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藤原ちからの欧州滞在記2024 Day 78

土曜日。朝のミーティング。移動の疲れもあるし、スロースタートにすることに。実里さんが鳥公園のオンライン読書会に参加しているあいだ、わたしは部屋で作業。夕方、サッカー観戦できそうな店を探して歩く。丘をふたつ越えた先まで行ってみたけど、当てが外れた。ドイツの各都市とは違って、どこのバーでもEUROの試合が観られる環境ではないらしい。アスレティック・ビルバオのサポーターも、ビルバオの所属選手であるニコ・ウィリアムスやウナイ・シモンがそこで活躍しているからといって、スペインのナショナルチームに関心があるわけではないみたい。スペイン国家とバスク・アイデンティティとの緊張関係の歴史は、どの程度そのメンタリティに影響しているんだろうか? アスレティックのファンの多くは、サッカー自体に興味があるというより、サン・マメス(地名でありスタジアムの愛称でもある)で一体感を持って応援する環境にこそ魅力を感じているのだろうか?


5月にも訪れたことのある、サバラ地区のバルに入ってみる。ここは大画面があって観やすいけど、試合は映像だけで音声はなく普通に音楽が流れている。イタリアの敗戦を無音で見届ける。ここで合流した実里さんと、隣にある中華系超市へ。店内に鳩が1匹紛れ込んでいる。実里さんはドイツに行ってからハリボーにハマってるみたいで、ここで購入。


次の試合はカスコ・ビエホ(旧市街)に行って観てみようか、ということで、こちらも以前訪ねたお店でドイツ対デンマークの試合を観る。店長っぽいあんちゃんは、前に一度来ただけなのに、あれ、もうひとりはどうしたの?とわたしたちのことをしっかり覚えていてくれた。隣のテーブルにいたドイツ人夫婦に、失礼ですがドイツからいらっしゃったのですか?とカタコトのドイツ語で話しかけて驚かれる。サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼でこの地を訪れているらしい。試合は、滝のような雨が降って一時中断した。


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