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私が私で居れるのは/優しさに似たこの街から

配信限定シングル "私が私で居れるのは"
1st Full Album "優しさに似たこの街から"

ここで取り上げるのは、"私が私で居れるのは"と"優しさに似たこの街から"についてです。

まず本題に入る前に、
いまから書くことは、全てただの考察、考察だと少しおこがまし過ぎるかも。ただの想像につきません。音楽は自由で、これを正解だとか、共感を集めたいだとか、そんなことではなく、聴いた本人が受け取ったものが1番だと思います。
なので、今から書くことはSunny Girlを愛している1人の人間の考え方として受け取ってもらえたら幸いです。

それでは、早速。

11/30 release
digital single"私が私で居れるのは"

これは先日リリースされた配信限定シングルのジャケ写です。まず初めに思ったのが、「オレンジ色の空が綺麗」「真ん中の○ってなんだろう」この2つです。
高層ビルが並んでいるからきっと東京とか、都市の写真なのかなー程度に思っていました。
この二つから考えを巡らせようと思います。

2023.11.29 Sunny Girl pre. 「僕らが僕らで居れるのは」、このライブで初めて聴きました。聴いた感想は「なんて切ない曲なんだろう。」優しく、それでいて切ない、そんな曲だと思いました。
「この曲を作るとき、あの時君が好きだったドラマを久しぶりに見返したけど全然面白くなくて、あの時君が好きだったキャラクターの名前ももう思い出せないけど、確かにあの時、キャラクターは可愛かったしドラマも面白かったし好きだった。でも本当は、ドラマが好きだったんじゃなくて、、」(ニュアンスです間違ってたらごめんなさい、、)という言葉で始めた"私が私で居れるのは"
それはもう、苦しくて、切なくて、涙涙でした、、、
そんな"私が私で居れるのは"の歌詞について見ていきます。

イントロなしで始まるこの曲、
私が私で居られるのは、君が僕に似ていると言ってくれたから。
そんな君が居てくれたから、僕は僕で居ることができた。僕は君に救われていた。それなのに、君は僕の前から居なくなってしまった。

「月は周る」、本来なら「回る」の漢字を使う言葉、なぜこの漢字を使ったのか。
周るは、一回りすることを意味しています。季節や1年が過ぎ去っていることを表していると思いました。また、この周るという漢字、他にも読み方があります。
それは「めぐる」です。「木々は巡る」と対比させて用いられているのかな、と思います。
君と出会って時間が過ぎるにつれて、君の好きなものは二人の好きなものになった。ここで抑えておきたいのが、「二人の好きになる」ということ。僕の好きなものになるのではなく、二人の好きになる。
これは先述した連太郎くんのMCにも被ってきます。
君の好きなものを確かに僕は好きだった、でもそれは僕が好きになったのではなくて、君と二人だったから好きだった。好きになれた。好きに慣れていた。
でも、もう君が居ない今、その好きはどこかに行ってしまった。
私を思って泣かないで、そう言って他人を思って泣けるそんな優しい君が、どうか、これからも多くの優しさ、愛に出会えますように。
君から僕への優しさ、僕から君への優しさ、二人は思いあっていた。お互いに。最後まで。

この曲のサビ、冒頭とほぼ変わらないフレーズ、変わることのない思いを表していると思います。
あるとすれば、救う、から守る。
優しい君に救われて、守られていた僕。
僕にとって君は必要不可欠な存在。

「君の指輪が緩むいつかの日」まで、君の指が細くなりあの時ぴったりだった指輪が緩くなってしまうその日。
この指輪が婚約指輪なのかどうかは分からないけれど、君が年老いて、その指が細くなっても、その時まで君の隣に居たいのに、僕の隣に居て欲しいのに。
僕に優しさを与えて、僕を僕で在らせてくれた君に、
まだ僕はなにも返せていないのに。
君は、僕の前から居なくなってしまった。
「まだ何も返せてないのに」から、もう君に対して何も返せない、何も出来ない、君への後悔を伺うことが出来ます。

僕が僕で居れるのは君が僕に似たから、そう僕は思っていた。僕だけが思っていると、そう思っていた。
でも、君も同じだった。君もそう思っていた。
むしろ、君が「私に似たからならいいな」なんて言うから、僕もそう思っていたのかもしれないな。
君がそう思うから、「二人の思い」になっていた。
君が居なくなった今でも残っている、囚われている。
二人の、君の、思いに。

「瞬きの間にまた君が浮かぶ」、人間の瞬きは1回につき0.1秒〜0.15秒かかるらしい。目を閉じる度、そんなごくごく短い一瞬の時間に、君のことを思い出す。ありふれた日常的な動作の中に君がいる。
君のことを忘れないように。忘れたくないから。
あの日、「私を思って泣かないで」と、泣いた君の涙が流れないように。
僕と君との記憶が、無くならないように、零れてしまわないように。

「暮れなずむ空」、暮れなずむという言葉は本来、春の陽がゆっくり落ちていく様子を言う言葉で、この言葉だけ最初みたとき、春の歌なんだな、ぐらいにしか思いませんでした。でもそうじゃなくて、「暮れなずむ空のオレンジが」の前に「いつか」って言う言葉が入って、
「いつかまた僕に春が来たら、僕の中に在る悲しい気持ちを溶かして欲しい」そんな期待が含まれているんだと思いました。
ここでいう春が来るって言うのは、季節がめぐって時間が過ぎるって言う意味もあると思います。でも、それだけじゃなくて、また私を私たらしめる、私を私で居させてくれる存在に出会ったら、っていう意味も含まれてると思いました。

11.29のライブで連太郎くんは、この曲のことを「未練の曲じゃなくて、後悔の曲」と言っていました。
未練ではなく、とわざわざ伝えてくれたこの曲。
また春が来て、僕で居させてくれる存在に出会えたら、それが君では無いほかの存在だとしても、そうなることを願っている。だから「未練ではなく後悔」なのだと。

この部分は特にミュージックビデオを見て欲しいです。

一貫して3人を照らすオレンジ色の照明、走馬灯のようにながれる"君"との想い出。特別なことをしていない、当たり前だった日常ばかりの想い出。人工的な照明の中演奏するのは、きっとまだ涙が溶かされていないから。
いつかくる「オレンジ色の空」を想っているから、このMVなのかな、と思います。

幸せに気づくんじゃなくて、不幸せじゃない、に気づく。僕はそれに、君が居なくなってしまってからしか気づくことが出来なかった。
いままであった、あの日常、ありふれていた僕と君の日常を失ってからしか気づけなかった。
そんな、後悔。

長々と書いてしまいましたがここまでが、歌詞の解釈。

ここで少し触れたいのが、ミュージックについて。
最初の方に述べたように、イントロ無しで突然始まるこの曲。曲の終わり方もアウトロ無しでぷつっと切られています。突然始まって、突然終わりを告げる。君と僕とはそんな関係の始まりと終わりだったのでは無いでしょうか。また、曲中で1番耳に残るのは、この曲に限らず、メロディーだと思います。動きの少ないギターとベースからはじまるメロディーがより歌詞を引き立てています。加えてサビ前のベースのフレーズ。とっても印象的で、ここの小野くんのベースほんっとうにたまらない、、、何回もききかえしました、
サビ前の盛り上がる場所でドラムもギターもなくなってベース1本になる。メロディーの主軸と言ってもいいギターの音が無くなる。
これは僕の世界の真ん中だった君が居ない、僕にとって大きな存在の君が、もう居なくなってしまったことを表現しているのだと。

それではジャケ写について。

1/17 release
1st Ful Album"優しさに似たこの街から"

このジャケ写は2024年にリリースされるSunny Girl1番初めのフルアルバムのもの。最初に挙げた"私が私で居れるのは"のジャケ写とリンクさせる人も多いのではないでしょうか。わたしもこのアルバムのジャケ写が出た時に真っ先に思いつきました。
でも合わないんです。○が。大きさがどうしても、ぴったり合わせられない。ズレちゃうんです。

そんなとき連太郎くんのツイートを見ました。「写真は同じでも別の意味」、同じ写真だけど違うように見えるなにかがある。違うようにしか見えなくなっている。そう思いました。
どちらも確かに二人が居たあの街、僕を僕で居させてくれた君が居た、優しさに似た街。君がいたから少しだけこの街のことを憧れから近い存在にできた。
でもそんな君は、僕の元から居なくなってしまった。
私が、私で居れたこの街から、もう君はいなくなった。だから真ん中だけ、ぽっかり空いている。
僕の見えていた、見ていたあのいつもの景色も、君がいなくなってしまった事で見えずらくなってしまった。
でも、全部なくなってしまった訳ではなくて、君が僕に気づかせてくれたことや、教えてくれたこの街の優しさは、まだこの街に居て。
君は居なくなってしまったから、もう二人の街で見ていたのとまったく同じようには見ることは出来ない。
それでも僕は、確かに君といたこの街を受け入れて、少しだけ許そうと思う。君が教えてくれたことも、僕が見てきたことも、少しずつ拾って、集めて、繋げて。
またこの街が、憧れになるように。
もう君と一緒に居られないから、僕には少し眩しすぎて、少し多すぎるけれど。
君と二人で居たこの街を、許していけますように。

「未練じゃなくて、後悔」

あの日の、連太郎くんのあの言葉にすべて詰まっているこの歌。まだ全部は許せていないのかもしれない。
それでも、それだから、
許そうと思える、そんな日を待っている。

ここまで読んでくれた人、ありがとうございます。
これで私の解釈はおしまいです。
大好きなバンド、大好きな連太郎くんの書く歌詞、大切に大切に自分なりに考えてみました。
まだ想像力、知識も足りていませんが、たくさん噛み砕いて、読み進めていきました。
この曲も、次のアルバムも、今抱いている様々な思いを消化できるように、昇華できるように。

お付き合い頂きありがとうございました。
ではまた。

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