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9年間ブレずに行動し、愛してくれたわが家の神夫(かみおっと)
わが家の夫は神である。
まず、休みの日は8時半まで寝かせてくれる。
その間、
子どもたちへの朝食作り
洗濯物たたみ
副菜作り
夜ご飯作り
と、手際よくタスクをこなしてくれる。
前日の夜には、子ども2人を寝かしつけてくれてから、足りない物品と食料を買いに21時半すぎに買い物に行ってくれた。
とにかくよく動く人だ。
積みあがったタスクは早く解消するのが好きらしい。
現在の家事&子育ての分担は、2022年に東京に引っ越してきたときと比べて大きく変化した。今では、圧倒的に夫が担ってくれている。
おそらく、
夫:私=8:2
よく驚かれる。
幼稚園の送り迎えも、子どもたちのお風呂入れも寝かしつけも全て完璧だ。
夜や休日の司会も、事前に伝えれば快くサポートしてくれる。
休日前には、どこに遊びに連れて行こうかとリサーチまでしてくれる。
複数案が事前にLINEに送られてきて、「その中から決めていいよ」と決定権を私にくれるのだ。
なんて人だ!!!
いつも遊んでくれるパパが子供たちは大好きだ。
「パパがいい!ママはあっちいって!」
そんな言葉をかけられるのが日常茶飯事。
嬉しい悲鳴。
そんな日常を当たり前だと思っていた。
しかし、周りから夫について話を聞くと、うちの夫は希少種なみに貴重な存在だと知った。
それをずっと受け止められずにいた。
7歳の娘が生まれて1ヶ月で海外赴任に行ってしまった夫。
悲しくて、寂しくて、不安で初めての子育ては恐怖でしかなかった。夫も同じ想いだったけど、お互いに寄り添えずケンカばかりだった。
やっと1歳になり、夫の元へ移住を決断。
見知らぬ海外での子育ては、またもや恐怖でしかなかった。先に住んでいる夫との温度差で、大ゲンカ。移住するのを辞めようと、何度思ったか分からないほど。
移住後、すぐに2人目を懐妊。
日本へとんぼ返りして、1人で出産。下の息子が生後半年になったころ、再移住しようとしたらコロナ到来。
2年3ヶ月の間、別々に暮らした。
なので、夫とは赤ちゃんのときに子育てした共通の記憶がない。
それがずっと悲しかった。
その仕返しに、「家事や育児」を要求していた。
あなたが海外移住してステップアップしていたとき、私は子育てに翻弄されていたんだ!
そういって主張しつづけた。
「私はずっと苦しかった。私の気持ちなんて分からないでしょ?!」
そう言わんばかりに、キツイ言い方をして自分を守った。
夫は冷静で、端的な人間。
冷徹な人間だとさえ思っていたから、罵詈雑言も響かないと本気で思っていた。傷つかないと思っていたから。
冷酷なのは、この私だった。
それでも、夫は淡々と行動で示しつづけた。
仕事が終わらない私に代わって2人を遊びに連れて行ったり、義父母宅に泊りに行ったりしたことも一度や二度ではない。
傲慢で、夫に甘えていたのは私だった。
ずっと夫はサポートしてくれていたのに、自分の意に沿わないと全部跳ね返していた。
そして、転機が訪れる。
8月に事故にあい、夫婦関係をゼロから見直した。
夫のこれまでと現状を見直したら、
・私が色眼鏡で曲解して見ていた
・夫はいつでも私の味方だった
・言葉下手だけど行動で愛を示してくれていた
・出会ったころから何ら変わらない愛情を向けてくれていた
悲劇のヒロインを演じて、被害者意識でいつまでも夫をジャッジしていた私が、状況をややこしくしていたことにやっと気づいた。
夫は結婚してから、スマホやカメラで撮影した写真をわざわざ現像してくれている。
現在、240枚を収納できるアルバムが27冊になった。その中に、子どもが夫のカメラを使って撮った私の顔をよく現像してくれていることに、9年目にして気づいた。
満面の笑みの妻の顔。
夫は私の笑った顔が好きだ。
「笑顔がかわいいと思いました」
夫と初めて会ったとき、私の印象をそのように伝えてくれた。
ストレートな物言いは、あの頃と変わらない。
きっと夫の中では、私への想いは全くブレていない。
こんなに子どもたちのために、家族のために動いてくれるのは、私を愛しているから。私が喜んでくれることを、せっせと行動に移してくれていたのだ。
そんなこと恥ずかしくて口にできなかった。
今はそれを、芯から感じられている。
今日は祝日だったので、家族で遊び場に行った。
帰りの車中では、子どもたちが爆睡。
すると、夫からこんな提案があった。
「もっと寝かせてあげたいのと、今週は出張で不在の日が多いからと帰り道に業務スーパーに行こうか?」
買い物担当は夫だから、私が店舗に行くのはかなり久しぶり。
「子どもたちも寝てるし、ゆっくり買い物してきなよ」
そう言ってお店の駐車場が満車だからと、近隣の駐車場にわざわざ停めてくれて送り出してくれた。
「こんなに幸せでありがたいな…」
夫からの愛を感じられて、業スーで涙があふれた。
あんなに罵倒しあって、そっぽ向いていたのが噓みたい。今ではこんなに穏やかで、お互いを信頼できている。
いや、夫はずっと変わっていなかった。
私の眼鏡が外れて、夫の愛を照れずに受け取れるようになったのだ。
店内を見回すと、バレンタインにちなんで世界のチョコが陳列されていた。目に留まったのが、ベルギー産の美味しそうなチョコ。
口角が上がる夫の顔を思い浮かべながら、カゴにチョコを投入した。
今年のバレンタインはちゃんと「ありがとう」と伝えてみよう
そう誓いながら。
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