進藤 樹

『竜宮城からの招待状(パスポート)』創作大賞2024挑戦中です。ぜひご一読ください。

進藤 樹

『竜宮城からの招待状(パスポート)』創作大賞2024挑戦中です。ぜひご一読ください。

マガジン

  • とらねこ村<トランスミッション>

    • 145,894本

    とらねこが運営する共同マガジン。グループ合計で参加者1,200名を超えました。フォロワ数2000名以上、130,000記事以上が収録されています。🌱コンテンツを広めたい方の参加をお待ちしています。🌱マナー:①連続投稿はしない②社会一般的に不適切な記事は投稿しない③トップ画面は変えない。参加希望の方は,マガジンの固定記事からコメントしてね(ง •̀ω•́)ง

  • トランスミッションⅡ

    • 24,344本

    トランスミッションⅠのミラーマガジンです。脆弱性が報告されたため設置しています。🌱参加者100名、フォロワ数150名、3000記事以上が収録されています。🌱コンテンツを広めたい方の参加、お待ちしています。🌱マナー:①連続投稿はしない②社会一般的に不適切な記事は投稿しない③トップ画面は変えない。参加希望の方は,マガジンの固定記事からコメントしてね(ง •̀ω•́)ง

  • 【みんなで創る】クロサキナオの運営マガジン

    • 75,421本

    このマガジンは「楽しく、続ける」を趣旨として発信してます。まだnoteに慣れてない人は知り合いづくりと記事の共有を兼ねてぜひご参加してみてはいかがでしょう🌹 ※原則1日投稿記事は2本までとしました。ご了承ください。

  • あっとほーむ🏠

    • 13,791本

    「家でまったり落ち着いて、家族で団欒しながら会話を楽しむ」というイメージで「あっとほーむ」と名付けました! 「参加者(家族)がお互いに積極的に交流をする」ことを大切にしていますので、ぜひ家族の皆さんの記事へコメントしに行ってください! ※参加希望の方は、固定記事にコメントください!

  • 竜宮城からの招待状(パスポート)本編

    創作大賞2024ファンタジー小説部門に応募した『竜宮城からの挑戦状(パスポート)』本編全17話をまとめているマガジンです。

最近の記事

  • 固定された記事

竜宮城からの招待状(パスポート) 1話 むかしばなしのような出会い

あらすじ  六〇〇年前に浦島太郎が実在した日本。  玉手箱を所有する一族の子孫・浦島慶汰は、姉の海来が植物状態になって落ち込んでいた。  そんなある日、竜宮城から追放されたお転婆王女・アーロドロップと出会う。彼女は追放処分を覆すため、玉手箱を求めていた。  玉手箱には浦島太郎を老化させるほどの異質な力があり、それを応用すれば海来を救えるかもしれない。  それを知った慶汰は、アーロドロップに玉手箱を託そうとするが、その力が暴走し……⁉  玉手箱をコントロールするには、乙姫様が

    • 自分の創作大賞2024応募作を読み直していたら、2話だけタグが『創作大賞』になっていた(2024が足りない)ことに気づいて戦慄! おおおお汗が止まらないですぜぇ旦那ァ!(何キャラだよ) 皆さんもこの夏(というか今晩)ご一緒にご自身の作品を確認しませんか?

      • 【創作大賞2024】応募作品完結報告!【ファンタジー小説部門】

         こんにちは。小説の時は行頭一字空けがルールですが、横書きエッセイでそれをやるとなぜか違和感を覚える進藤樹です(だが空ける)。  創作大賞2024、応募数すごいですよね。  諸先輩方は2作品も3作品も、中にはもっと応募されている方もいらっしゃるようですが、さすがに真似できません。どうやってるんだろう……。  それはともかく、私はこのたび、ファンタジー部門に応募した『竜宮城からの招待状』を完結させることができました! いえーい!  文字数は合計で124,176文字! 頑張った!

        ¥0〜
        割引あり
        • 竜宮城からの招待状(パスポート) 17話 めでたしめでたし

           ある日の竜宮城、王城の書庫にて。 「ねぇモルネア。あたしはどうして机仕事なんてしているのかしら」  アーロドロップはつまらなさそうに、古い文献をペラペラとめくっていた。  人差し指のネイルコアが光って、幼き少年の声が答える。 〈そりゃ、玉手箱なんてとんでもないポテンシャルを秘めたものが実在するってわかったんだ。となれば、他にもそういうものがあってもおかしくない――なら調査しないと。でしょ?〉 「そりゃそうだけど……」  もっとも、浦島太郎がモルネアになったことについて解明し

        • 固定された記事

        竜宮城からの招待状(パスポート) 1話 むかしばなしのような出会い

        • 自分の創作大賞2024応募作を読み直していたら、2話だけタグが『創作大賞』になっていた(2024が足りない)ことに気づいて戦慄! おおおお汗が止まらないですぜぇ旦那ァ!(何キャラだよ) 皆さんもこの夏(というか今晩)ご一緒にご自身の作品を確認しませんか?

        • 【創作大賞2024】応募作品完結報告!【ファンタジー小説部門】

          ¥0〜
        • 竜宮城からの招待状(パスポート) 17話 めでたしめでたし

        マガジン

        • トランスミッションⅡ
          24,344本
        • とらねこ村<トランスミッション>
          145,894本
        • 【みんなで創る】クロサキナオの運営マガジン
          75,421本
        • あっとほーむ🏠
          13,791本
        • 竜宮城からの招待状(パスポート)本編
          17本

        記事

          竜宮城からの招待状(パスポート) 16話 新しいおとぎばなし

           龍迎祭の夜から、これまで手がかりすら掴めず苦戦していたのが嘘のように、玉手箱の確認と改良作業が進んだ。アーロドロップが満足そうに「完成したわよ」と教えてくれたのが、龍迎祭から二日後の夜のこと。  翌日。  慶汰は、〝りゅうぐう〟竣工記念パーティで着てきたスーツ姿に着替えて、アーロドロップと共に竜宮城を後にした。  たった二週間ほどのつきあいだったが、キラティアーズも、ハイドローナも、シードランの面々も……多くの人たちが見送りに来てくれて、慶汰は彼らの姿が見えなくなるまで、玉

          竜宮城からの招待状(パスポート) 16話 新しいおとぎばなし

          竜宮城からの招待状(パスポート) 15話 語り継がれた童話の真相

           いよいよ、花火もクライマックスというところで席を立ったアーロドロップは、早足に慶汰の元を後にした。  細い道を駆ける道中で、シードランの仲間たちと出くわす。四人はそれぞれ気まずそうだったり驚いたりしていたが、構うことなく命令を飛ばした。 「慶汰をお願いッ!」  そう吐き捨てるように言い残して、四人の前からも逃げ出した。後方で「殿下は私がっ」とイリスの声がして、アーロドロップは足を急がせる。  だが、道の先にはもう一人、待ち構えていた。強まる花火が、その人影を浮かび上がらせる

          竜宮城からの招待状(パスポート) 15話 語り継がれた童話の真相

          竜宮城からの招待状(パスポート) 14話 告白

           最後に、キンキンに冷えた瓶のブルーサイダーを買って、地図に示された場所へ移動する。会場の端、雑木林を抜けた先に、切り開かれた空間があって、ぽつんと小さなベンチが設置されていた。  そのエリアの入口を封鎖するように、ジャグランドが腰の後ろに手を回して立っている。何も言わず、道を空けて腰を折るジャグランドに、アーロドロップは「ありがとう」とお礼を告げて進んでいく。その様は、いかにも王女とその従者だ。  慶汰もお礼を告げるが、ジャグランドは同じように上躯を傾けるだけ。沈黙を守った

          竜宮城からの招待状(パスポート) 14話 告白

          竜宮城からの招待状(パスポート) 13話 おとひめさまのアプローチ

           遥か大昔、竜宮城内が長く厳しい寒冷期を迎えたことがある。  気温は常にマイナスで、作物は育たず、霜が家を浸食し、人々は飢えと寒さに凍えながら、誰もが破滅を覚悟していた。  そんな時だ。突如として、竜宮城のあちこちから、熱い蒸気が噴き出した。濃密な龍脈を孕んだその蒸気は、世界中の霜を溶かし、作物を育み、人々を温める。  ――きっと、この惑星の中核に生きる龍神様が、我々のことをお救いくださったのだ――。  人々は救いの龍神様に感謝の意を表するために、その感謝を後世に伝えるために

          竜宮城からの招待状(パスポート) 13話 おとひめさまのアプローチ

          竜宮城からの招待状(パスポート) 12話 龍迎祭のジンクス

           アーロドロップを龍迎祭に誘ってから、五日が経った頃。  慶汰は書庫に足を運んでいた。読書スペースの一角を借りて、いくつか資料を積んでいる。  慶汰の選んだ資料は、いずれも紙束の長辺に二つ穴を開けて綴じ紐を通したものばかり。  竜宮城の文字はほとんど読めないが、今慶汰が闘っているのは、数字とグラフの資料であり、書いてある文字や数字くらいならなんとか読めるようになってきた。 「ええっと、この曲線が、竜宮城から見た外界の時間の速度の変化を表しているわけだから……」  手元のノート

          竜宮城からの招待状(パスポート) 12話 龍迎祭のジンクス

          竜宮城からの招待状(パスポート) 11話 老化現象解明の手かがり

           薬事院の外に、アーロドロップが背中を向けて立っていた。暗い夜の中、オレンジ色の外灯と、建物の窓からこぼれる照明が、二人を照らす。 「アロップ! 無事だったか!」  慶汰が声をかけると、アーロドロップは大きくびくりと背筋を伸ばす。落ち着きなく振り袖が揺れたが、振り向くわけではなく、そのまま両手で顔を覆った。 「泣いてるのか……?」  不思議に思いながらも左から回り込む。すると、さっと身体ごと捻って背中を向けられた。  両手で顔が隠れて表情こそ見えなかったが、ちらりと見えたアー

          竜宮城からの招待状(パスポート) 11話 老化現象解明の手かがり

          竜宮城からの招待状(パスポート) 10話 慶汰の覚悟とモルネア争奪戦

           キラティアーズと、アーロドロップのサプライズバースデーの計画を練ったのが、もう三日前になる。さすがに忙しいのだろう、称号の返還式以来、アーロドロップと顔を合わせることはできていない。  地上との時間差は、竜宮城の方が速いまま、一日ごとに差が少しずつ縮まっている。  一昨日は竜宮城で一日過ごしても地上では十時間も経過していない計算だったが、昨日は竜宮城の一日が地上での十時間半程度になった。  つまり、こちらで二日過ごしても、まだ地上は一日を終えていないということだ。ただし、そ

          竜宮城からの招待状(パスポート) 10話 慶汰の覚悟とモルネア争奪戦

          竜宮城からの招待状(パスポート) 9話 称号・発明王女返還式

           キラティアーズと自己紹介を交わした翌日。  さっそく、アーロドロップの帰還を受けて、剥奪された称号の返還式が執り行われることになった。  式典行事ということで、慶汰は寝間着の浴衣から、紺色の着物に着替えている。蛇や龍の鱗のような模様が、かっこよくあしらわれているデザインだ。  高級そうな深い青の絨毯と、堅牢かつ芸術的な鉄の壁。ゆったりと五段高くなった先に豪華な玉座があり、そこにアーロドロップの母親が堂々と座っていた。玉座の左には、磨かれた台座の上に、白銀に輝く王杯が、威厳を

          竜宮城からの招待状(パスポート) 9話 称号・発明王女返還式

          竜宮城からの招待状(パスポート) 8話 いざりゅうぐうじょうへ!

           辺り一面、大海原。  空には白い雲が浮かび、じりじりと朝日が上昇している。  少々シュールな絵面だが、慶汰は今、玉手箱を抱えた格好で、海面を撫でるように飛んでいた。目に見えない龍脈の薄い膜が慶汰を包み、服も肌も髪も、まったく濡れずに海水を弾いている。  いつだったか高速道路を走っていた時、助手席の窓ガラスに顔を貼りつけ、路面を見下ろした感覚――それよりも速く、海面が視界を過ぎ去っていく。  海上保安庁の神保曰く、来る時のアーロドロップは六〇ノットの速度が出ていたそうだが、そ

          竜宮城からの招待状(パスポート) 8話 いざりゅうぐうじょうへ!

          のつ! Dアニでしかのこのこのこのこしたんたん観てたら、新型鹿インフルエンサーに罹ったので呟くしかなくなった。 しかしそろそろ作業の時間なのに、さっきから脳がおかしなことしか考えられない……鹿! し! か! ぬん。さっきから鹿のことばかり……これは頑張るしかない。

          のつ! Dアニでしかのこのこのこのこしたんたん観てたら、新型鹿インフルエンサーに罹ったので呟くしかなくなった。 しかしそろそろ作業の時間なのに、さっきから脳がおかしなことしか考えられない……鹿! し! か! ぬん。さっきから鹿のことばかり……これは頑張るしかない。

          竜宮城からの招待状(パスポート) 7話 地上最後のパーティー

           翌朝、慶汰はアーロドロップと共に、海来の病室を訪れていた。  ベッドに横たわる姉は今日も、相変わらず生気を失ったように眠っている。心電図モニターが、無機質な音を虚しいリズムで淡々と鳴らしているだけ。  二人分のパイプ椅子を並べた慶汰は、今にも崩れてしまいそうな海来の手を布団から少しだけ出した。 「姉さん。いよいよ、〝りゅうぐう〟竣工記念パーティーの日が来たよ。それで……急なんだけど、俺、明日からしばらく来れなくなるかもしれないんだ」  瞼はぴくりとも動かない。 「我が家の倉

          竜宮城からの招待状(パスポート) 7話 地上最後のパーティー

          竜宮城からの招待状(パスポート) 6話 タイムスリップの仕組み

           アーロドロップが泣き止んだ後、慶汰は彼女を自宅に上げた。五センチは歯があった下駄からスリッパに履き替えたので、慶汰の肩の高さに彼女のつむじがくるほどの身長差になる。下駄は慶汰の部屋に隠すことにした。  キッチンで紙パックのジュースを二人分注いで、ダイニングテーブルに座る。すると、アーロドロップがぽつりと呟いた。 「モルネア……」 「あの玉手箱、龍脈を蓄えて龍脈術を使えるって仕組みは、乙姫羽衣と同じなんだろ? だったら、今までアロップのネイルコアにいたように、今もモルネアは玉

          竜宮城からの招待状(パスポート) 6話 タイムスリップの仕組み