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コンカレントトレーニング 筋力をどう高め、どう維持するか

この冬、自転車界を取り巻くトレーニング環境が一つ大きく変わったような印象がございます。

というのも、筋トレをする方が非常に増えたように感じるのです。

それも実業団登録選手からヒルクライマー、さらには特に決まったレースにフォーカスしてはいないライダーまで、大変幅広い選手層に「ジムでバーベルを担いでフリーウェイトトレーニングを行う」という行為が浸透してきたように、個人的には感じます。

私自身も自転車に限らず、有酸素性持久種目において筋トレを行うメリットにはほとんど確信を持っておりますし、長期的に見て大きくパフォーマンスを向上させたければ筋トレはやるしかない、とすら考えておりますので、取り組まれる方が増えたのは大変嬉しく感じているところです。

加えて、ただタイミング良く投稿したというだけのことなのですが、前回のコンカレントトレーニング(筋トレと有酸素性トレーニングを組み合わせた練習のこと)について持論を述べた記事もご好評いただいており、大変有難く感じております。
長いし、難しい内容もあるのですが、この記事がほんの僅かでも自転車界の筋トレ人口増加に寄与するのであれば身に余る光栄です。

しかし同時に、本当に大事なのはここから、とも感じております。

筋トレが効くのもわかったし、オフ期間にスクワットを死ぬほどやった。
でもいざシーズンインしてみたら、全然パワーも結果も出なかった。

こうなってしまっては、来季に筋トレをもう一度行おう、とはまずならないでしょう。

そこで、自転車乗りが筋トレを習慣的に行う文化を少しでも根付かせるためにも

「オフシーズンに筋トレで高めた筋力をどうしたらシーズン中のパフォーマンスにより大きく還元できるのか」

これを述べねばならない、と強く思うようになりました。

そこで、今回の記事ではどのように筋トレを進行したら、オフで高めた筋力を武器に戦っていける確率がより高まるのか、その方法について研究と経験を基に述べてまいります。

なお、筋トレ(コンカレントトレーニング)そのものの有効性や実施にあたっての注意点に関しては前回の記事で解説を済ませておりますので、重要な部分を除いては本記事では言及はいたしません。が、それでもこんな文字数になってしまいました。

また前提として、筋トレというのは行なっている種目とその数、重量や回数、実施頻度や個人の筋トレ歴によって効果や生じるダメージが大きく異なってくるものです。
よって、ここに書いてあることはあくまで研究をベースにした一般論であり、必ずしもこの通りの期間と内容で行えばパフォーマンスを最大化出来るわけではない、ということをあらかじめご承知いただいた上でご覧ください。

もちろん、いつも読んでくださっている皆様にはお断りするまでもなくこの辺りはお察しいただけるのですが、わざわざこうして注意書きをするくらいには複雑な課題である、と考えているのです。

筋トレでは筋力を高めるべき

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