起こすことがあり、皮膚や眼球結膜の黄染(黄疸)、褐色尿、激しい倦怠感、悪心、嘔吐、腹痛がみられることもあります。

また、B型肝炎ウイルスは肝臓に持続感染することがあり、後に肝硬変や肝がんに進展することがあります。

B型肝炎ウイルスの感染が慢性化する可能性は、感染した年齢によります。

B型肝炎ウイルスに感染した小児が、最も感染が慢性化しやすく、「1歳以下で感染した乳児の90%で感染が慢性化する」「1歳から4歳の間に感染した小児の30%から50%で感染が慢性化する」とされています。

成人では「小児期に感染し、感染が慢性化した成人のうち、25%はB型肝炎に関連した肝がんか肝硬変で死亡する」「B型肝炎に感染した健康な成人の90%は回復し、6か月以内にウイルスが完全に除去される」とされています。

急性B型肝炎には特異的な治療法がなく、治療は症状の緩和と、嘔吐や下痢で失われた体液の補正を含む栄養バランスを維持することを目的としています。

慢性B型肝炎は、インターフェロンや抗ウイルス薬を含む薬物で治療することもできますが、その治療には、年間で数千ドルの費用がかかるため開発途上国のほとんどの人は薬物治療を受けることができません。

肝がんはほぼ致命的であり、たいていは最も生産性が高い家族を養う責任がある世代の人々に起こります。

開発途上国では、肝がんの患者のほとんどが、診断から数か月のうちに死亡します。

高所得国では、外科治療や化学療法によって、数年、延命することが可能です。

肝硬変の患者は、時々、肝移植を受けますが、成功率には幅があります。

B型肝炎ワクチンは、B型肝炎の予防の大きな柱です。

B型肝炎ワクチンは、定期の予防接種スケジュールの一部として、3回または4回接種されます。

B型肝炎ウイルスの母子感染がよくみられる地域では、ワクチンの初回接種は、出生後可能な限り早期(すなわち24時間以内)に実施すべきであり、規定の接種回数で、乳幼児、小児、青少年の95%以上に、感染予防に必要な抗体ができ、予防効果は少なくとも20年続き、おそらく生涯持続すると考えられます。

また、以下のハイリスクグループも予防接種を受けるべきです。

・リスクの大きい性行動をする人々

・感染した人々のパートナーと同居家族

・注射薬物使用者輸血または血液製剤を頻繁に投与する必要がある人

・臓器移植のレシピエント

・医療従事者等、職業上、B型肝炎ウイルスに感染するリスクのある人

・B型肝炎が高率に発生している国への渡航者


ワクチンは、安全性と有効性が優れています。

多くの国では、小児の8%から15%がB型肝炎ウイルスに持続感染していましたが、予防接種によって、予防接種を受けた小児における持続感染の割合が1%未満に減少しました。

2011年7月の時点で、B型肝炎ワクチンは179か国で、定期の予防接種として接種されています

世界保健総会が世界的にB型肝炎の予防接種を勧める決議を採択した1992年に定期の予防接種として実施していた国は31か国であり、当時と比べ、大きく増加しました。

話は戻りますが、B型肝炎ウイルスは、感染した人との血液と血液の直接接触や、精液や膣分泌液によって感染するので、①の「精液」が感染経路として適切といえます。

引用URL:https://public-psychologist.systems/09-人体の構造と機能及び疾病/公認心理師%E3%80%802023-34/

いいなと思ったら応援しよう!