【短編恋愛小説#50】タバコに消えた恋
「もう会えないと思う」
LINEの画面を見つめたまま、私は無意識のうちにタバコを取り出していた。
3ヶ月前、彼は私のタバコを取り上げた。「君の咳、酷くなってる」「一緒にいる時間が長くなったから、気になって」。心配そうな彼の顔が、今でも目に浮かぶ。
毎日のように言われた。「30歳過ぎたら、体に気を使わないと」「将来のことを考えて」「僕と一緒にいたいなら、禁煙して」。
その度に私は「考えとく」と濁していた。
タバコは、私の人生の伴侶だった。仕事で失敗した夜、締め切りに追