謎うなぎの謎/時事ニュース探偵が切る
『謎肉』ならぬ『謎うなぎ』
カップヌードルでおなじみの日清食品の挑戦とは-----
毎日、暑い。
こう暑いと食欲も減退してしまうのだが、そんな時でもあの香ばしい匂いを嗅ぐと、胃袋がぐるぐると鳴るのだから不思議だ。
探偵の好物の一つがうなぎ。
特に夏には、萎えがちな体や気持ちに活力を与えてくれる。
故郷、福岡でも香ばしく焼き上げた鰻を蒸す調理法が独特な柳川のうなぎは絶品だ。
土用の丑の日。
なんて良い響きなんだろう。
ところが近年、日本の食文化が危機に瀕しているのだという。
ニホンウナギの稚魚のシラスウナギの不漁が続き、国内の稚魚の捕獲量は40年前の3分の1程に落ち込んでいるという。
このため、密漁者も横行。
『黒いダイヤ』と呼ばれるナマコと並んで、シラスウナギは『白いダイヤ』とも称され、反社会的勢力も絡んだ組織的な密漁も後を絶たない。
そんな危機に立ち上がったのが、日清食品。カップヌードルの具材でおなじみの「謎肉」のノウハウを生かし、植物由来の素材でウナギの蒲焼きの食感や見た目を再現した冷凍食品の「プラントベースうなぎ 謎うなぎ」(115グラム入り、税込み1620円)を昨年7月に販売。
1000セットが販売開始からわずか1分で売り切れたのだという。
今年は5000セットを土用の丑の日前に販売したが、こちらも1分もたたないうちに完売したそうだ。
1分で完売とあっては、なかなか手に入れるのはハードルが高い。
そんな一般の消費者にもってこいなのが、店頭で気軽に購入できるカップタイプの「謎うなぎ丼」なる商品だ。
早速探偵も近くのドラッグストアで一つ購入。食べ方は「ぶっ込み飯」や「カレー飯」など、日清の他のカップライスと同じ。お湯入れて5分待ってから、「特製甘辛ダレ」を入れればできあがりだ。
お味の方は、確かに山椒の風味もあり、具材の「謎うなぎ」も、想像以上にうなぎの食感を再現している。「謎うなぎ」は大豆タンパク加工品とのことで、味はどことなく油揚げに似ているような。
さすがに、うな重とはいかないが、税抜き369円で、うなぎを食べた気分に浸れるのだから、さすが日清食品である。
資源の枯渇や物価の高騰が続く無く、ますますこういう代替食品が増えていくのだろうか。