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「完璧な情景」
「完璧な情景」
コットちゃん、というあだ名をつけたら、ことのほか喜んでくれた。
今年の春ころSNSで知り合ったオハリコットさんという女性は、X"(旧Twitter)、stand.fmでフランスのリモージュの街から配信をしている、テキスタイルのプロフェッショナル。
日本語では「お針子」→「おはりこ」→「オハリコ」→オハリコット(フランス語っぽくoharicot)としたそう。X(旧Twitter)に挙げている記事は毎回、いいねを押したくなるほど目にとまり、心にやきつく。
コットちゃんのXが更新された。
今日アップされていた記事は夕陽の情景。
これを見た瞬間、心の中で、うつくしい!とさけんでしまった。彼女と同じ感動を共有はできないことを知っている。この情景をとらえたその瞬間をあらわす気持ちは、きっとことばにならない。キャプションにはこう書かれていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1727953329-iJwhAyTXbHQDSpnrBVoWuvUE.png)
水彩でも、油絵でも、パステル画、どんな手法を使っても、描き残したい、そう感じた。
感じ方も人それぞれだけど、描き方にも個性がでる。描くことは得意ではないほうだけれども、自分なりに形をなぞり、好きな色を使って描いてみる。おどろくほどうまく描けたり、思い通りにいかなかったりしても、描いている瞬間は何ものにもかえがたい。
何かに夢中になると、童心に帰る。
好きなことや好きなものに向き合っていると時間も空間も忘れてしまう。今が何時で、ここがどこなのかさえも。
霞を食べてでも生きていける。世捨て人にだってなれる。たぶんわたしの親は泣く。そんな子に育てた覚えはございませんと。
心に残る慕わしい人の笑顔や声。それに気づくとき、やさしくなれる。きれいになれる。外見のことではなくて、内面のこと。
そして、追憶を抱きしめる。
一つの情景が引き金となって、感情のピストルから球が発射される。脳天を貫かれて、全身が震える。愛の衝動はうつくしいものに紐づいて、つぎの刺激を呼び覚ますと感じる。
目覚めた感覚をひとつでも、ひとつずつでも、魂に刻むならば、「永遠の一瞬」に限りなく近くなっていく。
いまだに忘れることのできない思い出は、完璧な情景を目にするとき、いまも熱い炎となって燃えていると、心の声がわたしに伝える。
情熱的なオレンジ色に限りなく近いピンクの空に、うす紫色をした雲のおおいが野山の木々を包んでいく。
やがて全ては光のない闇に沈み、夜の静けさがやってくる。
秋の深まるフランス北西部のブリュターニュ。
夕陽が空を焼く。
「完璧な情景」は「永遠の一瞬」として、今もわたしを熱くする。
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コットちゃん、
素敵な写真をありがとう💖テオ