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娘の卒園をきっかけに、母の愛に気づいた話

今日は娘の卒園式。

普段は時間がなくて、髪の毛も1つ結びであるが、今日は晴れの舞台なので、娘に髪型のリクエストを聞いた。

娘の話を要約するとこうだ。

  • サイド2カ所から三つ編みをしてほしい(左右で計4カ所)

  • サイドの残り毛も含めてまとめる

  • ハーフアップとして結ぶ

これが娘の希望だ。

とはいえ、私も化粧をしたり、着替えたりとバタバタだ。そんな忙しくしているママがすぐに結べるようにと、自分で髪をとかして待機してくれた。成長したなぁ。

娘が自分で選んだゴムを、指定のとおりに結んであげる。

すると、なんだかお姉さんのような雰囲気に。
本人もとても満足そうだ。
時間はかかったけど、結んであげてよかった。

そう思って、パジャマから淡々とスーツに着替えた。

正直、普段は娘より息子の心配をしている時間が長い。それでも、今日は娘が主役だ。幼稚園を3つも変わっても前向きに登園してくれた。素直に育っている娘を見ていたら、いつも励まされている。
無事に卒園できたことに、感謝していた。

そこで閃く。

もしかして、私の母も同じ気持ちだったのでは?

私は中間子だからか、母の視線をいつも気にしていた。

「お姉ちゃんばかり褒めてる」
「弟ばかり構っている」

そんなふうに思っている時期が長くて、40歳になった今も少し引きずっていることがある。いい大人なのに、心には幼い子供の私がいる。傷ついていて、悲しんだまま。どこか母に素直になれずにいる。

けれど、娘の卒園式を母目線で見ていたら、私の母の目線に重なったのだ。

きっと母も、同じ想いだっただろう。

3人の子育てで大変だっただろうけど、1人1人の節目のときに「大きくなったな」と見てくれたことを。笑顔でいた母を、自然と想像したのだ。

私はきっと思い違いをしていたのだ。
母は、姉や弟の方が好きだったと。

けれど、違う。
みんな等しく愛情を注いでいてくれた。
例外なく私も。

急にその事実を芯から理解した。
私はずっと母から愛されていた。
今もなお……。

その想いを理解したら、鼻がツーンとしてきた。想いとともに涙がこみ上げ、クローゼットに隠れて目をぬぐった。

私も母になって、ようやく母の気持ちを理解した。

お母さん、ずっとずっとありがとう。
大好きだよ。

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冨田裕子(おーつー)
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