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第133話 腹穴集 八の巻
初めて温泉に入りて読める
恥じることは 本当はないはず温泉の
脱衣所にて人目を避ける
目立つなよ 掌で隠せる大きさに
ストマパウチを半分に折る
人工の肛門つけて何が悪い
でも人を怖ず朝の露天風呂
尾瀬に行きて読める
木道のどこまでつづく尾瀬ヶ原
花摘む君にさえぎるもの無し
われはストマ 雉を撃つのに気にもせで
服を着てても問題なし
月の輪の熊の出没 大丈夫だろ
山小屋をいづ尾瀬の朝霧
ゆきゆきて まずストーマの中クリア
湿原の果てのカフェの生ビール
木道に刻みしTEPCOのマークに気づく
かつてダムの計画ありしを
我が妻が100円ケチる公衆トイレ
義無きをなじる我いつから偉くなった
準備した携帯トイレやもろもろを
使うことなし嬉しからずや