あの子と本屋
地元の本屋に行った。昔通っていた高校の近くにある、この町唯一の本屋。
手動で横にスライドして開けるタイプの扉。を通った先に自動ドア、という入り口。意図を教えて欲しい。あなたじゃお話にならないので店長呼んでください。
店内は当時とあまり変わっておらず、あの頃のように閑散としていた。大体隅の方にあるエッチめな表紙の本を何故か全面に見せつけているマンガコーナー。あなたじゃお話にならないので店長呼んでください。
お目当てのマンガを買った後、意味もなく、参考書の並ぶ棚に向かう。
恐らく僕の通っていた高校の制服を着た子が、参考書を吟味している。
放課後
放課後、親友2人と本屋に行った。テストに役立つ参考書を探しに。
と言いつつ、「あの子と会わないかなあ」と少し期待する。期待しながら参考書コーナーをぶらつく。ここは町唯一の本屋ということもあり、高校の生徒とよく出会う。
そんな期待が現実に。私の好きな人が属している仲良しキラキラグループが、参考書コーナーにいるではないか。
私は「特に気にしてませんよ顔」で、参考書を手に取ったりしてみる。そんな私に話しかけてくれるあの子。
「私もこの本読んだら、ピンチョス君みたいに頭良くなるかな」
「なります」
「じゃあ読も(笑)」
頭良くてよかったああああ…!
オレ神童でよかったあああああ…!
という存在しない淡い青春を妄想中、扉を横にスライドさせるくらいで我に返った。本屋を後にする。