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2024欧州滞在記 Day 12
水曜日。朝、教会前のカフェへ。またココさんにご馳走になる。彼は残念ながら夜はお孫さんの世話があるからパーティには来られないとのこと。でもアトスは来てくれるとのこと。
ナイレが、これを実里に渡してほしいと言って手作りの魔除けをくれる。実里さんはナイレのことが大好きだからきっと喜ぶだろう。お母さん手作りの料理をたくさん持ってきてくれた。ご両親にもお会いしたかったな。去年はおうちにお邪魔したのだった。
自転車で「北」へ向かう。市場周辺をうろつくつもりだったけど、そうだ、去年Urban Gorillasのイベントでみんなで自転車で行ったあのアイスクリーム屋を訪ねてみようと急に思いつく。あそこはカイマクリ地区からグリーンラインの壁を隔てたところにあって、本来はめちゃ近いはずなのに緩衝地帯の壁のせいでぐるっと遠回りをしないと辿り着けないのだった。去年のイベントは、壁をはさんでこちら側とあちら側のアイスクリーム屋を訪ねよう、というとても興味深いイベントだったけど、あの時はまだ土地勘もなかったし、ニコシアで「北」に抜けるのも初めてで少し緊張もあったから、あらためて自分で行ってみたら何か発見があるかもしれない。
キプロスは昨日くらいから急に夏が来た感じで、かなり暑い。冷たい水を8トルコリラで買う(0.24ユーロくらい)。関門前の店だとユーロとリラとどっちで払うかを選べたりするのだけれど、たぶんユーロのほうが割高に設定されているので、選べる場合はトルコリラで払う(Wiseというアプリでいつでも両替できるように実里さんが用意してくれた)。
アイスクリーム屋のオーナーはわたしのことを覚えていて、再訪をすごく喜んでくれる。そしてアイスは美味しい。だいぶ回復してから、グリーンライン沿いを南下して関門へと戻る。
「南」のカイマクリ地区に戻り、ポットラックパーティが始まる。みんなどうせ遅れてくるだろうと思っていたらわりとアナウンスしてた午後6時前から人が集まり始める。スケヴィさんとわりとゆっくりお話できたというか、あの教会前で話すのとこことでまたちょっと関係性が変わる気がする。なんというかカフェだと彼女はやっぱりあのローカルコミュニティの一員なんだけど、あらためてここで話してみると、イギリス生まれでわけあってこのキプロスにやってきた移住者のひとりだと感じる。
猫のマヤ/ドローレスを追っているプロジェクトについて、撮り貯めた動画のごく一部を見せつつショートプレゼン。実は猫(だけ)を撮っているわけではないことは少し伝えられたかなと思う。作品として成立しそうなイメージもおぼろげに見えてきた。
カイマクリ地区における、Urban Gorillasおよびその仲間たちによる今後の作戦会議も開かれた。主な議題はシリアから来た人たちとどのような関係を作りうるかということで、こないだの映画祭で知り合ったダリヤをお招きしていたのだけれど、日本にいたことがあって日本語もぺらぺらな彼女はシリア出身なのだった。彼女とUrban Gorillasを引き合わせることができただけでもこのパーティやってよかったなと思う。
スケヴィさんは、アトスはきっと来ないわよ、と言っていたけれど、だいぶ遅い時間になって彼はひょっこり現れた。わたしはそれですっかり嬉しく上機嫌になってしまい、そしてたぶんウーゾ(アニス風味のリキュール)を飲みすぎたせいで酔いつぶれてしまい、最後まで居残ってくれた芙美子さんにはご心配をおかけしてしまった……。ウーゾは水と混ざると白濁するので、ロックで飲んでいても氷が溶けると白くなり、なんとなくマッコリみたいに飲みやすいお酒のように錯覚してしまうけど、正体は40度という強めのリキュールであることを覚えておかないといけない……。