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(2023年解説)Gainsightとは?カスタマーサクセスソフトウェア首位企業を詳細解説
本日は、2020年の9月にnoteに書いた、Gainsightのまとめ記事を振り返り解説します。
私がはじめてGainsightを知ったのは2016年か2017年あたりで、前職で米国のカスタマーサクセス市場を調査したタイミングでした。
この記事を書いた2020年当時、Gainsightは日本国内ではほぼ無名だったのですが、米国では既にカスタマーサクセスをリードするリーダー企業でした。
Gainsightは今も昔もコンテンツ発信が強く、代表のニック・メーターさん自ら体系的なカスタマーサクセス情報を発信していることが印象的です。私も多くのGainsightの発表を聴講していました。
そして、2021年には、Gainsightのニック・メーターさんが新・カスタマーサクセス10の原則、というカスタマーサクセスの新しいルールをニック・メーターさん自ら発表されました。
私はその発表内容を見て、日本企業にも共有するべき素晴らしい内容だと、ニック・メーターさんに直接お声がけし、弊社openpageのカスタマーサクセス大型イベント「CS PROUD」において対談をさせて頂きました。
その頃から日本市場進出の話を聞いており、2023年現在はGainsightは日本法人を設立しています。国内では私の古巣であるビズリーチや、日立ソリューションズ様などカスタマーサクセスに取り組む先進的な企業を中心に導入が進んでいるようです。
日立ソリューションズ様においては、情報交換の機会を幾度となく頂いているのですが、SIビジネスからサービス化への取り組みを進める最中、スマートライフのクラウド事業においてGainsightご導入が進んでおり、Gainsightの代理販売も開始したとのことでした。
大手SI企業やSaaSベンダーにおける導入例が増えるほど、今後国内でも影響力を強めていく会社になっていくと期待されます。
以下より、過去記事を転載します。
ーー
カスタマーサクセスの職種の方であれば、Gainsight(ゲインサイト)の名前を耳にしたことがある方も多いと思います。そう、カスタマーサクセスソフトウェアにて市場シェア1位、カスタマーサクセスを啓蒙するリーディングカンパニーです。
しかし、Gainsightはまだ日本市場に本格的に進出しておらず、日本語で解説された情報は少ないです。
※Sansanの山田ひさのりさんが執筆された「カスタマーサクセス実行戦略」が今のところ最もGainsightについて説明されているコンテンツだと思います。
この記事では、Gainsightとはどのような会社か。彼らの提唱するカスタマーサクセスの理念やアプローチについてご紹介します。
目次
Gainsightのミッション
Gainsightの3つの取り組み。プラットフォーム・専門情報提供・コミュニティ
Gainsightの実績
Gainsightが提唱する「顧客が力を持つ時代」
Gainsightのカスタマーサクセスの定義(CS=CX+CO)
サイロ化がカスタマーサクセスを破壊する
カスタマーサクセスの成熟度モデル
カスタマーサクセスエレメンツ(カスタマーサクセスに必要な要素)
カスタマージャーニーマップの作成
カスタマーサクセスにおける顧客フェーズ
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Gainsightのミッション
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Gainsightのビジョンは「人間第一でありながらビジネスを成功できる証を作ること」ミッションは「顧客の成功(カスタマーサクセス)を可能にしながら、企業の継続的な成長を支援すること」です。
興味深いのはGainsightのバリューで、よく見ると「Shoshin(初心)」という日本語の表記がありますね。
Gainsightの3つの取り組み。プラットフォーム・専門情報提供・コミュニティ
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Gainsightはカスタマーサクセスのプラットフォームを提供するだけでなく、書籍(カスタマーサクセスの青本で有名ですね)を出版するなど、積極的にカスタマーサクセスの専門情報を発信している点が特徴です。
また、Pulseという巨大なカスタマーサクセスイベント/コミュニティを運営しています。
Gainsightの実績
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Gainsightの取引実績は圧倒的で、日本でも有名なAdobeやGEなどソフトウェア・ハードウェア含むITのトップ企業に多く導入されています。
ソフトウェア業界のトップ企業のうち67%がGainsightを契約しています。
Gainsightが提唱する「顧客が力を持つ時代」
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Gainsightが提唱する考えは、「顧客は以前より力を持っている」ということです。
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「クラウド」の登場で、顧客に選択肢ができた。
「ソーシャルメディア」の登場で、顧客に力がついた。
「サブスクリプション」の登場で、企業は1回の取引で大きな売上を上げられなくなり、継続的に契約し続けてもらわなければ売上を回収できないリスクができた。
これらの市場変化により、次の10年で多くの企業はリプレイスされていくだろうとGainsightは解きます。
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このような時代において、顧客は単に取引をするだけではなく、「成果」を求めているのです。
Gainsightのカスタマーサクセスの定義(CS=CX+CO)
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この方程式は、Gainsightの提唱するものとして有名なものです。
カスタマーサクセスとは、CX+CO。つまり、「期待以上の顧客体験」と「望まれる成果」の両方を提供することです。
サイロ化がカスタマーサクセスを破壊する
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また、これは日本ではあまり普及していないGainsightの主張ですが、彼らはマーケティング、セールス、サービス、サポート、プロダクト、ファイナンスと部署ごとに特化しすぎた製品が増えている現状に対し、「サイロ化(部署業務の孤立)によりカスタマーサクセスが破壊されている」と訴えています。
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顧客に対して「望む成果」と「期待以上の顧客体験」と提供するには、分断された組織ではなく、カスタマージャーニーに沿った形で組織を構成するべきだと説きます。
カスタマーサクセスの成熟度モデル
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カスタマーサクセス(「望む成果」と「期待以上の顧客体験」の提供)には、4つの成熟度があるとGainsightは説明します。これは後に紹介するカスタマーサクセスエレメントの図のほうが有名かもしれません。
なお、4つの成熟度は下記のような段階を踏みます。
①Reactive:基本的なケースに対してのエスカレーションを管理できる
②Insight&Action:顧客データを通じて意味のあるアクションが取れる
③Outcomes:顧客規模に応じて顧客の成果に貢献できる
④Transform:顧客の成功のために全社一丸で取り組む
カスタマーサクセスエレメンツ(カスタマーサクセスに必要な要素)
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Gainsightが提唱するカスタマーサクセスエレメント(お客様の成功のために必要となる要素)です。
カスタマーサクセスと言えばよく聞く「ヘルススコア」の整備や「テックタッチ」の取り組み、部署の垣根を超えた取り組みなど、カスタマーサクセス業務の型を紹介しています。
※これらすべてGainsightで出来るんです、という売り文句がにくいですね。笑
「Insight&Action」(顧客に対して意味のあるアクションを取れる):
●顧客のヘルススコアの管理。
「Outcomes」(顧客規模に応じて顧客の成果に貢献できる):
●利用・継続・拡大・推奨といった顧客状況の管理
●ステークホルダー・リスク・計画の管理
●テックタッチ環境の整備。
「Transform」(顧客の成功のために全社一丸で取り組む):
●サポート、サービス、プロダクトの改善といった部署の垣根を超えた顧客のための取り組み。
カスタマージャーニーマップの作成
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またGainsightがよく行っているのは、「カスタマージャーニーマップを書いてみよう!」というワークショップです。
カスタマーサクセスはCX+COである、1つの部署の業務ではなく複数の部署のシナジーをつくる、といったGainsightの考えに沿って、顧客のライフサイクルを可視化します。
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顧客の望む成果を知る→それを視覚化してみる→顧客に対して適切に提示する、というアプローチを通じて、カスタマーサクセスをより良く出来る方法を考えさせます。
カスタマーサクセスにおける顧客フェーズ
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カスタマージャーニーとしてGainsightが説明するもので有名なものは「オンボーディング・アダプション・エクスパンション」を通じて顧客との経験を深めていくものです。
そのためにどのようなアプローチ、イベント、リスク、機会があるかを言葉にすることで可視化していきます。
カスタマージャーニーをカスタマーサクセス業務に落とし込む
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最終的には、このような形で顧客のフェーズごとに、どのチームで何をするのかを整備していきます。
※また説明は割愛しますが、Gainsightのソフトウェアの導入顧客に対しては、これらの情報をベースにGainsightのソフトウェアを活用し、管理画面からヘルススコアを設計していきます。
おわりに
お読みいただきありがとうございました。
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