カリフォルニアの家賃規制案、大統領選と同時に州での決定が問われる
家賃規制議論は、しばらくアメリカ全土での手頃な価格の住宅に関する議論から遠ざかっているように見えたが、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルスなどの主要都市では依然として続いている。一部のリベラルや保守的な州では、家賃規制を完全に禁止する動きも見られる。しかし、近年、家賃が高騰している中で、一部の地域では再び家賃規制を求める声が高まっている。
提案の概要
カリフォルニア州の有権者は、今日の大統領選挙と同時に、地方自治体が任意の形態の家賃規制を課すことを許可するかどうかを問われている。今回の提案は「ジャスティス・フォー・レンターズ法(Proposition 33)」と呼ばれ、内容は「州は、どの都市、郡、市郡でも住宅家賃規制を維持、制定、拡大する権利を制限してはならない」というもの。
この提案を推進しているのは、ロサンゼルスで低所得者向け住宅を運営する非営利組織のエイズ・ヘルスケア・ファウンデーション(AHF)だ。同団体は、過去にもカリフォルニアで2018年と2020年に家賃規制提案を試みたが、いずれも失敗している。しかし、今回の提案には州内の100人以上の公職者や、ロサンゼルス郡やサンフランシスコの監督委員会が支持を表明している。
提案の賛否
提案支持者は、州内の急激な家賃上昇を指摘している。最近のパンデミック時には、主要都市での家賃が年間最大16%も上昇した。過去1年間では、3~4%の上昇に落ち着いているものの、サンフランシスコでの月平均家賃は3,120ドル、ロサンゼルスでは2,290ドルと高い。
一方で、カリフォルニア不動産協会やカリフォルニア・アパートメント協会などの不動産団体、さらには手頃な価格の住宅供給を求めるグループもProposition 33に反対している。特に反対派は、新築物件への例外措置が設けられていない点を問題視している。
家賃規制の効果と課題
家賃規制には、新しい住宅の建設が減少するリスクがある。例えば、ミネソタ州セントポール市が2022年に年間上昇率を3%に制限する家賃規制を導入した際、新築物件に対する例外が設けられていなかったため、建築許可申請数が隣接するミネアポリス市に比べて大幅に減少した事実がある。カリフォルニアの提案でも新築物件に対する免除措置がないため、各地でより厳しい規制が施行される可能性がある。