ねこまんま
「ネコの飼いかた」みたいな本を読むと、人間のゴハンは塩分過多ほかあれやこれや禁忌があるから専用のフードを年齢に合わせて……などとあるが、こういう刷り込みがあるとなれば、ある意味ブラックボックス化したペットフードというのも良し悪しなんだと知る。ペットの長寿命化には間違いなく貢献しているのだとしても。
畜産であれば飼料は経済性の向上という観点から決定されるのだけれども(たとえば乳牛、「グラスフェッド」で収量が減少したとしても、それに市場が高水準の価格をつけるのならば見合う。動物福祉の観点が入ってきたとしても最終的には市場経済に落とし込むことになる)、ペットへ対するエサなり医療なりのケアは「経済性」というラインがない。底なしにすることもまた可である。もともとが飼主の心の充足のためにやっていることであって評価がむつかしい。
「社畜」とは、それを逆に表しているわけで。単に滅私奉公的労働のみを指すのではなく、社会においてペットとヒトとを比べるとはるかにヒトのほうが経済動物である。経済動物であるからこそ、社会からの処遇なり個々のふるまいなりがそれなりに決定されていく。否が応でも。
もともと寺町のここはスーパー店頭の仏花とか、コンビニ、100円ショップの蝋燭線香などの品ぞろえはやけに、というか当然によい。と同時にペットトリミングや動物病院の看板も妙に目立つ。死者とペットは別物のようだが、一般的な「経済性」のラインに乗ってこないもの同士というのが共通点だな、と日々感じている。
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