マリーマリーえびちゃん×ミカボ土屋×速川大弥【結婚するなら顔か?金か?】
【 結婚するなら顔か?金か? 】
作 羽鳥愛美
【 人物設定 】
速川:速川大弥
フリーター、特にやりたいこともない。時々気になる性格が見え隠れする。
共通の知り合いの紹介でえびちゃんと出会う。
土屋:ミカボ土屋
商社勤め、まあまあいいポジションについている。適度な人付き合いが出来ている。
共通の知り合いの紹介でえびちゃんと出会う
えびちゃん:マリーマリーえびちゃん
最近知り合った2人の男性、どちらかと付き合って先々は結婚を考えている。
2人ともいいところもあるけど何か気になることがあって迷っている
【 本編 】
●えびちゃん、センターに立つ。
えび「(語り)
人生における選択っていろいろある。どちらを選ぶのも正解でも不正解でもない。だってどうなるかなんて、誰もわからない。私は今ある選択に迫られている。ある2人の男どっちがいいだろう…?
●えびちゃん待ち合わせで待っている感じ、速川君遅れてくる
速川「えびちゃーん」
えび「速川君!」
速川「ごめん、待った?」
えび「ちょっとね…」
速川「ごめんよー…仕事終わるの遅くなっちゃって、待たせて!」
えび「お疲れ―」
速川「今日も新しい現場だったから、疲れた…」
えび「あれ?また新しいところ?」
速川「うん。前の現場、社員とソリがあわなくて辞めちゃって。
また登録の派遣のバイトをその日入れるやつ入ってやってるかな。」
えび「そっか、そっか…」
速川「今日ご飯、どこ行こうか?」
えび「えー?決めて」
速川「えー?決められないよ」
えび「じゃあ、どこでもいい」
速川「どこでもいいって、一番困る…」
えび「えー」
速川「じゃあ、いつものところいこう。それでいい?」
えび「わかった」
L:センターサスのみ
●えびちゃん、またセンターに戻る
●速川君、ファミレスの椅子に座る
えび「(語り)この人は、速川くん。共通の知り合いの紹介で出会った。
フリーターであまりお金は持っていないけど顔はいい。めっちゃタイプ!!なんか可愛い弟みたいな存在で、一緒にいて楽しい。でもなーって思うこともある。よかれとは思っているんだろうけど、時々それ気になる時がある」
●えびちゃん、イスに移動
●2人はファミレスで食事している
速川「やっぱファミレスいいよねー、なんでも網羅してる。」
えび「そうだね」
速川「ドリンクバーとか最高だよ、暖かいのも冷たいのも好きなだけ飲めるんだから。」
えび「そうだね」
速川「何か持ってこようか?」
えび「大丈夫、ありがとう。」
速川「自分でみて選びたいってのもあるもんね」
えび「そう、だね」
えび「速川君、ファミレス以外のご飯屋さんだと、どこに行く?」
速川「あんまり、他のところは行かないかな…」
えび「なんか最近気になるお店とかないの?」
速川「うーん…ないかな。えびちゃんと一緒だったらなんでもいい!」
えび「あ、ありがとう。そっか、そっか…」
速川「あのさ、えびちゃん」
えび「ん?なに?」
速川「今日って出会って何日だっけ?」
えび「え?覚えてないよ」
速川「今日、出会ってちょうど200日なんだよ」
えび「へえーそうなんだ」
速川「え?興味ない?ちょうど200日なんだよ!」
えび「そうだね、ちょうど記念すべき200日なんだね」
速川「だから、今日は、2人でサーロインステーキ食べてお祝いしよう!
ファミレスで一番高い、サーロインステーキだよ!200?300g?いやー贅沢だよねー」
えび「そうだねー」
●えびちゃん、センターに戻る
えび「(語り)こういう感じが速川君。
なんか本当に可愛らしい、だけどやっぱり物足りないなと思うところもある。ファミレスでテンション上がる感じ、とっても可愛らしい。
だけど、友達なんだよなー感覚が…。
友達だったら楽しいけど、どうなんだろう」
●土屋さん、待ち合わせ場所で待っている感じ
えび「(語り)もう1人、最近出合った人がいる。」
えび「(語り)土屋さん。
私より少し年上、落ち着きもあっていつも待ち合わせの時間より先について待ってくれている。どこか忘れたけど、けっこう有名な商社って言われるいいところに務めているらしい。いつもリードしてくれて知らないところに連れて行ってくれる。」
L:上手側明転
●土屋さん、少し早く来てえびちゃんを待っている。えびちゃん遅れてくる
えび「ごめんなさい、お待たせしました。」
土屋「いや全然、ちょっと前にきたばかりですから」
えび「でも結構遅れちゃいましたよ?」
土屋「大丈夫です。予約の時間には全然間に合いますし。
じゃあ行きましょうか」
●レストランに入る2人、少し高そうな雰囲気のお店。
2人着席する
えび「高そうなお店ですね」
土屋「そんなことないですよ。
取引先の人が、ここの料理美味しいって紹介してくれて。」
えび「へえ。」
土屋「何か食べたい物とかありますか?今日の気分とかあれば。」
えび「ううん、とくにないです。」
土屋「わかりました、じゃあ適当に決めちゃいますね」
えび「土屋さんってどういう仕事してるんでしたっけ?」
土屋「そうですね…
簡単に言うと、会社と会社を仲介する仕事、ですかね」
えび「へえ、そうなんですね」
土屋「いつの時代も間を取り持つ人ってけっこう重宝されるんですよ、出過ぎず引きすぎずそういう感じの仕事ですかね。性格的にもあってる感じがしますし」
えび「なるほど…」
土屋「この話、何度もしてますよ?」
えび「すいません、何回聞いても覚えられなくて」
土屋「無理に話を繋ごうとしてません?そんなに気を使わないでください。あと敬語っぽいのもやめてください。距離を感じますので」
えび「すいません…」
●えびちゃんセンターに戻る
えび「(語り)こういう感じが土屋さん。
私が知らないところに連れて行ったりリードしてくれたりしするのは楽しい。楽しいけどなんか素の自分を出せずにいる。
見透かされていそうで怖い感じ?というか…
かしこまった自分でしか釣り合わないような気がして気を使ってしまう…」
えび「(語り)だから2人に全く同じ質問をしてみた。
2人がどういうか聞いて反応をみてみたい、と思う」
●えびちゃん、速川君の方向いて
えび「私のいいところって何?」
速川「一緒にいて落ち着く」
えび「嬉しい、ありがとう」
●えびちゃん、土屋さんの方向いて
えび「私のいいところって何ですか?」
土屋「笑顔がかわいい」
えび「ありがとうございます」
●速川さん、土屋さん、お互いの言ったことは聞こえてない感じ
●「えびちゃんのいいところ」交互に言う
(例)やさしい、相手を思いやる気持ちを持っている、
今日の服装にあってる、金髪が誰よりも似合ってる、この世に存在しているだけでいい!、意外と優しそうにみえて など。
(例)
えび「私のいいところって何?」
速川「んー、なんでも買ってくれる」
えび「えー、私頑張るー。働くよー」
えび「私のいいところって何?」
速川「僕のこと好きでいてくれるところ」
えび「もうずっと好きでいるー」
(例)
えび「私のいいところって何ですか?」
土屋「今着ている服が世界一似合う」
えび「これ、仕事着なんですけどね」
えび「私のいいところって何ですか?」
土屋「とにかくかわいい」
えび「もういっちょ!」
土屋「かわいらしい」
えび「もっと!!」
土屋「……」
えび「何も言えないところもいい」
●ある程度いいつくしたら
えび「もうない?いいところは出し尽くしてもうないね?
じゃあ逆に、こういうところ嫌だなって思うことは?」
●2人同時に話す
速川「ない!だってすべてが好きだもん」
土屋「ない!だってすべてが好きなんですから」
えび「(語り)だから迷う。この2人、付き合うなら…。
でももう年齢的に結婚も考えちゃうからどっちがいいんだろうか。
顔がタイプ・でもちょっ
と見え隠れする性格が気になる【速川くん】か。
ある程度お金がある・でも気を使って本当の自分がいまだに出せない【土屋さん】か。
どっちがいいかな…?」
【 選択パート 】
●お客さんのスマホを使ってどちらがいいか選択してもらう
A 「速川くん(顔がタイプ、見え隠れする性格が気になる)」
B 「土屋さん(お金がある、でも気を使って本当の自分が出せない)」
【 A 速川君(顔がタイプ、見え隠れする性格が気になる) 】選択の場合
えび「(語り)速川君。
今後一緒に暮らす時に、気を使うのはなんか息苦しいし、
お金なんて私が稼げばいい、どうにかなる!」
えび「(語り)
あれから速川君は職を点々とはしたけど、なんやかんや一緒に生活してる。たしかにお金は少ないけど、私は面倒を見る方が好きなのかもしれない。
頼られるのが好きなのかもしれない…だからいいかなと思っていた…」
●速川君、仕事終わり家に帰宅してくる
速川「ただいまー。また仕事、辞めちゃった…」
えび「え?また??今月入って何回目?」
速川「…ごめん、すぐ探す。ごめんごめん!本当にごめん!
僕のこと嫌いにならないで?」
えび「わかったよ…私仕事行くから。掃除とゴミ出しよろしくね…」
速川「ありがとう、ごめんね。(笑顔で)いってらっしゃい」
●えびちゃん、家から出る。仕事に向かう
速川「ふー。」
速川「まだいけるか…まだまだ、僕の為に、頑張ってもらおーっと(めっちゃ笑顔)」
【 Aパート完 】
【 B土屋さん(お金がある、でも気を使って本当の自分が出せない) 】選択の場合
えび「土屋さん。
だってお金大事だもん、性格なんてまだこれからだし。
私が気を使うのを辞めたらいい、ただそれだけだ。お金があればだって…」
えび「(語り)
それから、2年ぐらい付き合って土屋さんと結婚した。
今までの自分の生活とは違う、親戚付き合いとか、会社の方との接待とか全然知らない人との付き合いとかいろいろあって面倒だなって思った。でもそんなことどうでもよかった。時さえくれば、と乗り切った…
そんなある日、海外支部の責任者に選ばれ海外移住が決まった。
これこそ望んでいた。やっとできる、ずっと待ち望んだ、やっとだった。だから私は今…」
●土屋、舞台上出ず話す。部屋の奥でえびちゃんに話しかけている
土屋「(袖から)
えびちゃーん?そろそろ移動だから。早くこっちに来て」
えび「ごめん、荷物多くなっちゃって。持つのちょっと手伝ってもらえるー?」
土屋「(袖から)しょうがないな、今行くー」
●上手から速川(土屋の上着着用)、登場(しゃべらない)
出てきて荷物をもってあげようとする、動き止まったら(顔だけ正面向いて)
えび「お金があれば、顔なんて好きなように変えちゃえばいいんだから。
金さえあれば、そんな理想、好きに叶えられる。あの大好きな顔のように…。ねーー?(不敵な笑み浮かべて…)」
●2人見合って微笑む