ロサンゼルス小売賃料、2024年末も全国平均を下回る
経済の低迷と高い労働コストが市場に影響
2024年12月現在、ロサンゼルス(LA)の小売賃料の伸びは引き続き全国平均を下回っている。CoStar Analyticsの最新データによれば、LAの小売賃料は前年比0.8%減少し、全国平均の1.9%の成長と大きな差を見せている。
需要不足が主な要因
ロサンゼルス大都市圏では、過去12か月間でネット吸収率がマイナス220万平方フィートと、主要な米国小売市場の中でも最も弱い需要を記録している。この需要の低迷により、賃料を引き上げる地主の力が制限されている。
長期的な停滞
この低迷は2024年に始まったものではない。過去5年間でLAの小売賃料は9.3%の上昇にとどまり、全国平均の16.3%を大きく下回っている。背景には、他の米国市場に比べて経済的な成長の鈍化や人口減少が挙げられる。
労働コストの上昇が追い打ちに
LAでは労働コストの上昇が市場の停滞をさらに悪化させている。特に最低賃金は2024年には20ドルに達し、連邦最低賃金との差は230%に拡大している。このような環境では、特にファストフード業界などの小売事業者が賃料を支払う能力に限界を感じるケースが増えている。
先行きも厳しい見通し
2025年上半期にかけても、ロサンゼルスの小売スペース需要は引き続きマイナスのまま推移すると予測されている。このため、短期的な賃料の回復は期待できず、今後も全国平均に遅れをとる可能性が高い。