フェミニズムを自分のこととして考えるために。【拝聴しました】2022/03/05(土)17:00-20:00【(公財)日仏会館協力】国際女性デー記念シンポジウム「フランスのフェミニズムを再考する―大革命期からパリテ法まで」
積極的に感想を共有します。
会情報(一部サイトの引用)
日時:3月5日(土)17:00-20:00
参加費:無料
会場:オンライン
主催:日仏女性研究学会 共催:ジェンダー法政策研究所、日仏会館・フランス国立日本研究所 協力:公益財団法人 日仏会館
サイト https://www.mfjtokyo.or.jp/events/collab/20220305.html
参加しようと思った理由
・発表の中に歴史的な事象についてフェミニズムの視点から見直すと言うものがあり、自分の最近抱いている研究における視点の選択についての一勉強になるかと思いました。
・フェミニズムというと、なぜか一般の方々が行う活動と、学術的な活動の2つに分かれているように感じます。音楽においても実践を主とする界隈、鑑賞に重きをおく界隈、作品の捉え方に重きをおく団体などあるので、フェミニズム自体が特殊とは思いませんが、一般の方々(私のここでいう一般は研究等の基礎知識を網羅的に会得する前に救済活動等を優先する方々)との乖離が激しい方だなと思っていました。自分もあまり勉強してこなかった人間ですが、博士課程まで来て、ある程度情報の収集や取捨選択に自信が持てるようになった今、次第に視野を広げて調べるようになり、流石に色々と基礎知識を得たいと思い、このような会に積極的に参加しようと思いました。
・最近人に言うようになったのですが、身の回りで女性が虐げられていて、自分自身も「なんで今私の方が馬鹿にされたのか」と感じることが増えてきて、そういうことがあって以降、ズーーーっとその時の場面を考えることが増えました。そういうものが溜まっていっていたところ、いくつか典型的な女性蔑視の構造に当てはまるものがあると感じており、自他女性の生きる環境が良くなるように対策を練ろうと考えています。
・本来ならこういった本来の活動以上の行動は、マジョリティ側の男性が強く取り組むべきものだと思っています。これは強く主張しておきます。調べたことがない方は、時々この手の話題を発信するので考えてほしいです。
国際女性デー
3月8日は国際女性デー。(グーグル検索の上位にあるのとりあえず貼りますね)今回参加したものも、記念シンポジウムということです。
感想
3時間という時間が一瞬で過ぎた感覚です。発表者がもっともっと伝えたいことがあるというのが伝わってきました。
歴史から再考する
歴史的に隠れた女性の闘いがあることを知れましたし、女性の就労に関するデータや出産への障害が多すぎることも知れました。
選挙制度
一方、フランスでは2000年にパリテ法と呼ばれる男女の政治参画への平等を促進する法律ができた。特にそれは選挙において議員の女男の比率を半ば強制的に平等になるような仕組み(主に国からの助成金に影響が出る等、価値観の変化の前に制度上そうするように動くような選挙の根幹を組み替えた)を新たに設定するものであったために、現在飛躍的に男女のバランスが改善されたそうです。
いくつかの視点からこれまで不利な立場にあった女性を、今ある男性が過ごしやすい環境の上に引き上げるのではなく、女性の生き方に合わせた環境を整える必要があることを強く感じました。
インタビュー
では、女性を優先すると別の立場の人を救えないのは良いのか、というお話がありました。(通訳の機能が少し障害がおきて正確には聞けたか不安ですが)
その際、やはり何かを対立させたとき、誰かはどこかに対してやはり権力を持っていて、それはまた別の話だというような趣旨のお話をされました。不平等に取り組む場合は支配者と非支配者は出てきてしまうので、その都度考えていくしかないのだと感じます。(ドイツの〜のジレンマというお話をされていたのですが、うまく聞き取れませんでした泣
正直それぞれの内容が濃いものでしたので、分割してそれぞれ一回ずつ設けてほしいぐらいでした。私がまだまだ無知であることもそう感じた理由であると感じますが。
マジョリティ側が陥りがちな思考
最後の質疑応答の際の軽いお話にとても共感しました。
この手の話をすると「女男平等を推し進めることによって何が変わるのか」を聞いてくる人がいると。しかしそれは「マジョリティ側(=男性)が、特権的立場にいるから出てくる言葉」であり、「マイノリティ側にいればそれは当たり前のようにわかること」であり、マジョリティ側の利点を挙げるまで私たちがわざわざ気を遣って相手に説明してあげる必要はない、というお話がありました。
本当にその通りだと思います。
稚拙な感想になりますが、会では感想を書ける場所がなかったので、こういうところに書いておこうと思いました。ウェビナーだったので実際にどのくらいの方が参加していたのかわかりません。
私自身昨今のフェミニズムに対する日本のバックラッシュはひどいものだと感じており、意見をすることで社会的に不安定な立場に陥るのではないかと不安を抱いているのも事実です。
そのような状況でも自分ができることの一つにこういった会の参加があるかなと思いました。
こういった会に、研究者の活動の一環として参加して、情報の確実性を高めながら、それを感想として記すことが、小さなことですが、大きな枠組みを捉え直すことに貢献できるかもしれないと思っています。
でも辛い!
しかし強調しておきたいのは、すごく苦しいです。いつも平等に生かされていると思ってきた(思わされてきた)目隠し状態から、少しずつ視野が広がっていくわけですから、「あの時のあれは…」みたいなことが増えていきまし、これから何かあった時にも笑い飛ばせなくなっていきます。
とはいえ、自分は女性差別等の行為に加担したくないので、こういった行動を続けようと思います。
書き付けになりますが、以上感想でした。
多分、件の仏語試験でもこの手の話題は学んでおくのに不可欠であるし、一人の大人としてこのような話題に敏感であることは周囲の女性を守ることにもつながるだろう、という前向きな理由をいくつかつけて、これからも学んでいきます。
国際女性デーに関連したイベントは先のサイトのように色々あって、アカデミックなものから楽しいお祝いイベントもあるので、好きなものから参加していくと良いと思います。
シンポジウムサイト
主催の日仏女性研究学会サイト