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第2回 私の東大受験(現役編)

こんにちは、普通の理系大学生です。今回から、私の大学受験について書いていきます。長いので今回は現役までの振り返りとします。また、受験勉強の過程の振り返りなので、それ以外の中高時代の思い出は割愛しています。

東大を目指した理由

「なんとなく」である。子供の頃から、特に得意なものがなく、運動は大の苦手で、勉強も大して得意だったわけではなかった。友人も多くはなく、あまり中高時代を楽しめていない中、せめて大学受験では一番良いところに合格しようという意識が根底にあったのかもしれない。実際に勉強していって成長を実感するうちに、合格が現実的に見えてくると、東大への憧れはますます強まった。それゆえいつしか浪人してでも入りたいと思うようになったのだろう。日本で一番の大学に入れれば自分が会ったことのない優れた人たちに出会えるのではないか、自分の知らない世界が広がっているのではないかという未来への期待があったのだろう。

高1(2019.4〜2020.3)

私は中高一貫の学校に通っていた。部活は音楽が好きだったからとりあえず吹奏楽部に入った。中学時代は特に何も考えず、なんとなく定期テストの勉強だけ頑張っていた。中高一貫の中学時代ということもあり、周りが勉強しないので、頑張るとすぐに校内順位が上がった。だから部活動よりも勉強に注力した。つまらない人間と思われるかもしれないが、勉強だって青春だと私は思う。その流れで高1に進級し、ある数学の先生に出会った。その先生には高校の3年間、数学を教わることになるのであった。

私は帰国子女だったため、英語が得意だった。一方で数学は苦手という意識があった。それでも理系に進みたい気持ちがあったため、なんとかして数学を得意にしたいと考えていた。高1になると数学の授業のレベルが上がり(数2Bの範囲に入った)、数学のテストの点数は下がってしまった。問題集を何周もして解法を丸暗記するという、それまでの私の勉強法が通用しなくなった。私はその先生(以下、あの先生という)に何度も質問に行った。気付いたら授業後毎回行っていた。別に周囲に馬鹿と思われても構わなかった。あの先生はどんな質問にも真摯に答えてくれた。それがまた勉強のモチベーションになった。

またこの時同じクラスだった、数学が本当に出来る人(以下、彼という)にも出会った。彼にも沢山質問した。

高2(2020.4〜2021.3)

文理が分かれ、ここからはクラス移動がない。担任はあの先生になった。ちなみに彼も同じクラスになった。この時期から数学の成績が上がり始めた。そして本格的に受験勉強を始め、勉強すればするほど模試での成績は上がり続け、河合塾の高2の記述模試で数学で満点をとることもあった。いつしか数学が得意と思うようになっていた。校内順位が彼よりも上になることもあった。もちろん、本当の学力自体は彼の方が高かったに違いないが。この時期は楽しかった。

高3(2021.4〜2022.3)

高2までは英語、数学、国語ばかり勉強して、それなりに成果が出ていたが、物理と化学で躓いてしまった。ただ英語は高い点数が取れたため、東大模試では夏も秋も総合評価が「A判定」や「B判定」となった。英語で高得点が取れることに甘え、いつしか理科の対策が疎かになっていた。自分でも気付いていたはずなのに。そして数学も秋からスランプで成績が下がってしまった。夏までは順調だったということがかえって、くだらぬプライドの原因となり、学習法の見直しなどができなかった。また共通テストの数学も苦手で、毎回の模試で数1Aでひどい結果を出すも、2次試験の勉強ができているから直前に形式慣れすれば大丈夫という先生の言葉を鵜呑みにし、現実から目を背け続けた。当然共テ模試やパックの点数は上がらず、共通テストの2週間前ほどから、メンタルは崩壊していた。結果、共通テストでは大失敗。ただ東大以外考えていなかったので、理一に出願するも、2次試験でも大失敗。難しかった、実力を発揮できなかった、運が悪かったなどと言い訳を並べても、実に虚しかった。3年間の努力をこんなにもあっさりと無駄にした自分が許せなかった。受験では本番の結果以外意味をなさないという、それまで無視し続けていた事実を見せつけられた。

そして2022年3月10日、普通に考えたら確実に不合格だし、自分でも本当は分かっていたが、それでも微かな希望を抱いてしまうのが人間なのかもしれない。学校から帰った昼に、自分の部屋で合格者の受験番号一覧を見ると、自分の番号が無いことが一瞬で分かった。親、担任、塾の先生にも不合格の一報を入れた。泣くわけでもなく、絶望するわけでもなく、ただ寝ていた。ただ気が重く、心が空っぽになった感じで、自分は負けた、同世代に置いて行かれたとだけ悟った。ちなみに彼は合格。自分の不合格はもちろんだが、自分が受かると信じていた周囲が落ち込むことも精神的にきつかった。特に、発表直後に合否を聞いてきた友人に「落ちました!」とLINEした時は本当にしんどかった。この日から3月末くらいまで浪人か併願大学(慶應、早稲田)へ進学かと悩みまくり、予備校の説明会に行くも、もう受験から解放されたいと、早稲田理工への進学を決めた。自分はやり切った、進学後に後悔しても仮面浪人という最終手段があると自分に言い聞かせて。

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