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拙文ながら、「機甲界ガリアン」を全話視聴しての感想


新年あけましておめでとうございます。
昨年は全く記事を書けなかったので、今年は自分のこの怠惰っぷりを改善する年にしたいです。

という訳で、一昨日やっと観終えた『機甲界ガリアン』の感想に移ります。
最初に感想を述べておくと、超良かったです。
世界観にロボにストーリーと、要素要素が手堅く固められ、そして纏められていた素晴らしい作品でした。

拙い文章にはなりますが、本作への熱が冷めない今のうちに感想を書いていこうと思います。


ざっくりした作品概要

機動戦士ガンダム』で知られる日本サンライズ(現∶バンダイナムコフィルムワークス)が1984年に制作したロボットアニメ。
惑星アーストの征服を企む男”マーダル”率いる軍に父を討たれ、そして母を捕らえられたボーダー王国の王子"ジョルディ・ボーダー”(本編ではよく”ジョジョ”と呼ばれています)が偶然発見した伝説の鉄巨人”ガリアン”を駆り、旅先で訪れた”白い谷”の人々とともにマーダル軍に立ち向かう……という内容です。

前年にサンライズが制作した『聖戦士ダンバイン』と同様に、当時のアニメではあまりメジャーでなかった中世ファンタジーの要素を導入。
スタッフには監督に『装甲騎兵ボトムズ』を手掛けた高橋良輔氏、メカデザインに『ガンダム』の大河原邦男氏、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの出渕裕氏を起用。
後述する”ガリアンソード”など、後の作品に影響を与える要素も編み出されます。

TV版は全25話(2クール)と、今でこそ普通ですが全50話(4クール)が定番だった当時としては短めの話数。
それでも好評だったのか、総集編OVAや、TV版の世界観・デザインをアレンジした完全オリジナルストーリーのOVA『鉄の紋章』が制作されました。

少し長くなりましたが、ここから感想に移ろうと思います。

『ガリアン』のここが好き

大筋のファンタジー要素にSF要素を混ぜた、独特の世界観とストーリー

本作の第一話「伝説の始まり」の導入部をざっくりまとめると
「惑星アーストに位置する、3000年の歴史を持つボーダー王国が世継ぎのジョルディ王子の誕生に沸く中、敵が攻めてくる」という、いかにも中世ファンタジーらしい内容。

しかし、攻めてくる敵は等身大の兵だけでなく、四つの足を持った巨大な量産型”機甲兵”(本作でのロボ全般を指す名称)である人馬兵(プロマキス)。
その上、武装の一つとして腹部からビームを出します。

プロマキスのケンタウロス的なデザインに惹かれて視聴時は気付きませんでしたが、今考えると異様な光景です。機甲兵を持っているのは敵のマーダル軍だけで、ボーダー王国の兵士は生身で戦っていますし。

これは第一話に限った事でなくて、序盤の十数話は敵勢力のマーダル軍を除いた惑星アーストの人々は機甲兵はおろか、銃火器といった兵器類を持っていないし、どういった物なのかも具体的に認知していないんですよね。
それ故に、人々の機甲兵への攻撃手段が投石だったり、主人公ジョジョの駆る主役機の機甲兵・ガリアンが、敵の機甲兵に有利に戦える戦力として活躍したり。
(後半からはマーダル軍から離反した”ドン・スラーゼン”率いる勢力が加わったり、白い谷の地下から兵器が発掘された事で状況は変化します)

先述の『ダンバイン』は同じく中世ファンタジーをモチーフとしつつも、オーラバトラーの存在はバイストン・ウェルの人々に浸透しきっていましたし、
他の作品でも「登場人物が当たり前にロボットを認知している」という世界観なのが大半だったので、そのパターンを取り入れず、ロボットを「異物」として扱った世界観は個人的にとても斬新でした。
(描写はあっさりしてますが)投石で機甲兵と戦うシチュエーションも、本作にしかない面白さだと思います。

この「異物」、地下から発掘される機甲兵などの兵器類はいつ何の目的で造られたのか?
マーダル軍はどうやってこれを知り、手に入れたのか?
これらの謎が話が進むにつれて明かされていき、今後の展開で伏線として活きてくるのも良かったです。
(どう活きてくるのかは、ネタバレになるので伏せますが…)

刮目せざるを得なかった、機甲兵同士の戦闘!そしてガリアンソード!


次は個人的に一番語りたかった、各話で繰り広げられるメカ戦と本作の大発明”ガリアンソード”です。

第二〜三話でのガリアンの初陣は特に痺れました。
BGM「勇戦ガリアン」をバックに地中から現れるやいなや、
数体のプロマキスが鈍重に動く中、たった一機、高速のローラーダッシュで地上を駆け回り、プロマキス達を剣の重い一閃で次々に斬り倒す!

「「伝説の鉄巨人」の名に恥じない暴れっぷりだな!」と変な声出して観ていたのですが、それだけでなく。
そのガリアンが使う剣、
ガリアンソード
も個人的に大きなショックでした。

もう何万回も語り草になっているのを承知の上で、語らせていただくと……

このガリアンソード、見た目こそ何の変哲もない一本の剣ですが、
刃の部分が鎖のように分割され、鞭に変形する」という面白いギミックがあるんです。
本編でも幾度か使用されていて、異常な格好良さを感じました。

(何故か僕の環境では画像が貼れないので、どのような見た目かは上の記事を参照してくださると幸いです)

しかもこのギミック、Wikipediaで調べた限りだとガリアンソードが初出だそうです。

『ガリアン』以降に出てきた作品でもこのギミックは取り入れられており、
(例を挙げると『ファイヤーエムブレム 花鳥風月』の主人公”ベレト/ベレス”が使う”天帝の剣”や、『Fate/Grand Order』に登場するキャラ”アストルフォ”の使う”僥倖の拘引網”など)
ギミック自体に”蛇腹剣”という名称も付いてたりと、
後世にかなりの影響を与えている様子。

”パイルバンカー”の初出である『ボトムズ』もそうなんですが、高橋良輔氏が監督した作品の幾つかは、今でもフォロワーの多い要素の先駆けになっているんですよね。
いやホント、発想の凄さにはただただ脱帽するばかりです。

他にもマーダルの親衛隊隊長”ハイ・シャルタット”らが乗る”ウィンガル・ジー”、マーダル軍の兵士ながら後にジョジョ達の仲間となる”ランベル”が乗る”ザウエル”、マーダルから離反し白い谷に加わった”ドン・スラーゼン”が乗る”スカーツ”など、個性豊かな機甲兵が続々登場。
序盤こそ少なかったガリアンの出番も、これに合わせて徐々に多くなっていくのが嬉しかったです。
第十話「火を吹く重装改」では”ガリアン重装改”(アサルトガリアン)へと強化され、連装砲といった新しい武装によって戦闘シーンもパワーアップしましたし。

中世の騎士をイメージにしたであろう機甲兵達が繰り広げる戦闘も、視聴する上での楽しみでした。

最後に


好きな部分を十分に語りきったとは言えないですが、今回はここで一区切り。

話数が短く観やすそうであった事やガリアンのデザイン、女性キャラ”ヒルムカ”のルックスに興味を持って手を出した本作ですが、
いざ視聴してみると世界観やロボ戦は勿論、ラスボスであるマーダルの壮大な野望、数々の試練を潜り抜けて成長していくジョジョ達と、想像以上にストーリーが面白く、毎話毎話唸らされました。

この記事を読んで興味を持ってくださった方、第一話はサンライズチャンネルにて無料公開されてますので、ぜひご視聴を!
OP・EDともに名曲ですから、これらだけでも触れてみてください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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