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第114話露腸亭日乗 高額医療費の話②
昨日の補足。かかなかったことをもう少し。
手術して10日入院したらナンボかかる?
手術の説明を受ける際に手術の内容・時間とか入院日数、手術そのものや後遺症のリスクについて医師の説明を聴き、我々は同意書に署名する。
この時、お金がどれくらいかかる、という説明を受けた方はいるだろうか?
自信を持って言う。
たぶんいないと思う。
(医師に聞いても、おそらくわからない、という方に一票)
自分も昨年4月と今年の1月に手術入院した際、費用の話は診察室では一切なかった。
請求書貰ってはじめて金額を知る。
事務方の入院説明で高額療養費に関連して少しあったかもしれないが、具体的な金額の言及はなかった。
例えば、何かの病気や事故で手術して10日〜14日ほど入院したらいくら掛かるだろうか?
ズバリ言うわよ ほぼ10万円
何故か?
第110話から読んでいる皆さんはもうお分かりだろう。
日本国の国民皆保険制度のなかに高額医療費限度額認定という制度がある。
所得に応じて一ヶ月に支払う金額の上限が決まっているのだ。
脳腫瘍の摘出手術8時間して29日間入院しても、痔を切徐する1時間の手術して10日入院しても健康保険使えるのならば、我々が支払う金額はほとんど変わらないはずだ。
※決して痔と脳腫瘍のどっちが上か、という比較論をするつもりはないので誤解のなきようお願いします。
あだしことはさておきつ、
一定の金額で足切りしているのだ。
とにかく非常に凄くとってもいい制度である。
本当はン百万円かかる医療費か10万円で済んでしまう。
日本の国民皆保険制度の精華であると言って過言ではない。
「医は仁術」という言葉がある。
貧乏人からは金を取らず、金持ちから薬代をむしり取った江戸時代の医師の伝統を今に伝える、と言ったら厚生労働省誉めすぎか😛
所得に応じて、この限度額が設定されている。
詳しくは厚生労働省や市町村のHPをご覧いただきたい。
収入が生活保護とか国民年金のみ、あるいは1000万円以上稼ぐ方々を除く普通?の勤労者や老齢年金受給者の限度額は8万200円である。
これに➕αとか、食事代が加算されて10万円ほどだ。
以上、道に聴きて道に説くでした。
自己負担額の引き上げ反対
第110話でも触れたが、もう一度。
上記の80.200円を8000円引き上げるらしい。
一個貼っておくが、更に知りたい方はウェブ等で検索されたし。
あるいは下記の“あざら子”さまのnoteを読んで署名のウェブに飛んで貰ってもよい。
包括評価について
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明細を見ると点数の中で包括評価という項目が手術の点数の次くらいに多い。
普通、請求書の明細は実際にかかった原材料や工賃に一般管理費や交通費を加算したものが請求金額になる。
入院だったら人件費(看護、介護の時間)薬代などの実額を積み上げて請求すると思う。
そうすると計算が面倒なので、例えばS状結腸切除の場合は看護、介護、薬代はおおよそ過去実績に基づいてこれくらい、という概算額があるのでそれにより計算してしまうのだ。
言葉は悪いが、どんぶり勘定というやつである。
厚生労働省が決めることなので、まぁ間違いはないのだろう。
麻酔、手術代について
1月の自分のS状結腸切除手術を例にしてみる。
麻酔の時間が6時間である。ということは前後の準備や後片付けを加えると手術にかかる時間は8時間前後であろうか?
人工は執刀医1、立会医師1、麻酔医1、看護師2の5人。保険の点数は麻酔19.174点、手術料43.276点で計62.450点
即ち624.500円が手術することで病院が受け取る金額である。
実際にかかった費用ではない。大門未知子呼んで手術させたら大赤字になってしまう。
この金額には減価償却費や消耗品、水道光熱費や一般管理費に利益相当分が加味されているはずだ。
となると人件費安くないか?という疑問が出てくる。
専門教育を受け、かつ経験を積んだ医師や看護師が数時間働くわけである。
しかも患者殺さないように、とか失敗許されないというプレッシャーもあるはずだ。
妥当な金額かどうか。
もしかしたら安いのかもしれない。
ご本人達に手術手当的なものが支給されているかはわからん。
なお、前述の限度額引き上げは保険点数に反映されるわけではない。
保険組合の支出が減るだけの話である。
自己負担上げないために
最後に
高度かつ高額な医療を誰でも安価な金額で享受できるので、日本はいい国である。
健康保険組合の財源は我々が支払っている保険料と税金である。
高福祉、高負担ということだ。
今回の高額医療費の負担限度額引き上げは国の財政負担の軽減が目的だ。
では負担上げないために我々は何をすれば良いか?
答えはカンタン医者に行かなければいいのである。
我慢しろ、治療をあきらめろ、ということではない。
予防です。
塩分の摂取量コントロールする、運動する。
→高血圧、腰痛や膝関節炎の予防
ちゃんと歯磨きする。
→虫歯、歯周病の予防
うーむ 今回は真面目な話をしてしまった。
血圧と言えば、今朝の数値は血圧計壊れてるのかと思った。何回計測してもたいして変わらないのであってるのだろう。
これなら高血圧で通院投薬は必要ないかもしれない。ヘッドの写真ね。