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ゲーム感想|【ペーパーマリオRPG】紙でできたヒーローショー
名作は何度も"漉"かれる
(ネタバレあり)
紙のようなマリオが絵本のような世界を旅する『ペーパーマリオシリーズ』の二作目『ペーパーマリオRPG』の令和リメイク版です。
場面ごとの細々とした感想はおぽのの感想まとめマガジンにまとめていますから、それはそちらにお任せするとして、今回は全体を通したゲーム感想をつづっていきます。
1|ビジュアル - ハンドメイドなキノコ王国
プレイして真っ先に目に飛び込んでくる特徴はやっぱり、キャラクターから建物から水流から…何から何まで、徹底的に作りこまれた「ペーパークラフトの感じ」でしょう!
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CGなのは間違いないんですが、色から感じる紙の材質や遠景のハリボテな感じが伝わってきます。地面はラメ入りの折り紙で作ったのかな?
この世界は「ペーパークラフト ジオラマ」で検索すると出てくる、作者さん方の画像から伝わってくる雰囲気にそっくり。
ちなみに、ゲームクリア後にゲーム内から、この作品のアートワークや実際ペーパークラフトで再現しているスナップショットを閲覧することができるのでさらに嬉しい。
ステージのギミック、マリオの特殊アクションなどふんだんに「紙っぽさ」が活かされていて、時にはその「紙っぽさ」の持つ平面的な思い込みを利用しただまし絵のような隠し通路(ゴロツキタウン東エリアの路地とか)なども出てくるのでステージの隅々まで眺めていたくなります。
![](https://assets.st-note.com/img/1725103110655-Jt8BrgCZS9.jpg?width=1200)
あとステージごとのビジュアルも特徴的。
いつものマリオ風のステージから始まり、ステージごとに違うジャンルの物語が展開され、それぞれに合った雰囲気の建物、背景が描かれています。
ステージ1 → いわゆる「定番のJRPG」
ステージ2 → 童話
ステージ3 → バトルアクション&サスペンス
ステージ4 → 村ホラー
ステージ5 → 無人島サバイバル
ステージ6 → 探偵もの
ステージ7 → SF
物語の運び方もステージごとに全く異なっていていい感じです。ミステリーの作品がスキなのもあって、リッチリッチエクスプレスが一番スキかなぁ。
2|キャラクター - 山あり谷ありクセがあり
RPGといえば物語の盛り上がりに欠かせないのが、個性的な仲間たちです。マリオの世界では、普段クッパ軍団に属しマリオと敵対関係にあるモブキャラが、個性を持ったマリオの味方として登場します。
これ、前作にあたる『マリオストーリー』でも好評だったようです。
ですよね~。思い入れがある分、ゲスト出演してくれるとすこぶる嬉しい。
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![](https://assets.st-note.com/img/1725104633275-R8mIdZcW75.jpg?width=1200)
『ペーパーマリオRPG』ではマリオが全くの無口な分、仲間たちがあちらこちらで言葉を発し会話を広げてくれます。
(いや…無口はいつもか??)
とあるステージでクラウダさんに「無口なところがイイ」って言われて、やっぱクラウダさんはわかってるな!となりました。
これはゲームクリア後の話になるのですが…クリア後のデータを再開すると、よくある最終決戦直前のセーブポイントからやり直し…ではなく、ちゃんと平和になった世界で遊べるというのが非常に良いトコです。
共に旅をした仲間たちが、マリオの到着を待ってくれている演出がサイコーです。頼りにならない仲間キャラクターが一人もいないというのも良い。
また仲間にはならないその他のキャラクターもみんな個性的です。時にサポートしたり、時に邪魔してきたり、どいつもこいつも旅の思い出のいちページにその名前を刻んでいきます。
例えば…。エンディングでクラウダさんがあのランペルと一緒に舞台俳優をやっているってのがまた、長い旅を通した変化を感じられましたね。
また、物語の始まりの街であるゴロツキタウン。本当に見る限りどうしようもない状態の治安で、そこの住んでるやつらも癖があるどころか、みんながみんな必ずしも善人じゃないってのが、世界観の幅の広さ※を感じました。
例えば…。西エリアに住む関係が崩壊していた家族が、物語が進むにつれてまた再び良い関係に戻っていく…のですが、それはそれとしてコインゲームにハマったままであるというオチもブラックな感じがします。
良かれ悪しかれ、こんな感じでちょっとひねくれてるのが今作の特徴です。
3|ゲーム性 - これがマリオのショータイム
オーソドックスなRPGですので、『ペーパーマリオ』も「行動選択」と「リソースの管理」に二本柱が大事になるのですが、それだけにとどまらないのが「ペーパーマリオ」の戦闘シーン。
演劇の舞台のようなセットと観客席が特徴の画面では、敵味方の攻撃が飛び交うだけでなく、スポットライトが落ちてきたり、スモークが焚かれたり、観客席から物が投げ込まれたり…と、とにかくハプニングが止まりません。
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画面が常ににぎやかで、ペーパーマリオのバトルは一味も二味も違うことを物語っています。
ダメージ計算式は以下のような感じ
(攻撃力+技のダメージ+アクション成功)-(防御力+ガード成功)
足し算引き算のみで構成されています。「ものしり」やバッチを使えば敵の体力も見えているため、あと何ターンでどのような行動をとるかというダメージ予測のシミュレーションが容易です。
ただしその予測を100%達成させてくれないのが、しれっと書いている「アクション成功」「ガード成功」の二つの要素です。
自分の攻撃時と防御時に、タイミングに合わせて簡単なコマンド入力が発生します。ジャンプだったら踏む直前にAボタン、ハンマーだったらスティックを反対側に引っ張ってタイミングよく離す。
それによりダメージが追加されてより効率的に戦うことができます。
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それが「アクションコマンド」。戦闘中もちょっとしたタイミングにプレイヤーが介入できる要素があるため、RPGのバトルなのに意外と忙しい遊びになっています。
しかし、これがあるお陰でうまくいった時の嬉しさや、失敗したときの焦りが生まれるので、アクションの最大手『マリオ』の名を冠するにふさわしい要素だとおぽのは考えています。
ちょっと難しそうに書きましたが、ご安心ください。
バッチシステムというマリオの強化システムがあります。世界に散らばるバッチを集め、マリオに複数枚付けることで、先ほどの「アクションコマンド」を成功させやすくしたり、失敗したときの保険を用意することができます。なんならHPが低い時に有利になる様なバッチもあります。
バッチがあるからこそ遊びやすくでき、プレイヤーごとにマリオの個性が出せるようになっています。得意なことだけやらせるようにするか、まんべんなく伸ばすのか。
🌟 🌟 🌟
最後にちょっとだけ、バランスについて書いておきますと…
冒険の途中で追加される「ムキムキボディ」という技がめちゃくちゃ強いです。なんと、こうげき力、ぼうぎょ力がそれぞれ最大+5される技です。これまでの冒険を見てみても+5なんてされた日には耐えられる敵も、傷をつけられる敵もいません。
他にもHP5以下になった時に効果を発揮する「ピンチで○○」系のバッチをたくさん付けると逆にピンチどころか大チャンスを生むなど、遊びやすくしてくれる要素は多々あります。
それらを駆使すると、まさしく向かうところ敵なし。ただ、ぎりぎりの戦いをしたい人には向かないかなと思います。用法容量を守って自分の好きなバランスでお使いください。
やっぱり長編になりましたね、いや楽しかった。
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