ゲーム感想|【Have a Nice Death】お祈りされても挫けない!
バカンスまでの道は遠く…
(ネタバレあり)
ローグライク2Dアクションの『Have a Nice Death』のゲーム感想にやっとたどり着けました。
何度も何度も追い返されては立ち向かい、追い返せれては立ち向かい。他のゲームを遊んでリラックス期間を挟んでからまた再び立ち向かい…。
1|ゲーム性 - スタイリッシュ企業再生アクション
お休みが欲しくてたまらない死神が、自分の会社Death Inc.を駆け巡りながらやりすぎちゃってる部下たちを懲らしめて回るアクションゲームです。
社員に負ける度に自分のオフィスからやり直しで、やり直す度に前回とは異なった武器やアイテムが手に入るローグライク要素、そしてなにより回復手段が限られ、敵の配置もダメージ必至でいやらしいという高い難易度が特徴。
メインの攻撃は『鎌』。道中で『マント』と呼ばれる槍だのハンマーだの手裏剣だのの武器と、爆発だのビームだの毒バラマキだの『呪文』が手に入ります。
装備を組み合わせ、自分なりのスタイリッシュアクションができる…といいんですが、このゲームはローグライク。つまり、毎回アドリブを求められるスタイルです。
カタログスペックだけで採用したらとんでもなく使いづらかったり、たしかに単体では強いけとコンボに組み込めなかったり、いかんともしがたいもどかしさを味わいながら装備ごとの特徴と得意な間合いが見えるようになってきます。
また、社員教育道すがら、人事部のMr.オーシャから『呪い』をもらえます。
お邪魔キャラなのかって?
いやいやこっちは死神ですよ、『呪い』は良いものに決まってるじゃないですか。
単純なステータスアップから、攻撃に特殊な効果をつけてくれるなど。不敵な笑みを絶やさずにこちらに呪いをつけてきます。
装備と呪いを整えながら、社員たちを叩き潰します。
2|会話劇 - 暗い月曜日
何かと単調になりがちなローグライクですが、このゲームはそんな事はありません。
とにかくセリフのバリエーションが多い。
イベントが多い。
一度負けたあとに再びたどり着くと、嬉々として煽ってくるしそのセリフも多い。
そして、よくよく聞いているとあることに気づきます。
あれ…記憶があるの自分だけ??
繰り返される永劫の周回。毎日しばいてはやられしばいてはやられ、オフィスに戻ればまた月曜日。やだやだもう働きたくない!!
各登場人物には図鑑というか社員名簿に紹介文が乗っているのですが、イベントを見たり、社員たちと会話をするとだんだんとその人のプロフィールが詳しくなっていくおまけ付き。
テキストの量が半端じゃないです。
アイテムにも、敵にも説明がついているのだからなかなかどうしてテキスト集めも楽しいですね。しかし逆に一度見たイベントが繰り返せないのが辛い。
ただし問題点があります。
日本語翻訳文が結構不安定です。
かわいいインターン生のクィンの一人称、普段は「僕」なのに、たまに「俺」ってなってます。キャラ変かな??
ところどころ怪しいのは……うん、きっとループしている世界のせいでしょう。俺呼びであんた呼ばわりしてくるパンプ・クィンが一体何だというのでしょう。たまたまそういう世界線だっただけです。そうに決まってます…。
3|世界観 - すきま産業の手引
Death Inc.はユニークな魂収集会社。7つの部門がズラリ……そしてその全てがくすんだ色使いでとってもアンニュイな気持ちに。
あー…えーっと死因一覧ですね。これ。
産業汚染部門はヘドロのような敵が多い。インダストリアルな世界かと思ったらすべてが汚水が流れるスクラップ。
毒性食品処理部門は食中毒系で、ポテトやらシェイクやらか襲いかかってきます。意外と癒し系の敵が多め。
身体疾患部門は爆発する臓器のような敵、毒を出す薬など意味ありげ、ボスはカニ…キャンサーね、キャンサー。
依存症部門は第一ステージの敵と一緒…ではなく、似てるけど違う存在。病的に暴れまわります。ボスもマッッックス。
近代戦部門は見ての通り戦争モチーフ。爆撃機やらを指示する少佐が会社で働いている事実。世知辛いね。
自然災害部門は、地震、雷、火事…台風に洪水に一番画面が派手。それもそのはず、この部門はC.イマムラによってプロデュースされているから。
必然の時部門。「必然の時」?そうですね…生きとし生けるもの全てこの時間に縛られているわけですから、時間を忘れてバカンス?許されません。
見ての通り様々なニーズにお応えしていますが、各部門が働きすぎてしまうと…そう、溜まった書類は消化できないし、決算にも間に合わないし、有給なんて使わせてもらえないんです。CEOなのに。しかも、何者かの力によってループさせられて一向に改善しない。
お前らそこに直れ!!お前らのライフワークバランスを見直してやる!!!
死神CEOと一緒にへとへとになりながらもたどり着くエンディングは必見。
え?
まだまだタスクが残ってるって?