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聖地巡礼

6月最後の日曜日、西へ向かう。

長距離移動となれば、駅弁にビールが定番

博多駅から地下鉄に乗って、別府(「べっぷ」ではなく「べふ」と読む)駅で下車。そして、徒歩数分で向かった先には…、スチールバイクの聖地、原田製作所がある。

清潔感がある入口。原田さんご夫妻のセンスのよさが窺える
入り口付近に飾られていた見本車。エロイカ仕様のものから、最新の仕様まで様々
整然としたアトリエ。ここから数多の傑作フレームが生まれた
原田さんご夫妻は大の愛猫家。この日も、二頭の猫たちが出迎えてくれたが、あいにく写真を撮ろうとすると、奥へ引っ込んでしまう。当方が犬派であることを警戒された?

呼び鈴を鳴らすと、原田さんと奥様が出迎えられた。
何と24年ぶりの再会。
まずは、長年不義理にしていたことを謝罪した。
2000年以降、アルミやカーボンに乗っていたので、不本意ながら疎遠になってしまった。
しかしながら、アルミやカーボンは、スチールフレームよりも賞味期限がはるかに短い。ピナレロのパリは、金属疲労でシートスティとブリッジとの溶接部分に亀裂が入ったし、後継のピナレロのプリンスは、12年前に松姫峠(標高1250m)を越えて下った後の登り返しでダンシングしたら、ボトムブラケット付近で「バキン!」という大きな音がして使い物にならなくなった。
その後、フォンドリエストのカーボンに乗ったが、これもそろそろ寿命が近そうな感じがする。

その点、スチールの自転車は、長く乗っても材質の劣化が少ないから、愛着のある車体を長期間維持できるのがいい。

日本には、スチールフレームを製作される優秀なビルダーが存在するが、原田氏はその筆頭といえるだろう。

ローラー台での乗車の様子と、初号機のジオメトリを参考に参号機の仕様を決定していく。
左にある部材は、製作途中のディスクブレーキ車のスティ。
「最近は部品の変遷が目まぐるしくてかなわない」とのこと。
真鍮ろうではなく銀ろうを使っていることが分かる

一時間半ほど、参号機の仕様についてご相談したが、エロイカジャパンのロングコースは、傾斜が非常識なほど強いので、ハンドルの高さは初号機よりも高くすることが望ましいということになった。
具体的には、フォークコラムを通常よりも長くして、ヘッド小物に厚さ18mmのスペーサーを入れるというもの。
東京目黒の自転車文化センターが収蔵しているイノーの自転車のようになるわけだ。
こうすれば、-26%なんていう正気の沙汰とは思えない急勾配にも対応できるようになる。

参号機の仕様について色々とご相談した後、慌ただしく帰路につく。
なんせ、拙宅には二頭の犬たちが待っている。
本当は、福岡の街を散策したり、おいしいものを食べてのんびりしたかったが、それはお預け。
原田さんご夫妻にご迷惑でないようなら、来年のエロイカジャパンの戦果報告として、お邪魔できれば幸いなのだが…。
その前に、来年、もっと良いタイムで完走できるように、トレーニングを頑張ろう。
結局は、これだな。


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