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ゲーム感想|【いっき団結】いっきは何度やってもいいんだぞ

単純なのになんでこんなに面白い?


(ネタバレあり)
伝説のクソゲーと呼ばれたていたらしい「いっき」の令和最新作です。原作由来?のレトロライクな見た目とは裏腹に、マルチプレイ対応、キャラビルド要素、ロールの概念など随所に今風の要素が散りばめられていて、意外なほど新鮮な体験が得られます。


1|ゲーム性

いっきはアドリブが全て。メインはキャラの移動のみ、攻撃はすべてオートで繰り出される簡単操作。昨年話題になった『Vampire Survivors』のように、おびただしい敵が迫ってくるのでうまく立ち位置を見つけて生き残るのが一揆成功の秘訣です。

レベルアップによる成長要素はありますが、1プレイごとにほぼリセットされます。その成長要素も固定ではなく、毎回ランダムの選択肢が現れ、そこから目的に近いアイテムや武器をチョイスしていくスタイルです。この即興のビルドにこそ何度でも遊んでしまう中毒性が含まれています。

個性的なキャラクターとそのアイテム。どれを育てる?

かつて一人で起こしていた一揆も、マルチプレイ機能により最大16人まで増えました。少人数でVCをつなぎながら遊ぶのも良し、クイックマッチで見知らぬ人と一期一会の協力プレイをするのも良し。いっきは皆で起こすものになりました。


2|世界観

ストーリーなんて小難しいものはありません。蝗害獣害による飢饉にあえいでいたところに、お上が膨大な年貢をむしり取っていった。ならばどうする?

するでしょ、いっき!

登場人物は皆どこか間の抜けたようなデフォルメキャラ。和風といえどもおっさんばかりでむさ苦しい。近年の和風ゲームは神話風か黒澤映画かといった Zipangu ばかりで、こういうシュールなトンチキジャパニーズを取り扱う作品が少なくて寂しかったです。(正直に申し上げますと、友人に誘われるまではあんまりピンときてなかったのですが。)

マルチプレイでは最終盤で各地に散らばっていた仲間たちが全員集合するのですが、ここの絵面が面白い。極限までパワーアップしてきた各々が一つの塊になって代官屋敷を怒涛ごとく蹂躙していきます。そして憎き代官を討伐した暁には…!

またいっきを起こせるんだぜ。

3|UI/UX

ちょっと悪いトコも書いていきましょう。総勢16名の情報を一画面に詰め込むためいろいろと見づらさを感じるかもしれません。終盤はいたるところから敵が現れ、こちらも四方八方を激しい攻撃で覆い尽くすので、もはや情報はどうでもいい域に達しますが、それにしてもゲーム始めたての人には各アイコンの意味がほぼほぼ伝わらないかと思います。できるだけアイコンで表現して言語の壁を取っ払おうという試みではあると思います。

わたしはどこ…?

野菜を取ったときの一定時間の能力アップ。メッセージウィンドウで効果をしっかり教えてくれますが、多分見逃すことの方が多いうえ、野菜と上昇する能力の結びつきがピンとこないでしょう。ただし気にしなくてもクリアはできるので、比較的小さな問題ではあります。

あと気になったのは選択決定時の音がことごとく鳴らないこと。タイトル画面もキャラクター決定時の音も鳴りません。ちょっとだけ不安になるのでもう少しだけ主張してほしいところです。


4|ボリューム

先日ようやくメジャーアップデートが入ったとはいえ、リリースされてから日が浅く、かつ短期で何度も遊ぶことを想定しているので、慣れてくるとワンプレイだけではそこまで面白みを見出だせなくなってしまうかもしれません。

ステージも代わり映えはしないので、たっぷり味わおうとしても口寂しさを感じてしまうでしょう。

裏面も面白い要素はあるもののステージはいつものどこかの地方。

発売から日が経って新しいゲームもどんどんリリースされているためか、少しずつ人が離れているのもマイナスに働いてしまいます。いっき団結はなによりもマルチプレイで遊ぶのが楽しいので、「人の少なさ=つまらなさ」になるのは仕方がないかもしれません。


5|マルチプレイ恐怖症

だいじょうぶ。こわくないよ。

初心者だし足を引っ張るかも…セオリー外すと怒るんでしょ…ソロで慣らしてから来ないと…そういう方もご安心ください。ほとんど皆気にしてません。ただ一つ守るべきは「みんなで一揆しようぜ!」ってことだけです。組み合わせも自分で探すから楽しいので、いろいろ試しながら覚えたほうがよっぽどこの作品を味わえます。

ただ、ごめんなさい。ゼロではありません。劣勢と見て投げ出す人、不貞腐れて放置する人、果ては切断してしまう人。ちゃんとした理由はわかりませんが、一揆衆も一枚岩ではないようです。

そういう輩は気にしないに限ります。なぜならシステム側でこれぐらいのことは対策されているので。特に切断なんかはAI化して無敵の味方として戦線に帰ってきてくれます。また、名前晒しが怖い方も自分と味方の名前を適当な言葉に置き換える機能があるので、遊び始める前にいじってみてください。


コンシューマーはもちろんインディーゲームにすら手厚いアップデートを求めらるようになった昨今、この作品も例外ではないでしょう。

贅沢だとは思いつつも、これからますます面白くなってくれることを楽しみにしてます。

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