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映画レビュー「浪人街」(1990)

ずっと観たいと思っていた映画の1つだが、たまたま東京芸術センター2階シネマブルースタジオで上映していた。

①キャスト
②ストーリー
③結論

①キャスト
原田芳雄
源内。その肉体は女たらしのヒモと腕の立つ武士の両面を表す。まさに浪人街そのものの男。

勝新太郎
赤牛ほど強いはずなのに犬になり、果てる。もっと暴れて欲しかった。ファンには寂しい。

樋口可南子
お新。生まれが良いらしく品がある女郎。もっと狂気があれば良かったが、ただただ美しい。

石橋蓮司
権兵衛。仕事と愛に苦悩を抱える会津出身の侍。主人公を演じられる良い役者だと見直した。

中尾彬
嫌われ者の敵役がこんなに似合う男もいない。憎たらしい。悪事を働きそうで期待を裏切らない。

天本英世
琵琶法師。2シーン目に現れた死神博士。どんな働きをするかと思ったが何もしない。

佐藤慶
嫌らしい。中尾彬と同様にピッタリの配役。何もしていないようだが上手い。

②ストーリー
乞食のような風体で、死んだ侍の刀を奪うオープニングはアナーキーな世界観を1シーンで表現している。夜鷹の連続殺人に巻き込まれる女郎宿。恩人を殺されたお新は仇を打とうとするが敵に囚われる。源内は救出に向かうのか…。

③結論
七人の侍やマカロニウエスタンにも通じる法の秩序の無い世界に起こる理不尽な連続殺人。この世の不条理を全て詰め込んだような物語。

ラストは都合が良すぎる気がしたがまあ良いだろう。原田芳雄と石橋蓮司は対象的なキャラクターだが、どちらもカッコいい。面白かった。

まだ上映中なので行ける方は是非。35mmフィルムです。


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