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ゲーム感想|【DORONKO WANKO】ポメ色に染めていけ

そこのけそこのけおポメが通る


(ネタバレあり)
『DORONKO WANKO』の目標、それは小さくてクリクリの毛玉――ポメラニアンとなって、真っ白な家の中を好きなだけ汚そう!というアクションゲームです。

バンダイナムコスタジオの2023年新人研修プロジェクトから生み出された作品だそうです。新進気鋭の社会人たちがチームを組んで作成した、泥んこのワンコが室内を暴れまわるゲーム…たったそれだけなのに、遊びはじめると最後までノンストップで駆け抜けられました。


1|ゲーム性:汚れの魅力

<泥をすすって生きています>
綺麗に整頓された部屋、真っ白な壁、まるで鏡のようなフローリング…。そういった整然とした空間を好む人も少なくないでしょう。自分の家もできるだけきれいにしたい派なので、掃除は欠かせません。

…ですが。

光があれば影が生まれるように、勇者がいれば魔王がいるように、綺麗な家には泥んこワンコがいるのです。

今日の主役のおな~り~

ゲームから好き放題に汚していいよ!って言われて、始めは控えめにパシャッと泥のしぶきを少々。遠慮がちに部屋のかどっこでプルプルと震えます。少し広がってきた汚れを見て、いけないと思いつつも、机の上に乗っかってワインの瓶を床に叩き落します。

即座に広がるワインレッドの汚れ。その深い赤に魅了されたのか、自分の中の野生が刺激されたのか、うずきが抑えられなくなってきます。体にワインを塗りたくりまだ汚れてないところでプルプル。

さすがにこれ以上は…と汚れをふき取るべく近くにあったロボット掃除機を起動。

ああっ、いっけね!ロボット掃除機のローラーで汚れが広がっちゃったなぁ、困った困った。
片付けようと思ったんだけどなぁ、これはなぁ、もう、しかたないなぁ。
つまれた箱は崩すものです。

堰を切ったように、ポメラニアンこと、おぽのぽの改めおポメポメが暴れ始めました。

綺麗にするのと同じぐらい汚すことも大スキ。出てくる色がとにかくカラフル。泥の茶色から始まり、ワイン、オレンジ、水風船。絵具にケチャップ、でもかんでもぶちまけては広げて、ぶちまけては広げての繰り返しです。

ゲームとしてはたったこれだけ。これだけのことなんですが、止められません。汚したら汚した分だけ「被害額」というのがカウントされます。カウントが一定以上進むと、どこからともなくアイテムがこの家に届けられるのです。

サーキュレーターは便利便利。
なにか飛ばすのにモッテコイだね。

送られてくるアイテムはどれもこれも家の中の汚れを加速させるものばかり。それはもう汚すために生まれてきたような形です。こうなってくると指数関数のごとく被害額が跳ね上がります。

マップを探索し、パワーアップアイテムを得る。なるほどこれが…「メトロイドヴァニア」ってやつか…(違います。)


2|キャラクター:白い犬は尾も白い

<ポメラニアンは軟体動物>
泥をまき散らして家をカラフルに汚していくゲームですが、家のところどころに散りばめられたギミックもまた、やんちゃポメラニアンの欲を刺激するいいスパイスとなっています。

先ほどのロボット掃除機や、サーキュレーターといった家電もそうですし、玩具やワインセラーまでもがイタズラの舞台装置になってしまいます。

実績もばっちり。

ポメラニアンが取った行動によっていろいろと実績が解放されていくので、家の中をくまなく汚して回りたくなります。隠れたところにポメラニアンがつけられる装備品(衣装)も存在していて、どれもみんなかわいい一品なので、気がついたら汚しがてらそれらを探しています。

😎

この子の取れるアクションはダッシュやジャンプといったアクションゲームの基本操作以外は、「ぷるぷる」と「すりすり」ぐらいしかありません。とにかく全身がもちもちです。

真っ白な家を汚す快感。被害額をどこまで伸ばすか、もはやそれはポメのみぞ知るといったところでしょう。


最大の謎は、ポメが何をしようと一切起きようとしないこの家のママです。

気がついたらここにいた

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