4月、気持ちがふらふら~
先日とある駅前をベビーカーを押して歩いていた時こと。
「すみません!少しだけお願いします。」と二人組の女性に声を掛けられた。いつもなら「急いでます、ごめんなさい。」と言いながら通り過ぎるだけど、何故かこの日は立ち止まってしまった。
クリップボードを抱えた女性が「お仕事の事でアンケートを取ってます」と私に話しかけ、もう一人の女性が「お子さんは私が見てます」と連携ばっちりだったのもなかなか振り切れなかった原因かも。
簡単にいくつかの質問を受けた。
「今は育休中なんですか?」
「お仕事されるならどんな条件が良いですか?」
「ご主人は働くことに賛成ですか?もしくは働いてほしくない方ですか?」とか。
それらの質問に回答していると…
「実はわたしたち○○生命の者なんです。二人ともママで。職場はママさんたちばかりなので、子供の熱が出て早退しても嫌な顔する人はいないし、勤務時間も9:30~16:30なんです。」
となんだか妙に詳しく職場環境について話してくれた。私は素直に
「それはすごく働きやすいですね~。」
と受け答えをしていたら、
「良かったら職場見学に来ませんか?」
との一言。
どうやらアンケートを装った(言い方が悪い)スカウトだったよう。
アンケートという名目で就労状況、働く意思があるかどうか、話しやすさ等を確認していたみたい。
「見に来るだけでプレゼントもあるんで」
「短時間ですけど、すっごく話しやすいし、楽しかったです」
「ぜひ一緒に働きたいです」
と言われ…半ば強引に日程を決められてしまった。
職場見学当日。かなり気持ちは萎えてたけど、プレゼントも貰えるし、社会科見学気分で行ってみるかと重い腰を上げ、娘を連れて家を出た。
その営業所は駅から5分もかからないくらいの場所。アクセス良し。
久しぶりのオフィスっぽい場所に多少緊張するも、駅前で会った女性二人が元気よく迎えてくれた。娘は相変わらず人見知りもなく、みんなににこにこ。幼いながら何かを察したのか所長さんに一番の笑顔を向けてた。親以外の大人に触れてもらう良い機会。
職場見学と言ってもとある社員の1日という動画を観たり、パンフレットで福利厚生の説明を受けたりと言った感じ。最後に同年代と思われる所長さんと現在・過去の私自身の状況とかをお話した。
帰り際に本当か嘘かは分からないけど、最近入社した女性は「毎日楽しいですよー。ここの営業所はお局さんはいないし、雰囲気がめっちゃいいです♪」とキラキラの笑顔をしていた。
「私たちは出来れば一緒に働きたいですけど、今すぐではなくてもいいですよ」とも。
私の前職は金融機関の総合職。
退職した理由の1つとして『営業の仕事がきつかった』というのがある。数字を求められるのが精神的に辛かった。お昼を食べる時間もままならず、真夏の灼熱の太陽の下、思いかばんを持ってお客さんの元へ向かう。体力的にも限界で、土日は何もできず死んだように過ごしてた。体調にも少し悪影響を与え始めてたので、これではまずいと感じ退職する決意をした(その前にパワハラ気味の上司で疲れたというのもある)。
でも、内勤、営業と経験して思い出に鮮明に残っているのは確かに営業として働いていた時のこと。お客様と他愛もない話をしたり、お客様に感謝されたりした経験は確かなやりがいだった。
そんなポジティブな思い出とキラキラとした笑顔で働いている人たちを見て、心がすっかり揺らいでしまった。今までの経験も活かせるし。
私の様なブランクだけあって、資格もない、スキルもない子持ち人間が再就職できるという有難さにもゆすぶられている。
更に娘を保育園に入れられるというのも私に追い打ちを掛けてくる。自宅保育に自信がないというのもあるし、やはり同年代の子や親とは違う大人と接することは娘にとってすごい刺激のある事なのではないかと考えていたから。
『もう金融には戻らない』
という固い決意を退職時にしたはずなのに、今はこんな有様。
春特有の空気感のせいなのか、私の心はふらふらしてます。