生化学のPちゃん先生

大学で医療関係の生化学を教えています。医系大学を目指す高校生の受験勉強から医師国家試験に使えるくらいの範囲で,生化学まとめノートをアップしていこうと思ってます。

生化学のPちゃん先生

大学で医療関係の生化学を教えています。医系大学を目指す高校生の受験勉強から医師国家試験に使えるくらいの範囲で,生化学まとめノートをアップしていこうと思ってます。

最近の記事

痛みと鎮痛剤について正しく理解しよう。

痛みのメカニズム 痛みの伝導 痛みは大きく2種類に分けられる。1つは打撲のような機会的な痛み、つまり痛覚神経からの刺激を有髄であるAδ繊維を使って跳躍伝導するシステムである。2つ目は発痛物質を受けとったC繊維が興奮して痛み刺激として認識される。C繊維はAδ繊維に比べて細いうえに無髄であるため、比較的ゆっくりと伝わる。 これらの痛みを受け取る神経は一次ニューロンと呼ばれる。 脊髄後角から入った一次ニューロンから放出されるグルタミン酸は二次ニューロンのAMPA型受容体やNMDA型

    • お腹がへると、赤ちゃん可愛くなくなる。それ、ふつうです。

      母性って、なんなんでしょう。赤ちゃんって、ものすごく可愛いくてキュン死してしまいそうになる時があると思えば、逃げ出したくなるほどイヤな存在になってしまう事もありますよね。 実は、愛情を持って子育てするって、脳の中でものすごく複雑なメカニズムの上に成り立ってるんです。 ココがポイント! 母性と食欲は両立せず。 視床下部に養育の中枢がある。 養育中枢に影響するのは匂いと声と嫌悪感。 養育中枢は胎児期に発達する。  子育て行動を促す脳内物質にオキシトシンがあります。愛情ホルモン

      • シリーズ 糖と糖尿病③ インスリンが糖を取り込むまで。

        ココがポイント! ① ホルモンの定義を理解しよう。 ② ペプチドホルモンとステロイドホルモンの違いは? ③ インスリン受容体のはたらき。 ④ GLUT4が出動して、血糖値が下がる! ホルモンを出来るだけ沢山思い浮かべてください!って言われたら、インスリンか1番初めに浮かぶんじゃないでしょうか?高校の生物でも詳しく説明されるホルモンの1つですよね。 インスリンの次がバソプレシンかな? ホルモンって言うのは、細胞に情報を伝達する物質の中で血流に乗って、全身へと広がる物質を指

        • シリーズ糖と血糖値と糖尿病② インスリンが分泌されるまで。

          血液に糖が流れ込んでキタァ!ってのを感知するセンサーの役割を持っているのは、膵臓のランゲルハンス島B細胞です。ここでは、インスリン分泌のシステムについて勉強しましょう。 ココがポイント! ① 糖はグルコース輸送体(GLUT2)を通って、膵臓ランゲルハンス島B細胞に入り、インスリンを分泌させるよ。 ② プロプレインスリン→プレインスリン→インスリン&Cペプチドの過程を覚えよう!  糖は細胞に入ると分解されてエネルギーに変わる体にとって超大切な栄養素ですが、血液の中にあっても

          シリーズ:糖と血糖値と糖尿病① 正しく理解出来ますか?

          あー、血糖値高いって言われたぁ。ヤバイよね? って聞かれたらどう答えますか?せいぜい、『そうですね!下げましょうね。』って答えるのがやっとなのではないでしょうか? そんなあなたは、ヤバイです!! 血糖値についてよく理解することで,糖尿病だけじゃなくて高脂血症やココロの健康から体のはたらき全体についても理解が深まりますョ。 ココがポイント! ① 単糖の中で六単糖を3種類(グルコース、フルクトース、マルトース) ② 単糖が2つで二糖類、いくつか結合すると多糖類やオリゴ糖ってら名

          シリーズ:糖と血糖値と糖尿病① 正しく理解出来ますか?