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かかと踏み族
最近、6歳の娘の行動で気になることがある。
それは、靴のかかとを踏むこと。
踏んだまま歩くので、その度にきちんと履くように伝えている。
踏み続けると靴に跡がつき、足に接触することになる。すると、靴擦れの原因にもなる。
それに、物を大切にしてほしいと思っているのだ。
サイズアウトするまでは、丁寧に履き通してほしい。そして、新しい靴を買ったら、きちんと感謝をして手放してほしいのだ。
だから、常に娘に声をかける。
しかし、娘もクセになってしまったようで、毎回かかとを踏んでいる。
そして、奇しくも私も気づいてしまうというスパイラル。
しかしながら、言っても言っても直さないので、だんだんと私の語気も強くなっている。
「◯◯!ママが何を言いたいか分かる?」
最近は、直接的には言わない戦法だ。
相手が考え、気づいて直してほしい。
そんな親心を込めて、話を切り出す。
娘も渋々といった感じで靴を履き直す。しかし、サッと直すからきちんと正してなくて、半分はグニャリと曲がったまま。
なので再度促す。
2度目の訂正のときは、1度目より沸点が下がっているのですぐに私も茹ってしまう。
嫌そうな娘の顔を見ると、自分の小さい頃を思い出す。
そう、私もまさに「かかと踏み族」だったのだ。そして、母に嫌悪の目を向けていた。
時代は巡るのである。
なぜ踏んでしまうのだろう。
かっこいい?
楽チン?
めんどうだから?
理由は覚えてないけど、かかとを踏み続けた。
そして、その弊害も実体験から熟知している。だから、娘に伝えているのだ。
きっと、母も苦々しい気持ちで注意していたことだろう。
私も苦し紛れに
「つま先立ちしてるから、かかとは踏んでいない」
などと、言い逃れしたこともある。
とんでもない奴だ。
しかも、社会人になってもそんな言い訳をしていたのだから、始末に負えない。
だから、娘を諭しながら、一方で自問自答している。私にそんなことを言う資格があるのか?と。
しれっと正論をかざしているけど、言い逃れしてきた熟達者なのだから。
私の中の陰と陽の攻防戦が繰り広げられている。
とはいえ、「かかと踏み族」だったから分かることもある。そう、踏みつぶしたメリットがないのだ。
なので、先をいくものとして、娘にかかとをつぶさない良さについて伝承していこうと思う。
そして最近では、またもや別の同じことをしているのを発見してしまった。
それは、膝丈の靴下の上部を少し丸めて、手のひらで下に向けてくるくると丸める行為だ。
すると、足首にバームクーヘンのような巻かれた靴下が鎮座する。
「令和なのに、昭和と同じことしてるじゃないかーい!」
心の中で盛大にツッコんだ後、ニヤついてしまった。
35年を経ても変わらない文化が、まだまだあるようだ。
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