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オペラ「魔笛」2006

札幌室内歌劇場 第34回公演
オペラ「魔笛」
原作・作曲:W.A.モーツァルト
レチタティーヴォ版 日本語上演
 レチタティーヴォ作曲:岩河智子

札幌サンプラザ開館20周年記念事業
日時:2006年9月23日24日(土) 18:00開演
会場:札幌サンプラザホ-ル

音楽監督・訳詞:岩河智子
演出:中津邦仁

アーカイブ動画(Youtube)-----------------
・前半
・後半

舞台写真-------------------------------------
https://goo.gl/photos/7b81MUQVsZ5Vwizz9

https://goo.gl/photos/7b81MUQVsZ5Vwizz9

出演:
 王子タミーノ 田中誠
 王女パミーナ 萩原のり子

 鳥刺しパパゲーノ 則竹正人
 パパゲーノの恋人パパゲーナ 三浦志緒理(23日)
 パパゲーノの恋人パパゲーナ 遊佐悦子(24日)

 夜の女王 パミーナの母 土本麻生
 光の国の王ザラストロ 石鍋多加史

家臣モノスタトス 橋本卓三
ザラストロの忠実な家臣たち
  森千絵子/岡崎由衣/倉本真理/伊勢田はるか
  江川樹里/安田哲平/磯谷大樹/他

三人の侍女 渡辺ちか/石田まり子/松田久美
三人の天使 窪田晶子/堤摩泉/万城目佳奈

室内楽:
 指揮 時岡牧子
 フルート,ピッコロ 蠣崎路子
 ヴァイオリン 富岡雅美
 ピアノ 土屋益子
 チェンバロ 駒崎志保
 チェレスタ 渡辺桃子
 コレペティトゥーア 伊藤桂子/岩井沙織/須藤尚美/瀬戸あかり

スタッフ:
 音楽監督 岩河智子
 演  出 中津邦仁
 舞台監督 坂本由希子
 演出助手 田中孝男
 舞台美術・衣裳 三宅景子
 照  明 奥畑康夫
 メイクアップ 藤原得代
 制作 福地美乃/佐藤章代/オフィス・ワン
 宣伝美術 山本恵
 Special Thanks 札幌大谷大学/萩原整骨院/クニ美容室

■解説「魔笛-愛の讃歌」
 オペラ魔笛は、モ-ツァルトの最後の作品で、オペラの魅力的なエッセンスがさりばめられた、美しいオペラです。物語は、美しい王女パミ-ナ姫を恋する王子タミ-ノが、ザラストロの課す試練を魔法の笛の力で乗り越え、最後にパミ-ナ姫と結ばれるというものです。
 通常、夜の女王対光の国の高僧ザラストロの対決と、タミ-ノが試練を乗り越えてゆく姿に重きが置かれます。しかし、わたしたちは、建前や争いごとや使命感の名のもとに埋もれてしまう、「人の優しさ」に注目しょうと思いました。今回、重要なのは、タミ-ノとパミ-ナ姫、パパゲ-ノとパパゲ-ナという2組のカップルです。
 タミ-ノはザラストロの課す試練に果敢に挑戦して、王女パミ-ナ姫と結ばれます。一方、パパゲ-ノはどうでしょうか?パパゲ-ノは沈黙の試練では喋るし、すぐお腹が空いたとへこたれるし、一見、ただの足手まといに見えます。しかし、パパゲ-ノの言い分に、耳を傾けて見ると、・・・・
 パパゲ-ノは、毎日がすこやかで、美味しいものと、愛する人に囲まれている生活が望みだといいます。また、パミ-ナ姫を悲しませるような沈黙の試練など、無意味だと指摘します。
 パパゲ-ノの地に足のついた人生観とすなおな優しさ。彼は争いや試練に目を奪われがちな私たちに、愛しあうことが大切なのだと、警鐘を鳴らしてくれるのです。
 試練を乗り越えることができたのも、有り難い教えや意思の力ではありません。魔法の笛と魔法の鈴の力や天使たちの導き。それはすなわち「愛」の力によってなのです。
 音楽監督 岩河智子

■今回の上演の特徴
 小劇場空間での密度の高いドラマを生み出すため、つぎのような工夫をしました。
 もともとの「魔笛」はジングシュピ-ルといって曲と曲との間を台詞がつないで行きます。今回は、歌手の表現力をより生かすために、台詞をレチタティ-ヴォとして岩河智子が作曲し、チェンバロ伴奏で、話すように歌います。
 高僧であるザラストロを、人となりを細かく表現できるように、「後継者選びに悩む孤独な支配者」と考えました。
 本来“奴隷”であるモノスタトスを家臣の一人とし、はっきりと“悪人”と分るようにしました。
 「童子」とよばれる三人の子どもを「天使」という役にし、国や人の争いを超越して人々を良い方向に導く存在としました。
 オーケストラパ-トは、チェレスタ、チェンバロを含むアンサンブルに編曲し、モ-ツァルトの描いたおとぎの世界の音色をイメ-ジしました。
 舞台は、ケルト文化(古代のヨ-ロッパ文明)のイメージを引用し、石柱で囲まれた空間、布を結びつけた樹木が飾られた空間にしました。
 演出 中津邦仁


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