東大作文
人はなぜ文章を作成するのでしょうか?
友達と連絡を取るため,最近あった出来事を忘れないようにSNSにアップするため,仕事のため,自分の今の知識を整理するためなどなど,様々な理由があります.「自分のため」と思っている文章であっても,書いているときは「未来の自分」に対してのメッセージであり,書いた文章を読んでいる時は「過去の自分」からのメッセージでもあります.つまり,人は「未来の自分」を含めた「人」に対して文章を作成しているのです.
本書はそのような文章作成=作文を,どのように考えてすればよいのかを記載しています.著者は東京大学に在学中の学生で「ドラゴン桜」にも関わっている方です.この方自身が,東京大学入学までに経験したことや,東京大学合格までに身につけた「作文能力」を余すことなく記載してくれています.
東京大学の学生は何が強いのか?「地頭」が違うとよく言われますが,そもそも「地頭」はどのように良くなるのでしょうか?本書はその一端を垣間見る事ができる本でもある,と私は感じました.
私が「地頭」が良いと感じる人の多くは,会話なり作文なり,言いたいこと,伝えたいことが明確であり,話し手(読み手)に合わせて表現を変えている印象があります.今までは,それが元々できることこそが「地頭」の違いだと感じていましたが,本書を読み,「地頭」はトレーニングによって変えられると感じました.
本書は実践例も載っていますが,ほぼ作文をするための解説本担っています.表現も簡単なので,特に大学受験で論述が多い大学を受験する方にはおすすめできる本です.また,新社会人になり対外的な文書作成が多くなってくる新人から中堅の人にもお勧めできる本です.