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ひとりで読めても、読んでほしいの。

こんにちは。 絵本ライフスタイリストのうたむらあかねです。

今日は幼年文学のことをすこし。
子どもが絵本を読んでもらって楽しむ時期から、ひとりで物語を読むようになる過程に〈幼年文学〉という位置づけがあります。
見て聞いて楽しむ〈絵本期〉から、自分で文字を読んで意味をとり、想像しながら味わう〈物語期〉までの途中に〈幼年文学期〉があると思ってください。

絵本は見開きいっぱいに絵があって文字が少なめ。かたや幼年文学は挿絵程度の絵はありますが文字が多め(ページ数も多い)。
不動の人気を誇る「エルマーのぼうけん」(ルース・スタイルス・ガネット/作ルース・クリスマン・ガネット/絵 渡辺 茂男/訳 福音館書店)。
「いやいやえん」(中川 李枝子/作 大村 百合子/絵 福音館書店)。「ふたりはともだち」(アーノルド・ローベル/作 三木 卓/訳 文化出版局)シリーズなど。



絵本から物語へのスムーズな移行をお手伝いしてくれるのが幼年文学。

今日私がお願いしたいことはただひとつ。
文字とページ多めの幼年文学を、可能なかぎり読み聞かせていただきたいのです。

ママさん向けにブックトークの会をやっていた頃、「童話って文字が多いから小学校入学後に子どもに買ってあげたんだけど内容が幼くてぜんぜん読まなかった」というお声が非常に多かった。
そりゃそうだ。だってエルマーは5歳くらいが旬の物語だし。「いやいやえん」はそもそも保育園チューリップ組のおはなしだし。もはや古典ですが、かなりぶ厚いし文字も小さくて多い「長くつ下のピッピ」(対象年齢は小学校中学年以上ってなってるけど)。ペットのサルを肩にのせて馬を持ち上げる怪力の女の子のお話は7歳~8歳までには楽しんでもらいたい。

※現在は文庫も出ております。


そう。この本たちはみんなひとり読みではなくて、読んでもらってこそおもしろいのです。っていうか、就学して文字がすらすら読めるようになってからでは楽しめない内容なんです。

「そう言われても。文字が多いし長いから読み聞かせるのはちょっとねぇ…」って忙しいママやパパが仰りたいお気持ち、よーくわかります。

でも、ここが読み聞かせのラストスパート。ここで少しだけ頑張っていただくと、ひとり読みがするっと出来るようになりますから。ええ。
(私の経験では)幼年文学は読み聞かせるもの!と、言い切ってしまいたいくらい幼年文学を子どもと楽しむのは豊かで素晴らしい時間です。子どもに本を読む醍醐味は、幼年文学にこそあると言っても過言ではありません。

殆どのものが章立てになっていますので、寝る前やおやつの時間、お昼寝前に一章ずつ。無理のない範囲で読んであげてくださいね。
今日は熱苦しく語ってしまいましたが…次回は幼年文学のブックガイドのおはなしを。

では、また。

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