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空室率の上昇で、ロサンゼルスのオフィス開発が減速
オフィス需要が低調な中、ロサンゼルス大都市圏では現在280万平方フィートのオフィス開発が進行中である。これは、2020年後半の850万平方フィートから大幅に減少している。また、過去12か月間に45万平方フィートが市場から取り除かれ、解体や用途変更が進められている。
新規プロジェクトの着工面積は抑制されており、2024年の年初からの着工総面積は約50万平方フィートにとどまっている。この数字は過去数十年で最低水準となる見込みである。地域最大規模のプロジェクトとして、Bardas Investment GroupとBain Capitalがハリウッドの5601 Santa Monica Blvdにスタジオ開発を開始している。
過去12四半期では、新規プロジェクトの着工面積は約420万平方フィートであり、これは2017年第2四半期から2020年第1四半期のピーク時の40%に相当する。
近未来の完成予定プロジェクト
近い将来完成予定のプロジェクトとして、Continental Developmentが手掛ける「Impact at Nash」が挙げられる。この複合施設は32.4万平方フィートの多棟構成であり、NFLチームのロサンゼルス・チャージャーズが10.8万平方フィートを事前リースしているが、それ以外はまだ空室の状態である。
市場の見通し
ロサンゼルスのオフィス市場の見通しは厳しい状況が続いている。空室率は今後数年間でさらに上昇することが予想されている。このため、CoStarはロサンゼルスのオフィス賃料が非常に緩やかな成長に留まり、年平均賃料の成長率が1%を超えるのは2028年以降になると予測している。
現在の市場環境では、開発業者は引き続き慎重な姿勢を維持すると見られている。