21世紀になった頃のお話。ディレクションをはじめたきっかけ。
こんにちは。川野です。
令和川野が、過去の自分・平成川野へインタビューする形式でお届けします。
ミニコミ誌でスタートしたライターやイラストレーターの仕事、SOHO系Webサイトのボランティアスタッフで覚えたメルマガのノウハウなど、気がつけば複業スタイルの基礎ができてきた平成川野。その後の仕事の変化やディレクションを引き受けることになった経緯などを、令和川野が聞いていきます。
■書籍関連の仕事とメルマガ制作で得たもの。
Q:令和川野
今回は2000年頃のお話からお聞きしましょう。ライターとイラストレーターの仕事に加えて、メルマガ制作のボランティアスタッフにもなったのですよね。他にも何か変化はありましたか?
A:平成川野
ボランティアスタッフをしていたSOHO系Webサイトからの紹介で、AppleWorks6.0のマニュアル本の作画に関わる部分の執筆(共著)させていただきました。同じ年に、インターネットやフォトショップのマニュアル本など3冊にの執筆にも参加しています。マニュアル本の制作に携わったことで、仕事を構成する力が身についたと思います。これは財産です。
あとは、クリエイター向けのメルマガ「クリエイターの為のメールマガジン『1st-stage@net』で企画・編集・ライティングを担当したことも、自分にとって大きなプラスになっています。『1st-stage@net』は、オーナーのナカムラシュングラフィック工房さんの想いを形にしたもので、これは!と思うイラストレーターさんに声をかけて、作品紹介をしたり、お仕事の「はじめの一歩」「ターニングポイント」などのHPを作りメルマガで紹介していました。このお仕事は、私自身のネットワーク作りにもとても役立ちました。
■イラストレーターチームがディレクションのきっかけに。
Q:その後、ディレクションのお仕事も始めたんですよね。きっかけはどのようなことでしょうか?
A:
イラストの仕事を得るために、ボランティアスタッフで知り合った作家さんと組んで、イラストレーターチームを立ち上げました。その時の相方が、知り合いの編集プロダクションから紹介されたのが年賀状イラストの仕事で、それをチーム内で割り振って仕上げたことが、ディレクションをやるきっかけになりました。相方だった作家さんとは方向性の違いで半年位で解散したのですが、年賀状の仕事はそのまま私が引き受けることになりました。
ディレクションについては、大学卒業後に働いていた部品メーカーでの仕事とリンクする部分があります。アメリカ現地法人から毎朝届くリクエスト(納期確認、数量変更・キャンセル手続きなど)を見て、工場の担当者に連絡をとったり必要な伝票を書いたり、客先ごとの納期管理などを担当していました。イラストのディレクションと重ねるならば、現地法人(または、エンドユーザー)がクライアントで、工場の各部署がイラストレーターとなります。扱っているものは違っても、連絡したり調整したりしながら納品まで管理していくという流れが感覚的に近いように思います。
■複業スタイルのメリットとは?
Q:仕事はどのように得ていたのでしょうか?また、異なる種類の仕事をするメリットを教えてください。
A:
オフ会や知人の紹介で知り合った会社などからの仕事がほとんどでした。個人でディレクションをやっている方や編集プロダクション、メーカーなど様々です。HPから問い合わせをいただいた内装会社などもあります。仕事の内容は、原稿制作、イラスト制作、ディレクションなどまちまちでしたが、私ができる範囲のことはなんでも受けていました。
色々な仕事をやっていると、Aの仕事で学んだことがBの仕事で役立ったりということがよくあります。技術的なこともあれば、モノの見方ということもありますし、Aの分野では思いつかないことが、実はBの分野ではよく使われていることもあります。
■目の前のことをやりながら、次を考えるしぶとさ。
Q:お仕事は順風満帆でしたか? 苦労されたことはありますか?
A:
ゼロからのスタートだったので、本当に色々な機会に恵まれた方だと思います。あとは諦めなかったことと、家族の理解でしょうか。仕事を継続していくには、やっぱり苦しみも多いです。イラストについては、ほんの駆け出しの時期にディレクションを引き受けたので、自分の未熟さを実感することが本当に多いです。
ただ大変な仕事でも、報酬が振り込まれる頃には大変さを忘れているのですから、おめでたい奴ですよね。目の前のことをやりながら、ああこれは別のことに使えるな!とか次回はこうしようとか、その先を考えている自分がいるので、まだ続けていけるなあと思っています。
■令和川野
平成川野のお仕事は増えたり減ったりを繰り返しながら、今も継続しています。ありがたいことです。自分を振り変えると、あの時のあの出会いとか、あの時のあの仕事が分岐点になっていたのだと気づきます。ここからどう進めばいいかを考えるときには、こうして振り返ることが大切だと実感しています。
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