初めて作品の展示をしてみて分かったこと
私は昨年の2023年4月から1年間、「VANTANデザイン研究所キャリアカレッジ イラスト&グラフィックコース」という所に通っていた。
週に1度、日曜日だけ一日中、イラストやグラフィックやデザインを勉強していた。
そして、6月7日〜6月9日の間で原宿デザインフェスタギャラリーにて同級生達と卒業制作展を行い、自分の作品を人生で初めて展示してみて学んだことなどを書きたい。
やってみないとわからないことがたくさんある
おおまかに言えば、本当にこれだなと思った。
スチレンボードの作り方とか展示の仕方、自分の作品に対するリアルな反応など、やってみたからこそ分かったこと、改善すべき所が見えてくると感じた。
実行動やシェアを起こすのは難しい
やっぱり、全体を通して
「写真をアップしてもらう」といったUGCを起こしてもらうのは相当難しいことだと感じた。
共感を生んでシェアしたくなるとか、これを見に来たんだと自慢したくなるという作品がなければ、SNSに写真をあげてもらうのは難しい。
先日、龍崎翔子著「クリエイティブジャンプ」に「自分自身が発信の補助となるような投稿をすることが重要」と書いてあったが、それも恥ずかしくてできなかった。というか、想定していなかった。
「かわいい!」「かっこいい!」「面白い!」みたいなものがなければシェアは生まれない。
また、名刺もTake Freeにしていたのだが、意外と手に取ってくれない。ちゃんと心を惹きつける作品を作らなければ、コンバージョンまで持っていけない。
だが、行動をしてくれている人はいた。
例えば、僕の作った「あめがさ」という作品。パッケージデザインの課題で作った作品で
「雨が飴で、飴が降ってきたら嬉しいのに」
という子供の頃に誰もが一度は感じたことのあるようなところから、「飴が降ってくる傘」を作った。
ターゲットを子供にしてはいなかったのだが、6〜7歳くらいの姉妹がこの「あめがさ」を自分が意図した通りに振って楽しんで遊んでくれていたことが嬉しかった。終わりには、僕のブースの前で写真を撮って帰っていった。
「思わず行動をしたくなる、行動を起こしてもらう」
という所で、上手くいった例と言っても良いだろう。
「馴染みやすい傘の形」「キラキラとした透明なパッケージ」「飴ではないが、中身に入れていたキラキラビーズ」
これらが子供達に触ってもらえた理由じゃないかと思う。
一方で、大人の人達はあまり触っていなかったけど、なぜなのだろう。
個人的に考える物理的な理由としては、
「触っても良いよと示す分かりやすいアイコン」
がなかったからじゃないか?
スチレンボードの作品紹介のところには文章で書いてはいたものの、ああいうものは意外と読まれない。
みんな、基本的には作品を観て、気になったら読む程度だから、サーっと見流してしまうし、作品は何か「大切に作ったものだから触れてはいけない」ような威圧感がある。
「触っても良いよ」とハードルを下げるための何かが必要だったなと感じた。
手に取ってもらいたい作品を、展示するときは、
「人は一瞬で判断していく」ということを前提として「作品の魅力(=体験をしたくなるか?)」と同時に「体験のハードルを下げてもらう」ことが必要だ。
大きな作品は目を引くので、外から来てくれやすくなりそうだ。
2日目から、大きなB1ポスターを展示に入れたのだが、これによって、外から見た時の「展示やってますよ」感がかなり出た気がする。
小さい作品は、外から見ると何が何だかわからないが、一つ大きな作品があると、とりあえず一目で形と色自体ははっきりする。
このポスターがあるだけで、「お?なんだこれは」と興味を持って入ってきてくれる人がいるんじゃないかと感じた。
お客さんに「これを見て入ってきたんだよ!」という言葉は聞くことができなかったのだが、ない時に比べると、僕の作品の前で立ち止まってくれる人の数は増えていたと思う。
同級生からも「一気に華やかになったね」と言われたし、外から見て目を引く作品が一つあるというのは重要なのかもしれない。
作品の世界観の重要性
今回の展示では、人によってステッカーやアクリルスタンドなどを作って販売をする人もいたのだが、売れている人には何かしら共通点があったような気がした。
全て作風に統一感がある。
作風の統一感があるので、人によっては好き嫌いが分かれるかもしれないのだが、好きという人にハマったらコンバージョンを生みやすいと感じた。
「この作品好き」ではなく、「この人の作風が好き」という感じ。
CDも一曲だけ好きな曲があっても買わないが、そのアーティストが作った曲や世界観が好きならCDを買ってしまうのと同じなのかなと思った。
もちろん写真にあげた誰もが、基礎的な画力や絵への執着みたいなものが人一倍強くて、常に描いている人なので、ベースが強いというのもあるが、この世界観や統一性を作るということは、コンバージョンを目指すに当たってはかなり重要となりそうだ。
この作品単体が好きか?ではなく、
この人が作る世界観や作品が好きか?
これは、他のコンテンツを作る上でも重要なことなのではないかと感じた。テレビやラジオでも、このプロデューサーが作る番組は観てみたい、聴いてみたいというのがあるのと同じ。
自分は国語力が高いらしい
逆に前に挙げた3名の同級生や観にきて僕の作品にコメントをくれた人達が言ってくれたのが、
「いいじまくんは国語力が高い」
ということ。
つまり、
この作品をどういう経緯で作ったのか?
その背景にはどのような理由があるのか?
こういうフォントにした意図は?
などを言語化する能力のことなのかと思う。
彼らは逆に作品が先行するので、好きとか作りたいとかで作るので、あまりそういうものがない、あるいは苦手だという。(もちろん掘り下げればあるんだと思うし、彼らが卑下するだけで授業の時に話を聞いていても上手いと思うプレゼンは多くあった)
スチレンボードごとに写真を撮っていなかったので、あれだが。
そう言われるのを考えてみると、
僕は基本的には「論理あっての作品」であることが多い。頭で考えてからものを作る。
そういうことが好きだし、デザインに興味を持ったのも、「自分が作るもので誰かの課題を解決したり、喜ばせたりしたい」というのが根っこにある。
ここは彼らと比べると僕の強みであり、個性であると思うので、良い気づきだし、大切にしたいと思った所だ。
最後に
VANTANに通って分かったことや、理由みたいなことはまた記したい。
作品を展示できたことはめちゃめちゃ良い経験になりました。
またやりたいな〜。
以上!
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