例えば、足し算や引き算を知らない子どもに、
「掛け算」を教えることはない。
「足す」という概念と「引く」という概念を理解していなければ、
「かける」という概念の理解には至らないからだ。
「足す」と「引く」の概念が備わっている状態を指して、
レディネス(準備性)という。
レディネスとは、「学ぶ側の準備性」を表現することばである。
小学校で教える「足し算」や「引き算」の場合、
レディネスのバラツキはそれほど大きくならない。
しかし、社会人になるとレディネスの「個人差」は
大きくひろがる。
見立ての事例検討会に参加する方達のレディネスも、
当然のことながら「差」がある。
同じ資格を持っていても…、「差」がある。
「差」があることは、いけないことではない。
見立ての事例検討会では、この「差」を歓迎する。
学びの幅が広がるし、曖昧な概念の理解を改めて
正確に把握する機会とするからだ。
例えば、連携、寄り添い、伴走型支援...など。
実務では、言葉だけが独り歩きして、
内容や概念が理解されないまま用いられる。
耳障りの良いキーワードだけが拾われ、
意味や内容の理解が不十分なまま、都合よく、使われる。
ベテランと呼ばれる人の中にも、
間違った概念を把握している人は少なくない。
そうならないように、
分からない言葉や概念がでてきた場合には、
遠慮なく説明を求めてほしい。
講師にダイレクトに聞くのが恥ずかしい場合には、
グループ内で確認するのもアリだ。
「わからないこと」に気付くことは、建設的なこと。
そのまま放置せず、クリアーにて行きたい。
見立ての事例検討会は、
基本的な理論や概念を学び直す場でもある。
自分のレディネスを固め直すつもりで、
どんどん質問し、相互に確認しあいながら学びを深めたい。
画像は、ai_gazou_free_7 さんのものをお借りしています。