なぜ、コーチのコーチの活動を始めようと思ったのか?vol.80
ジュニアスポーツでの指導者と選手の距離について、弊害とは何か?
ジュニアの指導者は、育成と人間形成を担っていると思っています。
若いコーチほど距離が近くなり、ある程度年齢が離れていると距離は離れますが、程良い距離感、難しいとは思いますが、いわゆる“けじめ”です。
よく見かけるのは、若いコーチがまるで友だちのように接している場面です。
最初は、子どもたちも遠慮などがあるので、子どもと大人との間合いですが、慣れてくると距離が一気に縮まり、友だちのようになってしまう場合があります。
そこで、何が起きるのかというと、制御が効かない場面が出てしまうことがあります。
例えば、練習中に誰かがふざけ出すと、周りに伝染します。それを何とか抑えてやろうとしても、雰囲気が変わらなかったり。選手からあだ名をつけられて、どんな場面でもあだ名で呼ばれてしまうなどがあります。
それを見ている保護者の方はどうかというと、ほほえましいと観ている方と、頼りないと観ている方がいるということを若いコーチには頭に入れておいて欲しいと思います。
年齢が離れている場合は、選手の目線になれるかどうか?ここがポイントになると思います。
若いコーチとは違って、子どもとの距離感が遠いままだと、それはそれで、響かないですし、学校に行って先生と接している状況と同じだったり、言うこと聞かないと叱られるかもしれないという、子どもが一歩下がってしまうことにつながります。
これはこれで、保護者の方は、しっかり指導してくれるという目と、もう少し子どもに寄り添って欲しいと感じたりすることがあります。
この場合は、子どもと一緒に遊べる(ふざけることでは無く一緒に鬼ごっこなどが出来る)か?というところが必要になると思います。
そして、一番やってはいけない距離は、指導者が個人的にマイブームを作ってしまうことかもしれません。
子どもは、コーチに目をかけてもらえれば嬉しいですが、実はそれが、天狗になってしまう原因にもなります。
「俺は上手いから」という思いから、やりたいことしかやらない、他の指導者の言うことは聞きたくないという選手が育つ可能性があります。
これは、指導者だけでは無く保護者の方にも多少なりとも原因はあります。
記事で以前読んだ記憶があるのですが、青山学院大学の原監督が高校で優秀な選手がいた。選手としては1流でも、性格等に難があるといわれていたけど、推薦で取った。ところが、その選手がきっかけとなりチームが規律を失い崩壊してしまった。というような内容でした。
キリトリなのでニュアンスが変わってしまっているかもしれないので、記事を検索してみてください。
そんな選手を育成年代で、育てる必要は無いと思います。
育成年代の接し方ひとつで、子どもたちの将来も変わってしまうと思います。
選手としても人としてもしっかりと育成することで、人間形成ができたころには、自ずとその選手の周りの世界が変わってきます。
良い人間を育てることができれば、本当に必要な人材としてまた選手として誰からも求められるようになると思います。
今一度、接し方を考えていきたいですね。