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テックタッチ(株)からエンタープライズ営業を学ぼう

直近テックタッチ(株)様の資金調達に伴い、SaaSビジネスにおける神ノウハウのnoteが連発します。
これが無償で読めるのは奇跡なので、感謝とともにノウハウを徹底的に学びとるべきです。
こちらは営業責任者の西野さんによるエンタープライズ企業のセールスに関する記事で、これまでの外資系企業でのセールスノウハウががっつりnoteに書かれていました。自分がまとめながらメモを取った内容を共有します。

エンプラ企業開拓には実績、ロゴが重要。新しいもの好きなCIOから当たる

・エンプラは実績が重要。ロゴを取りに行くべき。
・取りたい業界のトップ企業のロゴを取る。外資でもこれが常識になってる。
・顧問、VC、紹介で接点を持つ。
・新しいもの好きなCIOが相手だと良い。

ロゴをなんとか取りに行って、事例を横展開して行く動き方になる。突破口は人脈や繋がりを頼みにして、思考性としては新しいもの好きな人を狙いにいく。
確かに信用が最も重要になる。取引実績や既存の繋がりから行くのが一番現実的。第一手が苦労するはずなので、どう信用のバーを乗り越えて行くのが鍵になる。

売りたい部門を固めてキーマンを狙いに行く。商談は長期。

・組織図見て1社ずつ丁寧にいくより、ざっくり売りたい部門を固めて行く。
・キーマンにあたればリードタイムが一気に縮まる、その人脈がある営業いると良い。
・ただ普通はないので、架電でインサイドセールスがアプローチする。
・とはいえすぐクロージングはできない、1年くらいかかる。それで受注計画立てる。

長期戦は覚悟する必要がありそう。本当は1社ずつ丁寧に行きたいが、確率論を考えるとその時間はなく、ある程度仮説を立ててアプローチする必要がある。
この初回接点から受注まで一連の流れをイメージして動ける営業じゃないと、力点の入れ具合が難しそうだ。だから後述にある経験者採用が必須なんだと思う。

エンプラ企業といっても業界によって違う。業界は国内で独立し、資金力のあるところから

・グローバル企業の製薬、製造はハードル高い。
・建設、金融、自動車は国内で独立しており、資金力もある。
・サービス、リテール業界は資金力の観点からやや優先度下がる。
・セキュリティ障壁が高い
・通信、金融は個人情報扱うので意思決定に時間かかる。

業界ごとの社内調整の難易度はある。外資は弊社も提案を取り組んでいるが確かにかなり難易度が高い。セキュリティシートも業界によってボリュームが違う。エンプラ企業といっても難易度があり、なるべく意思決定がしやすいところから行くのが定石なのだろう。

小さく受注して、カスタマーサクセスで大きな取引に育てる。

・まずは小さく受注して大きく育てる。
・売上金額より数を追う。
・ CSの連携が重要。アカウントシートをつかって詳細共有する。

Salesforceの営業部門を立ち上げたデイビットルドニツキーさんも同じことを言っていた。いきなり大きな取引になることはない。まずは早く小さくクロージングして、取引の中で大きくしていく。カスタマーサクセスが取引金額拡大のためどのようなコミュニケーションをしていくか、これが捗るよう営業がどう連携するかが肝になりそう。

関係部門とコミュニケーションが出来るように、POを押さえる

・導入部門、IT部門、DX推進部門と多くが関わる
・コミュニケーションに工数がかかりすぎないように、プロジェクトオーナーとCSが会える関係を作る

組織図、各関係者の干渉範囲、政治的な力学など上手く把握する必要がある。営業の組織図管理ツールのuluみたいなSaaS製品があるくらい。Salesforceも確か毎回詳細な組織図を作ると聞いたことがある。

リードタイムはかなりかかることを覚悟する

・ベンダー選定されてから契約に結構時間がかかる
・契約書のレビュー、稟議、押印などの手続き
・押印だけで2週間かかる
・リードタイムを理解して、売上や受注の計画を立てる

スタートアップとしてはバーンレートが気になる。エンプラ企業は、ロゴによる信用力大幅アップはありながら、リードタイムが短いSMB顧客の取引も組み合わせるのが現実解な気がする。初めからエンプラに振り切ったテックタッチは多めに調達しておいてランウェイを伸ばしていた。ファイナンス戦略とセットで進める話だと思う。

エンプラセールスが出来るセールス責任者を採用する

・セールス責任者が重要。
・おさえるべきポイント、マネジメント方法、トークなどが独特。
・エンプラセールスの経験や素養がある人がいないと厳しい。
・だからスタートアップの社長が営業責任者兼務ですというエンプラ領域においてケースはあまりワークしない。
・大企業の新規事業経験者、外資の日本法人立ち上げなど0→1に近いことをやっている方がいい。

弊社openpageもSalesforceやMarketoのエンプラセールス経験者がおり、確かに何とも言語化しにくいノウハウ、寝技のようなものがある。エンプラ企業の営業はすぐすぐ身につくものではないので、採用力が重要になる。テックタッチ社の発信強化も優秀な人達が発信することによる採用のコンテンツマーケになる。希少なビジネスノウハウを無償で得られるのはありがたい。

openpage藤島の感想まとめ

エンタープライズ企業は商談リードタイムがかかる。資金余力が残るよう余裕を持ったファイナンスとキャッシュ管理が必要になりそうだ。

またロゴを取ることは必須になるが、そのファーストアクションは経験者でないと難しい。具体の当たり方や優先度の土地勘がある人の方が絶対にいい。

だから採用力が重要になり、じゃあスタートアップがどうやってエンプラセールスを採用するかという話になる。

またセールスだけでなくカスタマーサクセスもセットで必要で、契約後に取引規模を上げられる価格モデルも合わせて用意が必要だ。