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ロサンゼルス、集合住宅売買が今年も控えめな推移
高金利による借入コストの増加が原因で、不動産投資家が慎重になる中、ロサンゼルスの集合住宅市場の取引活動は控えめな状態にある。今年第3四半期の売上高は16億ドル、第2四半期は12億ドルで、過去10年間の四半期平均である22億ドルを大きく下回っている。
主な買収の特徴
プライベートバイヤーがロサンゼルスの集合住宅市場を主導している。歴史的には、全取引の約3分の2を占めていたが、過去12か月ではその割合が約75%に拡大した。彼らのターゲットは、高品質で魅力的な立地にあり、需給バランスが良好な物件である。
代表的な取引例:
9月、プライベートバイヤーがノースハリウッドにある292ユニットの「Lofts at NoHo Commons」を9250万ドルで購入した。この取引価格は1ユニットあたり31万7000ドルで、2016年の販売価格(1ユニットあたり35万1000ドル)を下回る割引価格であった。
FPA Multifamilyは、2024年に3つの大規模な取引を完了した。9月にはハリウッドの535ユニットの「Arrive Hollywood」を1億9100万ドルで購入し、1ユニットあたり35万7000ドルとなった。この物件は2014年に建設され、取引時点で92%が賃貸済みであった。
一方、機関投資家やプライベートエクイティ、不動産投資信託(REIT)の活動は減少している。これらの大規模バイヤーは過去には約30%の取引を占めていたが、過去1年間では約20%に縮小している。
市場への影響
ロサンゼルスの譲渡税や不動産所有者にとってのビジネス環境への懸念が、投資家の興味を削いでいる。また、家賃規制により賃料を引き上げる能力が制限されていることや、家賃未払いのテナントの退去に関する将来的な障害が懸念されている。これらの要因により、取引の魅力は減少している。
しかし、一部の投資家にとってはこれらの懸念を相殺するだけのリターンが見込まれる物件が存在しており、そうした物件が投資対象となっている。
2025年の見通し
ロサンゼルスの集合住宅市場の2025年の展望は不確実である。金利の高さと借入コストの影響が引き続きバイヤーを遠ざける可能性があるが、市場条件が改善すれば、賃料の増加やキャッシュフローの改善に対する期待から、投資家が再び楽観的になる可能性がある。