#29 本紹介「プラスチックモンスターをやっつけよう!」
こんにちは、『のんきに最適化』がモットーのあころです。些細なことも自分好みにちょっとずつ改善させて毎日を楽しんでいます。
今日は読んだ本の心突き刺さりポイントをまとめます。
「プラスチックモンスターをやっつけよう!」
こちらは脱プラの意識を高めてくれる一冊。
子供向けと思いきや全く侮れない内容。写真や挿絵、具体例をふんだんに取り入れ大人にも説得力を持って訴えてくる内容です。
また、実践のために取り入れやすい方法を多数紹介しているので、脱プラスチックを考える際にとても頼りになる一冊です。
私自身も自分の身を反省しつつ、出来るところから取り組もう思いました。
------------
動物たちが傷ついている写真が多数あり衝撃的で心に突き刺さります。
プラスチックの古い漁業用網に絡まってしまった赤ウミガメの写真。ウミガメはレジ袋をくらげと間違えて食べてしまうこともあるとのこと。
日本の写真も沖縄のヤドカリが背負っているのはペットボトルのキャップ。
観光客はやどかりが使う貝殻を持ち帰り、ゴミを残していく…
北太平洋のミッドウェイトで見つかったアホウドリの死骸の写真。プラスチックゴミが胃袋に溜まり、餌を食べられなくなって餓死してしまったとのこと。
プラスチックゴミは何が問題か?
プラスチックは自然のものではないので、土に帰らない。いつまでもそこにあり続けて生き物に絡みついたり、環境を汚したりする。生き物は絡みついたプラスチックを自分で取ることができず、命の危険につながっている。
海や川、森などにあるプラスチックは生き物が餌と間違えて食べてしまうこともある。紫外線や波の力で小さな欠片になっていき、5mm 以下になったものをマイクロプラスチックと呼ぶ。これは生き物の口にますます入りやすくなる。
化粧品や歯磨き粉、柔軟剤などに含まれるマイクロビーズやマイクロカプセルはとてつもなく小さなプラスチック。これは下水処理場でも取り切れないとのこと。
衣類にはナイロンやアクリルなどがよく使われるが、化学繊維の服は洗うたびに細かい繊維が流れマイクロファイバーとなる。これも下水処理場で取りきれないので海に出てしまう。
ハワイ近くの海で取れた魚のお腹からは17個のプラスチックが出てきた。
プラスチックの加工には多くの添加剤が使われている
プラスチックを埋めたり、燃やしたりした場所は添加剤で汚染されてしまう。プラスチックから環境ホルモンが川や地下水に溶け出すこともある。埋め立てられた土地も水も汚れてしまう
プラスチックには有害な物質をくっつけやすい性質がある。そのため、海に漂ううちに同じように海に流れてきた農薬や工業廃水などに含まれたダイオキシンなどと、くっついてしまう。
昔工業で使われていたポリ塩化ビフィニル。これは今は危険だと分かり作られなくなっているが、昔使われていた。このゴミはまだ海の底の泥に溜まっている。マイクロプラスチックは浮いたり沈んだりするので、これらの有害物質をくっつけて海面に連れてきて、また別の海域まで運んでしまう。海の汚染が広がる。
身の回りでよく見かける。代表的なプラスチックのなかで特に注意すべき5種類は以下の通り。
ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン。
ポリスチレンは食品トレー、発泡、スチロール、ハンガー、コン、ピューターなどに使われている。カップ麺の容器などにも使われているが、お湯なので熱くなるとスチレンという物質を出す。スチレンは癌の原因になると言われている。
ポリエチレンはレジ袋、ラップ、フリーザーバッグ、洗剤のボトル、ペットボトルのふたなどに使われている。丈夫で加工しやすいので、パッケージなどにもよく使われる。他の有害物質をくっつける力が強い。
ポリ塩化ビニルはホースやクレジットカード合成の革製品などに使われている。またの名を塩ビと呼び、柔らかくも固くもなり変幻自在だが、もともと不安定な性質のため、加工するためにたくさんの添加剤が使われている。その中には環境ホルモンやその仲間もあり、おもちゃに使うことは法律で禁止されている。最有毒プラスチック。燃やすと癌の原因となるダイオキシンを出す。
ポリエチレンテレフタレートはペットボトル、フリースなどの衣類、卵のパックなのに使われている。
ポリプロピレンはストロー、おもちゃ、使い捨てオムツ、文房具などに使われている。
他にもスポンジ、マットレス、スポーツウェアなどに使われるポリウレタン、ブロックなどのおもちゃ、ヘルメット、衣類などに使われるアクリル。DVD CD携帯電話などに使えるポリカーボネート、他にもエポキシ樹脂やポリアミド、メラミン、樹脂など身近なところにプラスチックは溢れている。
プラスチック製品はどんどん増えている
世界で出たプラスチックのゴミの量は3億トン以上。ほとんどが埋め立てられるか海などに捨てられていて、リサイクルされているのはわずか9% ほど。
悲しいことに日本は使い捨てプラスチックの一人当たりの発生量がとても多い。
なんと世界でアメリカについで世界2位という不名誉なランクイン。一人当たりの発生量は日本がアメリカに次いで2位で、中国よりも多い。
--------------
プラスチックを減らすには私たちはどうすればいいか?
選択肢としてA 燃やすBリサイクルCリユースD リデュース。
Aの、燃やすはNG。
地球温暖化につながるし、ダイオキシンも発生してしまう。
焼却炉の寿命は30年しかないのに、莫大なお金がかかる。焼却炉の跡地は土地が汚染される。
B のリサイクルもいまいち。
リサイクルに使えるものは少ないし、リサイクルには水やエネルギーをたくさん使ってしまう。プラスチックは実際にはあまりリサイクルできていないにもかかわらず、リサイクルされるから大丈夫と思い、ペットボトルなどを使いすぎることにつながる。
ペットボトルからフリースを作っても洗濯する時にマイクロプラスチックが流れ出てしまう。1着洗濯すると1回約2000本マイクロファイバーとして抜けてほとんどが下水処理場をすり抜けて海へ運ばれてしまう。
Cのリユースもいまいち。
新しいプラスチック製品を買うよりはゴミを減らすことになるが、環境ホルモンなどプラスチックを使うことの危険はなくならない
繰り返し使うとプラスチックはボロボロになり、添加物が出やすくなったり、マイクロプラスチックになりやすくなったりしてもっと危険になる
Dのリデュースはオッケー!
まずはプラスチックの使い捨てをやめて、どうしても必要なところにだけ、プラスチックを使うとプラスチック汚染を止めることにつながる
私たちのやるべきことはまずリデュース、そしてリユースとリサイクルの3Rを組み合わせてプラスチックモンスターを減らしていこう。まずやめるのはペットボトル、レジ袋、ストロードリンクカップなどの使い捨てプラスチック。
さらにレベルアップで5 R
リフューズ、リペアも取り入れていこう。リフューズはレジ袋やプラスチックスプーン、過剰包装を断ること。リペアは穴の開いた靴下を繕ろったり、壊れた電気製品を直して長く使うこと。
日本の対策はだいぶ遅れてしまっている。
昔はプラスチックゴミをアジアの国々に引き取ってもらっていた。でも、環境問題にもつながることから、中国やインドネシアなどはプラスチックゴミは受け入れないと決めた。そのため、プラスチックゴミは国内にあふれつつある。
日本の現状はどうなのか?
少しだけリサイクルしてほとんど燃やしているのが現状。
日本のプラスチックリサイクル率は80% 以上という数字を見かけたことがあるかもしれないが、これはサーマルリサイクルを入れたもの。サーマルリサイクルとはプラスチックゴミを燃やして、その熱を発電に使うことであるが、これは国際的にはリサイクルと考えられていない。二酸化炭素が出るなどの問題があるためだ。
バイオプラスチックが注目を集めているが、まだ課題が多いので、プラスチックを減らすことが一番。
世界中が取り組み始めている。
日本は遅れている。
EUでは、使い捨てプラスチックを禁止することになっていて、2025年までにほぼ全てのプラスチックボトルを回収する予定
イギリスでは野菜をプラスチック包装に入れないスーパーも出てきている。買い物用に紙の箱や布バッグの用意がされている
中国では給水域でペットボトルを減らす。取り組みを行われている。これは日本でも増えつつある。
韓国ではプラスチックゼロのお買い物マップがある。エコバッグを無料で貸したり、自分で容器を持っていくと割引クーポンがもらえたりする。
タイではペットボトルは時代遅れとなっていてホテルなどでもガラス瓶に水が用意されている。
ケニアではポリ袋が禁止。作ること、売ること輸入することは禁止されて、使っただけでも長くて4年間刑務所に入り、最高4万ドル約435万円の罰金を支払うことになる。
プラスチックを買わないために私たちができること
1.断る
2.バラ売りや紙袋入りを選ぶ
3.他の素材を選ぶ
買い物にはエコバッグ
びんや缶、紙パック入りを選ぶ
液体洗剤よりも紙包装の固形石鹸や粉石鹸を使う。
野菜果物はバラ売りや紙箱入りを使う。
衣類は化学繊維を避け、天然素材を選ぶ。スポンジやメラミンスポンジ、化学雑巾よりたわしなど天然素材を選ぶ。
プラスチック食器ではなく、木やガラス、陶器を選ぶ
歯磨き粉、洗顔料、柔軟剤などはマイクロプラスチックビーズのスクラブが入っていないものを選ぶ。
食品用でなければ、リサイクルプラスチック製品を選ぶ。
プラスチックしか選べない時は捨てないつもりで長く使う。
----------