iPhone12と5Gについて
Appleが、来週13日10時(現地時間、日本時間14日2時)にオンラインでのイベントを開催する。
前回のApple Eventでは、 Watch Series 6、iPad Air、第8世代iPadが登場した。
通常のApple Special Eventは約2時間程度のところ、前回は約1時間程度であり、新型iPhoneの発表はお預けとなった。
そのため、今回のオンラインイベントも約1時間程度になると予想され、新型「iPhone 12」が発表が濃厚視される。
以下では、iPhone 12に関して予想されている情報をまとめる。
ラインナップ・サイズ
2020年の秋に発表予定の新型のiPhone12シリーズ。全4機種で、名称は以下のようになる見込み。
・iPhone12
・iPhone12Max
・iPhone12Pro
・iPhone12 Pro Max
サイズは次のとおり:
iPhone12は、iPhone SEよりも大きく、iPhone 8よりもコンパクトで、片手で操作しやすいサイズ感となり、女性でも操作しやすい点が魅力になる。
著名リーカーの情報によると、5.4インチの一番小さいサイズがiPhone12mini、6.1インチがiPhone12となる可能性もある。
・iPhone12 mini(5.4インチ)
・iPhone12(6.1インチ)
・iPhone12 Pro(6.1インチ)
・iPhone12 Pro Max(6.7インチ)
発売日
iPhone12、12 Maxは10月19日、上位モデルの12Pro、12Pro Maxは11月末までずれ込む予想もある。
価格
iPhone 12シリーズの価格は、iPhone 11シリーズの値段と大きく変わらないと見られている。
カメラ
・iPhone12シリーズ:2眼
・iPhone12 Pro / Pro MAXシリーズ:3眼+LiDAR
カメラ機能の大幅な性能向上。
iPhone12Proシリーズ2機種には、ToFと呼ばれる3Dセンシングセンサーが搭載される可能性がある。
ToFセンサーは、iPad Proに採用されたLiDERスキャナとなる見通し。これによって数メートル離れた場所であっても正確な深度情報が取得でき、ARのパフォーマンスが向上、一眼レフカメラのように背景をぼかせるポートレート写真のクオリティが上がる。
iPhone6sからiPhone11まで1200万画素のカメラが使用されていたが、今回12シリーズでは6400万画素のカメラが搭載される見込み。
iPhone11シリーズから可能になった暗所撮影機能(ナイトモード)だが、iPhone12シリーズではすべてのカメラにナイトモードがサポートされる予定。
iPhone11では広角レンズでのみ利用可能だが、望遠レンズ、超広角レンズ、さらに内向きカメラにもナイトモードが搭載される見込み。
iPhone 12では手ぶれ補正が強化されると言われている。アップルが新たに開発したのは、センサーシフト型と呼ばれる手ブレを補正するテクノロジー。
これによって、手ブレで生じる振動を拾わないようにするという。今回、搭載されるのは12ProMaxの1機種のみで、本格的にこの機能が利用されるのは次の世代のiPhoneからと噂されている。
カラー
イベントロゴに用いられているネイビーブルー(ミッドナイトブルー)(Proのみ)やオレンジのカラーは、iPhone12にラインナップされる新色を示唆しているのではないかとの予想。
iPhone12シリーズには3つの新色、ライトブルー、パープル、ライトオレンジが追加され、iPhone12 Proシリーズには新色ネイビーブルーが追加、代わりにミッドナイトグリーンが廃止されると言われている。
デザイン
iPhone11シリーズは全機種丸みを帯びた見た目をしているが、好評だったiPhone5の様な角ばったフラットデザインになる見込み。そのため、近年発売されたiPhoneシリーズのケースと併用できない可能性が高い。
有機ELディスプレイ搭載(液晶ディスプレイの廃止)。iPhone11シリーズでは、11が液晶ディスプレイ、11Pro/ProMaxのみ有機ELディスプレイが搭載されている。
iPhone12は全モデルで有機ELディスプレイが採用される見通し。有機ELディスプレイは薄型化しやすく、液晶では難しい黒色が美しく表現できる。
ディスプレイ解像度も高くなり、シリーズ4機種全てフルHD(1,920 x 1,080ピクセル)以上になるといわれている。
iPad Proで「ProMotionディスプレイ」として搭載された120Hzリフレッシュレートが採用される噂がありましたが、2021年まで採用は見送られる可能性がでてきた。
また、iPhone11で不評だったノッチは、iPhone12では小型化すると言われている。
EarPods、USB充電器の同梱が廃止される。5G対応によって機種の値段が高くなった分を相殺し、iPhone11と同程度の価格で販売するためにずっと同梱されていた有線イヤホンとUSB充電器がなくなるとみられている。
また、有線イヤホンをパッケージに含めないことでAppleワイヤレスイヤホンの「AirPods」の購入需要を喚起する目的もある。
プロセッサ
Phone12シリーズは全て「A14 Bionic」チップが搭載される見込み。これによって 11シリーズに搭載されているA13 Bionicチップのスコアと比較して、処理能力が大幅に向上する。
セキュリティ
iPhone12では11と同様、顔認証システム「FaceID」が採用されると言われている。
指紋認証システムを復活させるとのうわさもあったが、12シリーズは引き続き顔認証システムが搭載される可能性が高い。
5G
・iPhone12シリーズ:Sub6
・iPhone12 Pro / Pro MAXシリーズ:Sub6 + ミリ波
5Gについて
日本では3月からサービスがはじまった5G。2020年7月時点では、利用できる場所は人が集まる一部スポットのみとなっているが、2023~2025年にかけて全国的に利用地域が拡大する見込みである。
KDDIが2020年6月の株主総会で「2021年度末までに基地局を5万局」「2023年には4Gと謙遜のない電波にしたい」と目標を掲げた。
最近では5G対応のスマートフォンも発売されていて、2020年秋に発売予定のiPhone12シリーズは全機種5G対応と噂されている。
”sub6”と”ミリ波”
5G対応のスマホの説明を見ていると、「sub6(サブシックス)」と「ミリ波」というキーワードをよく目にする。どちらも5Gで使われる周波数値に関する言葉だが、「sub6」だけ対応のスマホ、「sub6」「ミリ波」両方対応のスマホがあり、この違いがわからないという人も多いだろう。
「Sub6」「ミリ波」は5Gから利用できる新しい周波数帯のことである。
今までは4Gの周波数帯を利用していたが、5Gからは新たな無線技術が使われる。その無線技術のことを「NR(New Redio)」といい、4GLTEの様に5GNRやNRという。5Gは2つの周波数帯「sub6」と「ミリ波」を使ってデータ通信を行う。
4Gは3.60GHz未満の周波数値帯だが、sub6は3.6GHz~6GHz未満の帯域、ミリ波は28GHz~300GHzを利用する。
周波数が高ければ高いほど「帯域幅」が広くなり、データ通信をスムーズに行うことができる。
5Gは2つの周波数帯があるのは、「sub6」「ミリ波」どちらもメリットデメリットがあり、それを補いあうためである。
”sub6”のメリット・デメリット
メリット:
・4G技術の転用ができるため、電波を利用できる環境が速く整う
・電波が広域まで届く
・障害物の影響を受けにくい
デメリット:
・速度、同時接続において大きくミリ波に劣る
”ミリ波”のメリット・デメリット
メリット:
・超高速通信
・超低遅延
・多数同時接続
デメリット:
・電波の届く範囲が狭い
・障害物の影響を受けやすい
・まだ環境が整っていない
「ミリ波」は高速通信、低遅延、多数同時接続などが見込まれる一方、まだまだ技術的に難しく、すぐには普及が難しい状況である。いつ一般的に利用できるようになるのかの目途もわかっていない。
その点Sub6は2023年~2025年までに全国に普及されると予想されている。
5Gでできること
5G通信により実現が期待されることとして、次の様なことが挙げられる。
・自動運転技術
ネットワークに接続して自動運転で走行する車が増えると、互いに通信して車間距離を保ち、安全に走行することが可能。例えば、車のブレーキやアクセルなどの操作を遅延なく周囲の車に伝えることで、衝突を回避することができると言われている。自動運転の車が増えることで事故が減るとなれば、自動運転の車の割合も増えていくと考えられる。
・遠隔医療
5Gの高速・大容量通信と低遅延という特長を生かして、遠隔医療の可能性がさらに広がると考えられる。遠隔医療により、地方の医師不足を解消し、医療に関する都市部と地方の格差を小さくすることができる。遠隔地からの映像を利用した診断を行うことができるためだ。さらに、ネットワーク経由でリモートコントロールできる医療機器を使って、より詳細な診療や処置を行うことも可能になると言われている。
・VR / AR / MR
VR(Virtual Reality)は仮想現実のことで、ディスプレイやゴーグルに投影された仮想空間で現実とは異なる世界を体験できる。
AR(Augmented Reality)は拡張現実と言われるもので、現実世界に仮想現実を加えて現実を拡張した世界を体験できる。
MR(Mixed Reality)は複合現実と呼ばれており、現実世界を反映した仮想世界を体験できる。
これらの新しい技術は、エンターテインメント、ゲーム、医療、商品開発、技術開発などのさまざまな分野で利用されはじめている。
・大容量コンテンツの高速ダウンロード
4K・8K映像など大容量のコンテンツをスムーズに配信することが可能になる。遠隔地からもスポーツやライブなどのエンターテインメントを会場にいるのと同じように楽しむことができる。
・スマートホーム
照明やエアコン、洗濯機、鍵など、家にあるさまざまな家電や設備をIoTデバイス化しスマートフォンから操作するスマートホームの実現が可能。現在のIoTデバイスは家庭用のWi-Fi回線を利用しているケースがほとんどだが、5Gが普及することで、より多くのIoTデバイスを直接操作することも可能になり、それらを連携させることで利用の幅が大きく広がる。
・スマートオフィス
オフィス以外の場所でも、オフィスと同じ環境でストレスなく働くことができる。テレビ電話やVR会議でコミュニケーションを担保しつつ、時短勤務やリモートワークの環境を整え、働き方改革を実現することが可能。オフィスの設備を最小限にして、さらにエネルギー消費も減らすことができ、コスト削減にもつながる。
・スマートショップ
高精細なネットワークカメラを店舗内に設置する柔軟性が高まる。また、AIも活用すること顔認証や物体検知、人流解析を実現し、無人店舗やセキュリティ、マーケティングを高度化することができる。