「ヴンダーカンマー」あるいは「驚異の部屋」について1
人はいつの時代も、希少性の高いものに惹かれるようだ。
かくいう私もコレクター気質というには粗末なものだが、次から次へと本やら服やらVHSやらレコードやらを収集してしまい、常に部屋にものが溢れており、ミニマリスト生活とは程遠い状態だ。
今回ご紹介するヴンダーカンマーは、そんな人間の蒐集欲を極限までに高め、煮詰めたような空間である。
「ヴンダーカンマー」Wunderkammer とは、ルネサンスおよびバロック期(15〜16世紀)にヨーロッパで蒐集家や学者たちが、珍しい、希少な