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コンカレントトレーニング ロードバイクに筋トレは必要か
ヒルクライムシーズンも終わり、ホビーレーサー甲子園と呼ばれるツールドおきなわも間近に迫る10月。
そろそろポストシーズン休みに入る選手も多く、来季に向けての戦略を一層練られている頃でしょう。
そんなこの季節「筋トレ」という単語が頭の中にチラついている方も多いのではないでしょうか?
実際、私の周囲でも筋トレに興味がある、という方は非常に多く見られる他、筋トレについてのお問い合わせも昨今、多くいただけるようになってまいりました。
以前に出演させていただいたポッドキャスト“ペダミミ”にて私クソコーチが
「自転車乗りは貧弱」
と発言したことで、以降「どう言った意図なのか?筋肥大してもメリットがないのでは?」等の内容のDMをラン先生が沢山いただいた経緯がございました。
私自身、そのようなご感想やメッセージをいただくことは全くなく、人望のなさと近寄りづらさが浮き彫りになる結果となりましたが、そんなこんなで一部ではちょっとした話題を呼んだのかもしれません。
なお、その際ラン先生から「自転車は敗者復活戦」といった発言も聞かれましたが、私はそのようには全く考えてございません。こうして平気で仲間を売って好評を得ようとするからこそクソコーチと呼ばれるのでしょう。
話を戻すと、裏を返せば、自身の筋力や関節強度の不足を実感している方が多いからこそ、筋トレをしたい、しなければならない、といった願望や需要も増えているのだと思います。
そこで、今回は筋トレと自転車のトレーニングを並行して行う「コンカレントトレーニング」について、そもそも筋トレは必要なのか、並行することのメリット、デメリットを述べてまいります。
更に私自身が5年余り、トレーナーとして様々なレベルの選手達に筋トレを強いてきた経験から、実際に行う際に考慮すべき点についても私見を論じていこうと思います。
コンカレントトレーニングとは?
いわゆる「コンカレントトレーニング」とは、自転車などの“有酸素性競技のトレーニングとストレングストレーニング(レジスタンストレーニング)、いわゆる筋トレを同時に行うこと”と定義されています。
そもそも「コンカレント(Concurrent)」という単語が日本語で「同時」という意味のようで、特に特別な用語というわけでもなく、英語の論文などでConcurrent trainingと表記されていたものがそのまま呼ばれているだけでしょう。
なので個人的にはコンカレントと呼ぼうが同時トレーニングと言おうが、どっちでも意味は伝わりますし何でも良いと考えています。
自転車に筋トレは必要なのか?
そんなことより気になるのは「果たして筋トレをする意味があるのか?」という根本的な点でしょう。
確かに自転車は有酸素性運動ですし、ヒルクライムなど体重あたりのパワー(パワーウェイトレシオ、PWR)が重視される場面においては「筋トレをすると筋肉が増えて重くなって不利になる」と考えて控えている方も多いことでしょう。確かに一見すると最もらしい意見のように感じてしまいます。
しかし、こうしてコンカレントトレーニングの記事をしたためている時点で、少なくとも私の中では“筋トレが自転車のパフォーマンス向上に大いに寄与する”という点に関してほとんど疑いようのない自信がある、ということです。
まずは筋トレがどのようなメリットをもたらしてくれるのか、そちらを解説してまいります。
※注意※
以降、頭に★がついている項目では前記事で述べた“筋力”の重要性について、一部、いやだいぶ同じ内容を解説します。そちらをご購入くださった方は内容が重複してしまい申し訳ないのですが、どうしても再度お話ししなければならない項目であること、単純に前記事があまりにもよく書けていたのでそのまま使えるため引用しております。
ただ、新しくデータを追加した他、損のないようにこれ以降の項目をとても充実させたつもりですので、ご覧いただければ幸いです。
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