松橋萌の欧州散歩伝2024其の39(K20・K21)
K20へ行く。アパートから歩くことができる。作業服のお店がある。蛍光オレンジやイエローが堂々としている。素敵だったので、店に入ってみた。男性しかいないけれど、may I help you?と聞かれたので、とても素敵です、日本では見たことがありませんと説明する。そう、あなたは店を見たいんですね、と言われる。土産物としてシャツを買ったが、寒いので着てた。君は…韓国人?これはトルコのプロダクトです、と説明される。レジに四人もいる。
本屋へ入ってみる。そこで、ベンヤミンについて、挿絵がクレーの本があった。新しい天使の絵から始まる。その絵を見たいと思って、その絵のある国に行きたかった。
常設展はやっていなくて、クレーの絵を一枚も見ることができなかった。そうすると、社会における歴史みたいなものからは離れてしまったように感じた。
外に出ると雨が降っていて、美術館の前に人が体を丸めて座っていた。美しい柄の壁な景色にそれは合わさっていた。大柄な女性だった。K21を目指して歩く。傘をささない文化のことも試してみたかった。軒下をなるべく歩く。他の人がそれに続くこともある。キオスクで1.5€くらいのナッツを買って、エネルギー補給をする。ちょっと高いのは何故だろう…。
犬が芝生で、動かないでいる。飼い主との黄色いリードが引っ張られて伸びて、それが綺麗だった。リチャードセラの作品を撮影するふりをして、こっそりそれを撮ってしまった。
K21では、学生証を求められて、見せたらアートの学生なのかい?って言われて無料になった。
リチャードセラの作品は建物の中からも見えた。セラの作品の間を子供が遊んでいて綺麗だった。光と影があって、光の中にいる時子供のTシャツはカラーになった。影の中に隠れる。
鳥が日向ぼっこしてる。
アヤカさんと待ち合わせ。駅の天井には国旗がかかって、これはサッカーだね、とアヤカさんは言った。彼女たちは皆すぐ街に詳しくなる。トルコの旗を見つけると、トルコはヨーロッパなのかの論争はあるよ、と言っていた。
アヤカさんはK20の常設展を見たことがある。
遠くへ行く電車へ乗ったけど、壁のペイントを知っていた。ラッパを吹いているおじさんに微笑みかけてしまった。目、良い?と聞かれた。う〜ん、と答えた。アヤカさんは後ろ向きに座席に座ると酔ってしまう。
アヤカさんが昔行った古着屋さんへ行った。植物園の方にある。ご近所さんが集まって、子供も欲しいものを探したりしていた。大きな空間が薄暗くなっていて、沢山の道具。ビルバオの時もこのスタイルの古道具屋さんを見たことがある。アヤカさんは花瓶が欲しいと言った。二年前に可愛いのがあったけど流石にもうなかった。でも、古着屋さんはあった。あのおじいさんか。一枚、気に入ったシャツがあった。2€だった。ピースサインして、価格を教えてくれる。アヤカさんはもっと沢山買って10€だった。店にはおじいさんの友達のおじいさんとか、掘り出し物を探して試着する人もいた。
店を出てから、おじいさんがお洒落した写真があったよ、と教えた。
アヤカさんの家の側に、気になるところがあるから、そこに行く。そのためにまた戻る。アヤカさんは電車の切符について自身の経験を話した。
電車を降りると、自分一人では見る気にはならなかったオブジェをアヤカさんが見つけて見に行った。
「怖い」「爆弾みたい」「どうして人が」「生き物だ」ここでふいにアヤカさんは私とこのオブジェの写真を撮った。私は勇気を出して言ってみた。「さっきそこの看板を翻訳機にかけたら、“間違った政党を支持した”とあったよ」…
芝生には沢山の鳥のフンがあって、人はあまり立ち入らない。アートって身近だと思う?よく日本よりって言うけどさ…みたいな問いをアヤカさんは言った。
サッカーを観ていたら寝てしまったらしい。
珍しい、小さな車が通った。中に、小さくくっついたカップル。かわいかったねー、スポーツカーの話なんかになる。
エデカというスーパーで花を買う。高級なスーパーだという。そしてスーパーの力がここでは強いらしい。サッカーのスポンサーなどもする。
アヤカさんが連れて来たのは、ホームレスの人たちが夕方に集まって話す場所。そこには新しいトイレができた。側にエロティックストアがあると教えてくれた。その近くの壁にベッドの絵の描かれた大きな布が下がっている。アヤカさんにとってホームレスの彼らからは哲学を感じることがあるそうだ。それに、そこに集まる人は怖い雰囲気ではない。アヤカさんは彼らを見る訳ではなくただそこを通っていった。赤い服を着た人、女性…活気良く盛り上がっている。そこには黄色い私が着ているみたいなベストを着た若い女の子や男の子が清掃活動などをするという。恐らく薬などで捕まったのではないかと。“綺麗”ホームレスって犬を飼ったりする?と聞いたらそうらしい。
道の白いペンキをみて唐突に、アヤカさんは閃いた。これ、どこから始まったのか気になってたの、と。それでそれをただ辿った。
何を食べたいかというのは難しい質問だった。アヤカさんは一人ランチをしたりする。自宅では納豆ご飯も食べる。日本食か韓国料理を選ぶことが多い。駐在さんをよく見かけるという。トルコ料理店が人気で、移民の事情などについて教えてくれた。労働力の話。いつからかは知らないとのことだけど、このお店はドイツ人にとっても中国人にとっても人気の中華料理であるとか、この店は並んでいるとか、そういうことを教えてくれた。
途中で不思議なものを撮った彼女は観光客みたいってアヤカさんは自分のことを言った。
インド料理を食べに行った。黄色が可愛い店内だった。偶然充電スポットの側の席になって、20%を切っていたので有り難かった。ベビーカーの側にそれはある。店の人の服装がカジュアルであることをアヤカさんは指摘した。ナンが食べたいな〜と言って追加で頼んだ。店員さんは親切で丁寧だった。
アヤカさんにはビルバオの話をした。抽象表現の話など。アヤカさんは政治の話ができる人の多いこちらの方が、パートナーを選びやすいというようなことを言っていた。そして、ある男の子が言った言葉についてを気にしていた。バターチキンカレーは甘くて美味しかった。自分が頼んだカレーも自分にとっては好きだった。アヤカさんが残したものも貰ってしまった。私たちは食べ方が反対だった。
道を間違えながら家に帰った。