SaaSベンチャー経営者の「資金調達」の反省と失敗
先日、SaaS向けカスタマーサクセスのサービスopenpageにて資金調達をした藤島と申します。
今回はシード・アーリー期だったこともあり経営者の私が主に資金調達の仕事をしていたのですが、ヘタこいた…ことが想像以上にありました。
SaaSベンチャー経営者やVC業界の諸先輩は、飲みのツマミとして頂ければと思いますし、これからSaaSを起業する方は同じ轍を踏まぬよう反面教師としてください!
本日のテーマは下記の4点です。
① 経営企画人材のアサイン遅れ
② 課題をさらっと説明
③ 契約書をパラ見
④ 社内共有不足
経営企画人材のアサイン遅れ
・資金調達の際は上場から資本政策を逆算して作るべき。
・そこからキャッシュアウトのタイミングを予測して調達金額を考えるべき。
今回の資金調達にあたってご担当していただいた伊藤忠テクノロジーベンチャーズの中野代表に上記のコメントをいただくまで、シード・アーリーは数値計画なんてなくても調達いける!!!と思っていました。
全然そんなことはなく、シード・アーリー期でも5,000万円くらいを超える金額になると事業計画数値を組む必要性がありました。はじめは事業部メンバーのみで作成していたのですが、最初から経営企画業務の経験がある人と進めるべきでした。財務モデル作成は誰がやるかで全然レベルが違います。(僕が作った数値計画は全然だめだめでした)
事業計画の数値作りから相談にのるVCもいるので、起業家はそういう方にも相談するといいですね!
課題をさらっと説明
ストレートにいうと、課題は盛るべきでした。
ピッチプレゼンを作る際に、自分にとってはこの課題は当たり前だと思ってたけれど、実は共通認識が出来てなかった、ということは多くありました。
盛るというのは、課題の深さをしっかりアピールしておけばよかった、ということです。シード・アーリー期は着目する課題は何なのか、投資家からはとても見られました。
そして、投資家の興味はマクロ的な数値トレンド・・・とかではなく、どうしてそれに気づいたの?専門的にやってみてどう課題に感じた?といった、僕個人の経験にあったように思えます。
僕は前職はビズリーチのカスタマーサクセス立ち上げをしたのですが、その時はこんな仕事をしてて、こういうことにカスタマーサクセスだと困ってて・・・といった生の話のほうがウケてて、SaaSが伸びてます!みたいなのは説明はいらなかったですね。
契約書をパラ見
今回は以前発行したJ-KISSの転換と、優先株の発行で調達したので、契約書がなかなかの分厚さ。正直スルーしたかった、弁護士がやってくれるだろうと、最初はほとんど見てなかったんです。
ただフロントに立って文言修正などを依頼するのは僕ですから、なんでその依頼するんですか?って当たり前ながら質問されて、あたふたするんですね。
代表取締役は法務領域も自らの責任範囲。投資契約書は専門外と遠ざけてはなりません。と過去の自分に説教です。(結局、最終的にはめちゃくちゃ読みました。)
社内共有不足
弊社はSaaSベンチャーの中でもまだまだ初期フェーズなので、開発メンバーのほうが構成比として多いです。しかし資金調達について、細かい情報は開発メンバーには全く知らせてませんでした。
これは開発に集中してほしいという思い、エンジニアへの遠慮もあったのですが、その結果起きてたのは、社内の誰一人、本当に資金調達できると思ってなかったことです。
投資委員会のOK、バリュエーションのfix、タームシート、投資契約書、リーガルチェック…などが進み、自分としてはほぼ確定だと思ってたのですが、資金調達プロセスを丁寧に社内に説明しておらずチームは半信半疑になっていたようです。
反省点
・シードアーリーでも経営企画人材に相談すべき
・取り組むべき課題は丁寧に説明するべき
・投資契約の責任は代表の自分にある
・社内共有はたくさんしよう
同じ失敗をしないよう、ぜひ皆さんにシェアしていただければと思います!