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何もしない日

今日は息子がお休みの日。

息子は逐一、私の動向を気にかけている。
絵本に没頭しているかと思ったら、

「ママ、どこにいる?」

と、私の所在を確認する。

トイレに行くと、扉の外側からドアノブをガチャガチャしたり、「ママ」と連呼したりする。

スマホを見ていると、絵本やトミカを持ってきて膝に乗る。

作業机に座り仕事をすると、椅子の半分に座ろうとする。

こんな感じで、集中して仕事するのは難しい。

一方で、今日は起きたときからエネルギーが枯渇している気がした。なんだか体がだるくて、何もやる気が起きない。頭に膜が覆っているようで冴えないし、考え事もできない。

こんなこと、久しぶり。
体がブレーキを踏んでいる感覚。
動きたくないって言ってる・・・

本当であれば仕事や勉強、発信のためのライティングをする必要があった。

でも、心の声に耳を澄ませたら、

まぁ、いいや。
今日は自分のやりたいことだけしよう。

そう思えた。
こんなふうに設定したのは久しぶり。
思いきって決断できた自分、グッジョブ。

というわけで、超久しぶりに息子の読み聞かせしてみた!

た、た、たのしい~~♪

育休中に絵本にドハマりして、自分が一番楽しんでいたことを思い出した。

これから秋になるからか、息子は「おつきみ」「虫の音」といった秋をほうふつとさせる絵本を選んでくる。文章を読んだり、絵を見て楽しんだり、ゆったりした時間を味わう。

その他にも、目じりに指をあてて目を吊り上げたり、吊り下げたりする。

ママ、おこってみて~

と、目を吊り上げて変顔をしてくる。私も息子の顔をマネしたら息子が吹き出して、2人で大笑い。

その後は、

「iPadみ~る~ぅ」

とふざけてくる息子。

これを言ったら、私がくすぐるのが私たちの定番。

iPad見ないよ!

と言いながらくすぐると、息子は体をよじって大笑い。縦横無尽に逃げ回る。そんな息子を追いかける私。

こんなに笑ったのはいつぶりだろう。

遊びがひと段落して、息子がダイニングテーブルに絵本を持ってきて集中して見ているとき、息子を眺めながら、ふと気づいた。

幼稚園がお休みの日、息子を見るのはいつも私だった。

在宅ワークしているから仕方ないけど、私ばかり自宅保育しながら仕事をしなくてはならなくて。ハズレくじを引いているようで、夫に恨み節を吐いていた。

息子をいつも邪魔者扱いしていたな。

反省するとともに、そんなママの動向は気にせず、息子はいつも私を慕ってくれていた。その現実に気づいたら、急に涙があふれた。

息子がいてくれて、なんて私は幸せなんだろう。
ありがとう、ありがとうね。

真剣な眼差しで、絵本を凝視する息子を眺めながら、静かに感じた。

私はいつだって

仕事で認められた!
抜擢された!

そういった外的な要因で大きく喜んできた。
けれど、本当に大切なことはこういった静かで、低刺激な幸せなのかもしれない。

こういった出来事をしっかり受け止めて、当たり前の日常過ごせることに感謝していこう。

今日は何もしない日。
息子とただただ笑い合った日。

滋味深い幸せに気づけた、転換点にもなる大切な1日でした。

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冨田裕子(おーつー)
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