松橋萌の欧州散歩伝2024其の49
今日は念願の掃除会。インマンマーマン通りでゴミを拾う。あまり興味を持つことができなかった場所だから、視点を変えたかった。川崎さんに挨拶する。でも軽くにしておいた。大谷さんというお婆さんと自己紹介をする。ドイツで働きに来て、結婚して、今は一人で暮らしている。伊藤さんは大谷さんにMでいいですか?とベストを渡し、私にはXLを渡した。蛍光イエローのベストはよく目立つ。パフォーマティブだが、ドイツ人の目にはどのように映っているのだろうか。岩本さんは娘を連れて参加している。岩本さんと話しながらゴミを拾った。途中、川崎さんが写真を撮ってもいいか?と聞いた。そして、合図をしたら笑顔を下さい、とキザに言った。(それは嫌なキザでは無かったが)笑顔で写真に映るのが嫌いなので「自然な感じでお願いします」と言った。川崎さんは優しい感じで、あぁ、わかりましたと言った。
岩本さんの娘さんの袋の中身が風によって、沢山の煙草の吸い殻を道に撒いた。ミドリちゃんは今流行の俳優の漢字と同じらしい。でもその俳優の顔は実はわからなかった。何となく聞き覚えがあるから把握できた。日本の漫画・アニメショップの前で彼女は立ち止まった。岩本さんは山口の出身だった。川沿いをかなり長い時間かけて歩くらしい。ただ歩くだけ、でも彼女は小さな発見を楽しんだりすること、人と話すことを楽しむことのできる人だった。若い人やドイツ人と関わってみたいので、掃除会に散歩しているらしい。いつもならドイツ人の参加もあるらしい。延期になってしまったため、今日の参加者は5名と少なかった。
あの瓶ってお金になりますか?と岩間さんに聞いた。岩間さんはマークが無いとダメだと言った。そしてそれを彼のゴミ袋の中に入れた。伊藤さんは音楽を聴きながら大きなゴミを黙々と拾った。集合写真を撮った。
雨が降ってきて、軒下に入って移動した。ミドリちゃんは鈴木さんによく懐いていた。ミドリちゃんは鈴木さんがいるからこそこの掃除会に参加するのでは無いかと思うくらいだ。雨宿りした時にベストには協賛企業が載っているのに気づいた。TOKYO RAMEN,匠、CLAYTON HOTEL,茶若葉、リトル東京計画、なにわ、TAKEZO,串亭、GENKI KIDSなど、いつもならこういったところでご飯を食べて解散するらしかったが、午後に漢検があることで川崎さんが同行しないため、それは無いらしかった。まだこうした日本食を食べていなかったため、残念だと思った。
ベストを脱いで、手が塞がっていたから畳めなくて雑に鈴木さんに渡した。川崎さんがベストを畳んでくれた。伊藤さんが塞がっていた手の中の軍手を笑顔で預かってくれた。大谷さんがいつの間にかそこにいた。岩本さんと連絡先を交換した。大谷さんとも。ミドリちゃんは筆談会のフライヤーが紙飛行機になったり、おにぎりを食べられることにニコニコとしてくれたけど、岩本さんは「体操だね」と言った。
ちょっとカフェへ行こうかと、岩本さん・大谷さん・鈴木さんと私の間でなったけれど、日曜日は空いているお店が少なくて岩本さんは駅の近くで帰ってしまった。鈴木さんが「モテたい」みたいなことを言って大谷さんがジョークの数々に付き合った。大きな声だった。ミドリちゃんが「恋愛に年齢は関係ない」と言った時凛々しくて感嘆の声があがった。結局私と鈴木さんと大谷さんは、中央駅でホットドッグを買って食べた。大谷さんはコインを拾った。大谷さんは私に仮設の遊園地のことを教えてくれた。地下鉄に乗る時には、サッカーの時期だから、気をつけてネ、と言ってくれた。フライヤーを渡した。鈴木さんが「それ僕貰ってないんですけど」と言った。「友達だから、そういう人にはすぐには渡してない」と言った。「来て欲しいですか」「うん」「来て欲しいですか?」「うん、来て欲しい」「じゃあ、行きます」
オーバーカッセルの体育館でこれから駐在バスケチームの練習がある。12:30からは子供教室だという。連絡を引き受けてくださっているのは米村さんだ。初めての場所だったから、最初は戸惑ったが、どうやら地下にあるらしい。ママさん達がそこでよく息子を見たり、話したりしているとのことだったが、ママさん達が現れたのはこの日は練習が終わる頃だった。野田さんが先生をしている。私と一つしか歳の変わらない。充電スポットはあるのだけれど、通電していないと思われる。やがて一組のママさんが現れる。その内の眼鏡をかけた方は感じ良く挨拶してくれる。しかし、なかなか話しかけ方が難しかった。米村さんが到着したので、紹介をしてもらった。挨拶してくれたママさんは親切に話をしてくれた。そして、大学生である私の話を聞いて興味を持って、「ぜひ娘と会って欲しい」と言ってくれた。どうしたら芸術に興味を持つのかしら?というところが彼女が私に興味を持ったところのようだった。来週末まではテスト勉強があるが、その後は会うことができると。私はぜひ娘さんに会ってみたかったから連絡先を交換した。彼女達はフライヤーを二人で一枚だけ受け取った。
その後また二人組のママさんがやって来た。洗濯や買い物の苦労を聞かせてくれた。イベントに関して、習い事や家事と重なっているのだろうなというリアクションが多々見受けられた。
一人でベンチに座らず立っているママさんもいた。休日はインドア派で、彼女はあまり生活に不満を漏らすこともなかった。オドオドとした雰囲気の話し方だが、きっと一人で静かに過ごすのが寧ろ楽しいタイプの人だろう。子供は帰りたがったが、私と話すためにほら、あれをやってきたら?なんて言って、でも彼女の息子は彼女に似たタイプのように思えた。
ママさんとその子供達が帰ると駐在バスケチームの練習になる。