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第86話 Sの字と膀姐さん(9)横行結腸の受難

ふぁー しっかしヒマだなあー

最近雲子がぜんぜん来ないんだけど、どうしたんかな?まぁ、中がキレイになっていいけど。

上行結腸の兄さんなんか聞いてないっすか?
何にも知らない?はぁそうですか。

下行結腸はどうよ?
なに、下の方で泌尿器の連中と揉めてる?Sの字が粗相して雲子が違うとこから出ちゃってるって。
そりゃあ大変だ。

それでこの間、あの気取った変なやつが調べに来たってわけ?ふーんそうなんだ。

***

あれれ 何かおかしいぞ。チカラが入らない。
あ、やばくね。
上の横隔膜さん寝ちゃってるよー。呼吸できなくてなって死んじゃうじゃないか。

わ、何だ何だ。穴が開いて何か入って来た。
掴まれちゃったよ。こら引っ張るなー。何すんだよ!離しやがれ!

わわっ ま、眩しい 誰なんだよ、アンタら。
え、何?ぼくのこと改造する?
わかったぞ。お前たちショッカーの地獄の医者だな。
ライダー助けてー

お前たち、ヒ、ヒポ、ヒポポポタマスの誓い破ってるだろー!

何笑ってんだよ。

違う?宿主さまの承諾とってある?
あ、本当だ。
宿主さまのサインがあるよ。

僕の途中に穴を開けて人工肛門にする?
そんなー 自分何も悪いことしてないっす。他の場所に造ればいいじゃないですか?
回腸の出口とか。
えぇっ宿主さまの第一希望?

だが断るっ!!

ダメ?お願いです、勘弁してください。

何で僕だけ犠牲にならなくっちやいけないんですか?え、ちんぽこの方が大事?納得できましぇーん。

腸には神経が無いから痛く無いはず?
何だよ、そのはずって。人のことだと思って。信用できないね。怖いよう。

ワタシ失敗しませんからって。
そんなこと医者が言っちゃいけないんだぞ。第一アンタあんなに肩幅広くないじゃないか。

ダメだってばぁー ひいぃぃぃぃ

***
「ガンバ、ガンバ、 ふぅう。随分水分が抜けたわ。
みんな、頂上に着いたわよ。こっからしばらく平担が続いて後は下りだからね。

そしたら半日くらいでS字結腸に着くから今日はそこの避難小屋「エス」で一泊。
管理人はスケベなジジイだってから気を引き締めて行くよー。

明日の朝一番のお通じで、憧れの果てしない世界に出られるわ」

「センパ〜イ なんか変なんです。地図と違うんです。急な曲がり角があってその先が行きどまりです。それに横に人工的な穴が開いてま〜す」

「あら、おかしいわねー。山と高原地図、ちゃんと最新版に更新した?
載ってないわねえ。 Geographicaの方はどう?」
「あ、押さないで、前が塞がってるんだから。
きゃー 穴に堕ちちゃうぅぅ」

***
「ここはどこ?なんか透明な袋みたいなところね。ちょっと寒いわ」

「ぼんじょるの 雲子サマ。
オマチシテオリマシたぁ。
SenSura Mioともうシマス。ヨオコソいらっしゃいマシター Benvenute  a casa mia.」

※コロプラスト社はデンマークです。イタリアではありません。他の会社と勘違い。
謹んでお詫びします。
今後の戒めとしてこのままにしておきます。
続く

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